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カルチャー・クラッシュ

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企業カルチャーは、シリコンバレーのほぼすべてのものと同じく、急速に強まりつつある。カルチャー、およびそれと関連してブランドは、非常に重要になりかつ広く行き渡った結果、まるでロールシャッハのようにテストが可能だ。ユーザーに会社の名前を見せれば、即座にその理念を言い当てられる。

Facebook: ハッカー・ウェイ

Twitter:

Google: おたく

Apple: 優れたデザイン

Square: ミニマリズム

TechCrunch: スタートアップ、等々。

この連想はあまりプラスでない方向にも働く。 Yahoo!。誰も知らない。Aol? えー、まあいずれわかるだろう。

組織にとってカルチャーは非常に重要だ。それが焦点を生み出し、雇用に影響を及ぼすからだ。才能ある人材は、われわれがライバルおよびビッグプレーヤー相手に戦うための武器である。Paul Grahamが、「Yahoo!に何が起きた」にこう書いている。

「この会社は未熟なまま大人になったように感じる。殆どのテクノロジー企業は最終的にスーツを着た中間管理職たちに取って代わられる。Yahooを見ていると、このプロセスを意図的に加速しているように感じる。彼らは大量のハッカー集団になりがっていない。スーツ族になりたがっている。メディア企業はスーツ族が動かすべきである。」

第一に、「われわれはテクノロジー(ハッカー)企業なのか、それともメディア(スーツ)企業なのか?」という議論が社内外で歯止めなく勃発するようになればなるほど、会社は目標を見失う。

第二に、この議論は厄介だ。なぜならそれは同語反復であり、ふつう誰もが異なる意見を持つからだ(Facebookはテクノロジー企業? Pathは?)。真実はといえば、会社はハッカー意識を持ったメディア企業にも、Marissa Mayer以前のYahooのように、その逆にもなることができる 。カルチャーとは複雑なものである。

私はこれを、AOLの中の異なるメディア領域における傍観者の一人として間近に見てきた。ある水曜日の午後5時30分、The Huffington Postの社員たちは階下でピンポンをしていた。TechCrunch(少なくとも私が知る限り、AOL内の自立した最先端組織であり、CrunchBaseを持つテク企業)は、決して眠らない ― いや、ほぼ決して眠らない。

今日は日曜日、私がオフィスにいる主な理由は、私が今でもTCを「スタートアップを報じるスタートアップ」と考えているからだ。ただ一つ変わったのは、現在われわれがビッグな何かに所有されていることだ。それは、われわれがベストを尽くしてカルチャー的に無視している事実である。

なぜならビッグな何かは概して物事を遅らせるから。成長するテク系スタートアップにけち臭い政治的いさかいは殆ど皆無であり、誰もが生き残りに集中し、誰もが山ほど仕事を抱えている。「誰もが、朝起きた時自分のやっている仕事は効率的、効果的で組織と自分たち両方に変化をもたらすものだと知っているようにできる」とBen Horowitzが、昨日書いていた

企業のカルチャーがハッカーよりもスーツに寄ってくると、逆方向の効果が働く。管理職の階層が増え、ボトルネックが増え、イノベーションの中断が増える。Horowitzによると、この種の会社では「人々が組織境界の戦いや内紛や壊れたプロセスに多くの時間を費やすようになる。彼らは自分の仕事が何であるかさえ明確に理解できなくなるので、仕事を成し遂げたかどうかを知る術がない。とんでもない時間働いた結果仕事を完了したという奇跡的ケースでさえ、それが会社や自分のキャリアにとってどんな意味を持つのか知る由もない」

社員ひとりの努力が会社にとって何を意味するかを明らかにすることは、企業のカルチャーシステムにとって最初の仕事だ。小さなスタートアップでは、実際問題自分が会社にどんな価値を与えているかを全員が理解している。大企業が成功したければ、規模が大きくなった時にもこの種のスタートアップ精神を維持していく必要がある。

Marissa Mayerは不評を買いながらも、CEO就任後の初仕事の一環として、Yahooにハッカー・カルチャーを注入している。食事を無料にし、採用の最終面接官を希望し、GoogleのTGIFタイプの金曜食事会を制定するなどして見出しを飾った。そして(聞くところによると)採用にあたって、出身校や学位や試験に注力し始めた。その最終ゴールは、会社が間違いなく優秀な人材を集めて維持していくことにある。優れた人材は優れた人材の元に集まる。

Mayerによる雇用および製品主導の新方針によって、Yahooは人々がまた働きたいと考える場所へと成長するかもしれない ― もし、Googleが成し得たようなスタートアップ・カルチャーの幻想を再現できたなら。

Goolgeのカルチャーを大量に借りてくることが最良の方法だとは思わないが、この会社に若さとヒップさが必要なのは確かだ。彼らがFacebookやTwitterと対峙していることを考えれば、この会社が独自のハッカー・カルチャーを誘発し、Foursquareのような看板モバイルサービスを手に入れ、不調ながら愛されているFlickrのようなサービスを再生させることができるかもしれない。

ハッカーたちにとって、スーツを着た製品ビジョナリーを想像することは難しい。またそれはYahooで権力をもつ幹部たちを脅かすことでもある。一つの解決方法は、彼らをはじめとするあらゆる不必要な管理階層をなくすことだ(Ross Levinsohnもそれ?)。現存する「管理職 vs 作り手」カルチャーを破壊するのだ。

この手の話の問題は本質的にパラドックスであり、Mayerのような破壊者は、大企業の既成概念にとって忌まわしい存在だが、スタートアップでは成功のために必要である。大企業の多くの人々は、6~7時間働いて高給をもらえる今のしくみが変わらないことを望んでいる。

そんな会社は面白くない。そして会社は、水曜の午後5時半にピンポンをせず、週末に仕事を片づける人々からの攻撃を受けやすくなる。

こうした会社は、スティーブ・ジョブズ(作り手でありある意味でハッカー)がある時、スーツ族による「大人の監督」を優先して大鉈を振るい、その結果何が起きたかを思い出すべきだ。彼らはPaul Grahamの言葉をドア枠に彫り込むべきだ。「無責任に見えるよりも悪いことがある。例えば、負けること」

[注:TechCrunchファウンダーのMichael Arringtonが9月のサンフランシスコ TechCrunch Disruptで、Yahooの企業カルチャーについてMarissa Mayerを厳しく追求する予定。これはわれわれ全員が楽しみにしている衝突だ]

画像提供 Mark Bulmer

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(翻訳:Nob Takahashi)