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Instagram 3.0は位置情報を活用した「フォトマップ」を実装。過去に投稿した写真の閲覧性アップで楽しみも倍加

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今回、Instagramのバージョンアップには新しいフィルタは入っていない。世界で最も愛されているモバイルアプリケーションのひとつ(8000万の人びとが利用している)であるInstagramのために働く14人のメンバーたちは、他の機能を実装して見せることにした。今回提供されるのは、閲覧時に役立つものだ。「リリースするたびに、全く新しいものをお見せしようと心がけてはいるのです」と、Instagram CEOのKevin Systromは言う。UIの変更について行った、自分としてはこれまでで最も長時間に及んだもののひとつであるインタビューに応えての話だ。「Instagram 2.0は新しいフィルタなどを実装し、利用者の生産エクスペリエンスに新しさをもたらすものとしてリリースしました。Instagram 3.0では新しい閲覧スタイルを提案するものとなっているのです。私たちはフォトマップと名づけました」。

Facebookの「タイムライン」風の使い勝手を、「モバイル」の上で実現するとこうなるのではないかというInstagramからの提案と受け取ることもできよう。これまで、アップデートした写真間での関連性を表現する方法は用意されていなかったが、「位置」に基づいた物語を提示できるようになるのだ。

写真投稿時に設定していた位置情報を利用して、写真の撮影された場所を地図上に表示するようになる(新機能の名前の通りだ)。アップロードする写真に、位置情報を活用した物語性を付与することができるようになるわけだ。これまでアップロードしてそのままになってしまっていた写真も、付与した位置情報をもとに「フォトマップ」として整理される。

「世の中に公開された情報を整理することで、ソーシャルメディアとして機能するようにしているわけです。整理しない情報というのはかげろうのように消えさっていってしまいますからね」とSystromは言っている。彼はモバイルによって生み出されたデータを整理する最適な方法は、位置情報を活用することだと考えているそうだ。

位置情報を活用することで、Instagram内での人間関係にも変革をもたらすことができるとSystromは言う。「誰かのプロフィールを見て、そして写真リストをさかのぼって最初から見なおしてみたりする人がいるでしょうか。誰もそんなことはやっていないと思います。ほんの少しのデータを見て、2年間分の情報を得たことにする、というのがこれまでのやり方だったように思うのです。フォトマップを使えば自分自身の過去を再発見することもできます。さらに他の人のことも、さらによく知ることができるようになるのです」。

新しいInstagramではプロフィール画面に、従来のグリッドないし一覧表示に加えて「フォトマップ」というものが表示されるようになる。ここから、これまでにジオタグを付けてアップロードした写真を地図上で閲覧できるように設定できる。

もちろん地図上に表示したくない写真については表示しないように設定することもできる。それぞれのデータについての設定がおわれば、近くの場所で撮影された写真が重ねあわせた状態ないしタイル状に並べた形で表示されるようになる。ちなみにフォトマップに表示されないようにした写真からはジオタグ情報が削除されることとなる。

他の人の写真を見る際も、プロフィール画面からフォトマップを選んで地図上で閲覧していくことができる。スタック状に表示されている写真群はクリックすることで細かく、詳細に見ていくことができるようになっている。また、ダブルクリックすることでグリッド表示にして見ることもできる。

位置情報に基づいた閲覧エクスペリエンスを強調することで、Instagramは蓄積されたデータに方向性を与えようとしていることになる。「Instagramはまだまだこれからもアップデートを繰り返していくことになります」とSystromは言う。「しかし私たちはひとつの方向性を提示したいと思ったのです。たくさんの写真を時系列に眺めていくというのはふさわしいやり方とは思えませんでした。ここは位置情報を活用したエクスペリエンスを提供すべきだと考えたのです」。

フォトマップ機能を実装することで、写真閲覧にノスタルジックな楽しみをもたらすこともあるようだ。「位置情報に基いて写真を眺めていれば、ベルギーから出て外国から暮らしている人が、遠く故郷を思い出すというようなことにも役立ちます」とSystromは言う。「写真を眺める楽しみというのは、1枚だけを見てそれで終わりにするようなことではないと思うのです。ベッドルームに靴箱いっぱいの写真を持ち込んで眺めるという人が多いのではないかと思います」(訳注:未整理の写真を靴箱に放り込んでおくという習慣が世界各地にあります)。

もちろん、誰もが過去や現在に自分が過ごした場所情報を公開したいと考えているわけではない。この点についてはSystromもフォトマップに表示する写真は利用者が自身の判断で選ぶことができるのだと強調している。「何か新しいデータを付加して、利用者の意図に反する情報を提示しようとしているわけではありません」と彼は言う。フォトマップで扱われるデータは、既に公開されていた情報のみだ。自宅や両親の写真からは位置情報を削除することができる。利用者が見せたいものだけを効果的に見せるという流れの中にあるものだと言えるだろう。

フォトマップ以外に、今回のアップデートでは数多くの面でUIの微調整が行われている。複数行キャプションの編集機能やアップロード機能に手が加えられ、またスピード面も改善して無限スクリールにも対応した。Instagramでは、人気が高まるにつれスパム問題も顕在化してきており、コメントをスパムであるとマークする機能も加えられた。また、TwitterがAPIの利用を制限していることから、Twitterと連携した「Find Friends」の機能は削除された。

Systromによれば、今回のバージョンアップはInstagramの今後の方向性を示すものであり、何らFacebookによる買収と関連して語られるべきものではないとしている。「ソーシャルなフォトマップとして、なかなか良いものができたと思います」とSystromは言う。Facebookとの統合云々よりも、今回の位置情報を活用した機能拡張のような大きな仕掛けを今後とも行なっていきたいと考えているようだ。

Josh Contineが記事に書いていたように、またMG Sieglerもグラミー賞関連の記事で言っていたように、SystromはInstagramを特定のイベントなどと結びつけて利用できるようにしているのかもしれない。ハッシュタグやプロフィール情報に基いてロンドンオリンピックやBurning Man(バーニングマン)の情報を見ていくスタイルは、位置情報をキーとしたものに姿を変えていくのかもしれない。「すべての写真にジオタグがついていると良いですね」。Systromも位置情報をますます活用していくつもりであるとして、このように述べている。「世界中のあらゆる情報がInstagramから見られるようになるわけですから」。

新しいバージョンのInstagramはiTunes StoreないしGoogle Playなどからダウンロードできる。

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(翻訳:Maeda, H)