TechCrunchが選ぶ、Y Combinator S12のスタートアップ・ベスト10

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Best Of YC[日本版注:この記事は現地時間の8月21日に掲載された]今月21日、15回目を迎えるY Combinatorのデモ・デーで、スタートアップ75社が登壇し、熱いピッチを披露した。成功間違いなしのスモールビジネスから、リスキーな大博打まで私たちは拝見したが、YCS12(Y Combinator Summer 2012 Funding)の会社やトップVCから収集した情報を元に、TechCrunchのトップ10を選んだ。

[TechCrunchのライター、Josh Constine、Anthony Ha、Colleen TaylorそしてKim-Mai Cutlerが選択し、順不同に並べた。素晴らしいプレゼンは他にもたくさんあったので、次に挙げた通り、取材したスタートアップ全64社からあなたが気に入った会社を選んでほしい:第1弾第2弾第3弾第4弾](訳注: 原文へのリンク。翻訳次第アップデート予定)

VASTRM – WARBY PARKERみたいなポロシャツ

選考理由: 服が体の大きさに合っていないなんて、バカみたいだから

Vastrmのゴールは非常にシンプルだ。ポロシャツを顧客の体に完璧にフィットさせることである。創業者Jonathan Tangは、投資家へのプレゼンの時、フィットしたピンクのパンツを完璧に履きこなしていて説得力があったことは特筆に値する。この創業者の家系にはもっともな背景があった。彼の一族は長年、繊維業界でビジネスを行なっており、彼が言うには、今日のアメリカで着用されているポロシャツの6枚の内1枚は、一族が製造しているそうだ。Tangによると、衣料品業界においてもっとも尊重すべきことは、体のサイズにピッタリと合わせることだそうだ。

Vastrmは、大きいサイズから小さいサイズまで、サイズを揃えたポロシャツを提供することで、業界における問題の解決を目標としている。顧客が自宅で試着して、ジャストフィットのサイズを見つける手助けをしようというのである。Vastrmはまた、衣料品業界のサプライチェーン全体と連携することで、会社の利益アップに貢献しようとしている。Tangによると、Warby Parkerよりも潜在的市場は大きいそうだ。なぜなら、「誰もが眼鏡をかけるわけではないが、みんなシャツは着る」からだ。Vastrmの詳細はこちら

DOUBLE ROBOTICS — iPadで顔を見ながら遠隔会議を行うロボット

選考理由: Appleにサイボーグ脳を構築させるから

「テレプレゼンス・ロボットについて知っていることは全て忘れよう」。Double Roboticsは、iPad用の移動可能なロボットスタンドでDoubleと呼ばれるマシンを作っている。遠隔会議を始めるに当たり行うことは、iPadのアプリのインストールだけである。Double Roboticsはこの方法により、Double一台当たり1,999ドルという非常に手頃な価格で、テレプレゼンス・ロボットの提供を可能にした。

ベータテスターには、Johnson & Johnsonやコカ・コーラといった企業が含まれている。Doubleの出荷は今年の末頃に予定されているが、彼らのウェブサイトによると、第一回目の製造分はすでに売れ切れたそうである。Double Roboticsによると、事前予約で50万ドルを突破、フォーチュン500社の7社から注文が入っているそうだ。Double Roboticsの詳細はこちら

ZAPIER:WebアプリのクロスAPIのコネクター

選考理由:あちこちにAPIが溢れているから

このスタートアップは、ウェブ上で共通のタスクの自動化、異なるウェブアプリ間でのデータの同期を簡素化した。最近、サードパーティーの開発者向けプラットフォームをローンチしたところである。Zapierによると、クラウドベースのサービスへの大量のマイグレーションや新しいAPIが多くなっているために、サービスが他のアプリケーションと連携することが困難になっているそうだ。彼らの提供するサービスはハブとして働き、これらさまざまのサービスの代わりを果たすそうである。

FUNDERSCLUB – 次世代のNASDAQ

選考理由:誰もがシリコンバレーのインサイダーになれるわけではないから

スタートアップの価値90パーセント以上が、非上場市場内で創造される。このことは、多くの投資家が脇へと追いやられていることを示している。活発に活動している投資家、特にシリコンバレーの外にいる投資家には、価値を見出しているスタートアップにアクセスする方法がないのである。そこでFundersClubは、わずか1000ドルしか出資しない認定投資家でも、非上場企業やスタートアップに出資可能な、マーケットプレイスを構築し全てオンラインのプラットフォームで完結するようにした。

LendingClubやKickstarterはすでに、イノベーションを促進するために、資金をプールすることが可能であることを示している。一方FundersClubにも牽引力があり、当初25万ドルの資金調達を目標としていたところ52万ドル超を達成し、ローンチ後1ヶ月足らずでシステムを通じて13万ドルも流入したそうである。FundersClubは、創業者に資金を手に入れるためのアクセス方法を与えることによって、最高のVCやエンジェル投資家を増やすことができるかもしれない。 というのも、出資金以上の価値を与えてくれないかもしれない、うるさい大物投資家を加えなくても、ラウンドに投資家を参加させることができるからだ。FundersClubの詳細はこちら

LIGHT TABLE:新しいプログラミング環境

選考理由:可能な限り速くコードを書いて、プロダクトが進化する様子を観察できるから

Light Tableのクリエーター、Chris Grangerは、今日の開発者は、「目隠しをした画家のように、暗闇の中で」開発していると言う。そこでGrangerは、ドキュメントへの簡単なアクセス、即時のフィードバック、ドラフトが表で見られるデザインといった機能を備えた、新しいソフトウェア開発の環境を構築しているのである。彼はKickstarterの7000人以上の支援者から31万6,000ドルを調達、Light Tableのプレイグラウンドの初代バージョンをローンチしたところだ。

SPONSORIFIED:スポンサー出資のためのマーケットプレイス

選考理由:彼らは陽気に仕事をするチームだから

大企業の大多数がショーやカンファレンスのスポンサーとなっている。Microsoftの場合、今年度、様々なカンファレンスにスポンサーとして3000万ドルを出資しており、ペプシコはそれ以上の額を提供している。Sponsorfiedの話では、1990年代にこの市場が頭打ちになっていることが問題なのだそうである。細分化・オフライン化して、管理が極めて困難になっているようだ。マーケットをスポンサーのためのネットワークに集中させて、Googleが広告のために行なっていることを、スポンサー出資のために行うのだそうである。すでに40万ドルのスポンサー出資の約束を取り付けており、PBR、Popchips、Red Bullなどのブランドと連携している。二週間前、年間1億ドル以上のスポンサー料が必要なメジャーなスポーツチームと独占契約を交わしたところである。

FILEPICKER.IO:サービスとしてのFILEPICKER

選考理由:クラウド・ストレージのフラグメンテーションが蔓延しているから

Filepickerによると、ウェブやモバイルのアプリはユーザーのハードディスク上のコンテンツしか使えず、ウェブベースのファイルにアクセスできないそうだ。だから、ユーザーがFacebookの写真を編集したければ、他のアプリケーションの間を行ったり来たりしなければならない。しかしFacebookとウェブアプリが、互いに直接、連携させることができれば、編集はもっと簡単になるだろう。Filepickerは開発者に単一の統一されたAPIを提供することで、開発者がファイルをアップロードする際に、たった1行のコードを実行するだけで、Facebook、Google Drive、Instagram、Boxなどコンテンツを保管しているオンラインのストレージから直接、コンテンツを引き出すことが可能になる。アプリケーションを改善できるので開発者に気に入ってもらえると、Filepickerは語る。ここ12週間、一週間で20パーセントずつ成長を続けている会社である。プラットフォームには、ScribdやSurveyMonkey、Alfrescoなどアプリが合計で134もあり、来月には利益が出るそうだ。

BUFFERBOX – 未来の荷物の受け取り方

選考理由:発送業務を同日あるいは翌日中に行えるから

BufferBoxは、都市に点在する大きな緑色の鍵付きボックスのネットワークと、荷物を安全に配達する鉄道のような輸送ネットワークの構築を行なっている。顧客は商品を自宅でじっと待つ必要がなく、運送会社も繰り返し配達に行って費用を無駄にしたり、不満気な顧客と出くわすこともないのである。

BufferBoxはウォータールーを拠点にして、トロントのユニオン駅を皮切りにサービスを開始した。今年中に、BufferBoxを100拠点に設置する計画になっている。本日、Walmartに加え、Googleとも契約を交わしたことを発表、eコマースの顧客がボックスに荷物を配達できるようにすると発表した。BufferBoxの詳細についてはこちら

VAYABLE: 他では味わえない旅行体験を提供するマーケットプレイス

選考理由:ここの旅行体験はAirbnbと同じ路線にあり、私たちは素材そのままの体験から文化体験へと移行しているから

Vayableが旅行者に提供するのは、世界中での体験を購入するチャンスだ。これは、一種の体験版Airbnbのようなものだ。これら体験がどのようにユニークなのか? このサイトで初期から販売されている商品のひとつに、フィジー島の大物との釣り旅行があった。創業者によると、「テンダーロインのアーティスト、ブロガー、キング、市長、ホームレスでも」、サイトでスモールビジネスを始めることができるそうだ。そしてすでに利益が上がっているそうだ。

9GAG – 面白いミーム向けウェブ上のワンストップ・ショップ

選考理由:ユーザーがワンサカといるから

9gagは、Reddit以上に、ウェブ中のミームやジョークを集めている。しかも、純粋に面白いモノだけにこだわっている。このサイトはすでに、すごい人気になっていて、創業者の話によると、9gagは7月、訪問者が6500万人を突破していたそうである。一方、Reddit側は3970万人だった(ただし、この数字は9gag側が提供した数字であるため、割り引いて聞いておこう)。お口あんぐりの数字が、まだまだ並ぶ。Facebookファンページには380万人、Twitterのフォロワー920万人、ユーザーがサイト訪問時に費やす平均時間17分以上。3週間前にローンチした初のモバイルアプリは、すでに75万ダウンロードを記録している。

ユーザーが作り出すコンテンツは当たり外れが激しいゲームみたいなものだが、全般的に言って、インターネットの即時性のおかげで、サイトはすばらしいコンテンツを量産することができる、とのこと。「ロサンゼルスのスタジオでもタイムリーにこの種の面白いコンテンツを作っているところは無い」と、デモンストレーションで9gagの創業者のひとりが語った。

本日、ステージに立った全てのスタートアップに心よりお祝いを申し上げる。今回のピッチは非常に洗練されていて、クラスのサイズが巨大だったにもかかわらず、YCのスタートアップのクオリティは落ちていないことがはっきりした。

特に、HD Trade ServicesやScoutzie、Tastemaker、BigCalcといった他のスタートアップも、非常に大きな潜在力を持っていると感じた。これらスタートアップに対する私たちのレビューをチェックしてほしい。また、本日のプレゼンの第1弾から第4弾まで全て取材を行なっているので、あなた自身のお気に入りのスタートアップを見つけてほしい:

  • 第1弾:BufferBox, Kippt, Airbrite, Amicus MicroEval, Vastrm, VoiceGem, 9gag, HubChilla, FundersClub, SpinPunch, Everyday.me, Double Robotics, SmartAsset, Submittable, Plivo Imgfave, Amicus
  • 第2弾:Flightfox, Mth Sense, Scoutzie, Instacart, Profig, Zapier, Coco Controller, Collections, Keychain Logistics, Parallel Universe, Survata, Sponsorfied, Filepicker.io, Referly, Rentio
  • 第3弾:GetGoing, Canopy Labs, Dreamforge, BigCalc, Easel, Kamcord, ReelSurfer, LeanMarket, TomoGuides, DataNitro, Eligible, Grid, HD Trade Services, TapIn, Tracks.by
  • 第4弾:Study Edge, Statwing, Hiptype, RegistryLove, Virool, Circular, Viacycle, QuicklyChat, Knowmia, Coinbase, Markupwand, Healthy Labs, Vayable, Tastemaker, Light Table, Clever

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