Material Wrld

Material Wrldは日本人が立ち上げたニューヨーク発ファッション好きのためのマーケットプレイス

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「だってあたしたちは物欲の世界に生きているんだもん、そんでもってあたしは物欲女子」みたいな歌をマドンナが歌っていたのはいまから27年前も前のことだったっけ(ってTechCrunch Japanの読者はそんな古い歌は知らないよね)。まぁきっと当時もいまも変わらずニューヨークではファッショニスタたちが、ある日はブランドショップでおしゃれなものを物欲剥きだして探したり、ある日は街を闊歩して見せびらかしているんじゃないかと想像するんだけど。

でもいまはオンラインでソーシャルでスマートフォンでpinterestでtumblrでinstagramな世界だ。街を闊歩するだけじゃない。世界中に向けてインターネットを使って発信できる時代だ。だから、ニューヨークでファッション業界に携わってきた矢野莉恵とJie Zhengは物欲女子たちに向けた新たなサービスをたったいまスタートさせた。その名もMaterial Wrldだ。

Material Wrldはおしゃれ好きな女性のためのファッションの二次流通マーケットプレイスだ。ただ、これまでの二次流通を促すeBayやCraigslistと違うのはファッション好きの女性のためにはっきりと特化していることだ。同種のサービスにはCopiousThreadflip、モバイルではPoshmarkなどがあるが、最近になってこの種のサービスがヒートアップしてきているのだと矢野は語ってくれた。

しかし、Material Wrldにはコマース機能はあるが、それは1つの機能にしかすぎないようだ。残念なが僕はまだこのサイトを見ることはできていないが、実際にはユーザーはログインをして、自分の「クローゼット」ページを作成して、お気に入りのファッションアイテムの写真を投稿していくことになるという。クローゼットとはいいながらも、仕舞い込むのではなくて、自分のクローゼットの中を見せびらかすわけだ。見せびらかすことで、ほかのユーザーに共感してもらって、フォローしてもらう。つまりは、ファッションコミュニティーをここに作ろうとしている。

矢野が言うには、これまでおしゃれが好きなファッショニスタたちは、次から次へとスポーツのような感覚でファッションアイテムを買ってきているが、自分が着なくなったときには、それを処分するぐらいしか方法がなかったのだという。あるいは質屋に売るぐらいで、売れたとしても二束三文にしかならなかったのだそうだ。

Matrial Wrldではクローゼットページにたくさんのアイテムを登録することで、自分の趣味を似たような人に知ってもらえるし、着なくなったときにはそういった人たちに気軽に売れるというように、上記のような問題を解決してくれるわけだ。

ただ、当初は売り手になるには審査が必要になるという。運営側で売り手を選定することで、サイト内の秩序を作りたいと考えているからだ。オープン時に売り手となっているのは、ニューヨークのファッション業界にいる編集者やファッションデザイナー、ジュエリーデザイナーあるいはDJだとかアーティストといった時代の先端にいる人たちだという。影響力を持つ人たちが集まることによって、サイトの力学をつくろうということなのだろう。

Material Wrld共同創業者の矢野莉恵(左)とJie Zheng(右)

Matrial Wrldはニューヨークから生まれているが、別に地域を限定したサービスではない。米国のみならず、海外向けにもサービスは展開していくという。ただ、売り手になれるのは米国在住者のみだ。配送に関してはまずは米国内のみに限定するため、米国外では買うことはできない。なぜなら、売買が成立した際には売り手に対して、配送のための切手あるいはそれに加えて配送パッケージも提供して、そのまま米国の郵便局に持ち込めば配送できるような仕組みを用意するからだ。とはいえ、今後は各国の事情ごとにあわせて、米国外でも売れるようにはしたいとのことだ。

矢野莉恵はもともとは2004年に三菱商事に入社し、その後、ハーバード大学のビジネススクールに留学している。その間、日本でスタートアップを立ち上げるのにチャレンジしているが成功には至らず、その後、米国に戻り、コーチのデジタルマーケティング部門などで働いていた。この5月にはアイデアをもとに、ともに働いていた共同創業者のJie Zhengと立ち上げを準備していたのだという。

日本でもファッションに対するビジネスの注目度は高いが、彼女のようにファッションの中心地であるニューヨークで起業することによって、世界に人々に影響を与えようとしているのは興味深いことだ。

Matrial Wrldは現在エンジェルラウンドの資金調達を予定していて、来月末には50万ドルの調達する見込みだそうだ。

(敬称略)