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時間単位でディスプレイ広告枠の販売をするサービスをアドテクノロジーのDENNOOが開始

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オンライン広告の世界で議論がなされていることの1つに、その広告が実際にオーディエンスの目の前で表示されているかどうかということがある。画面の外にある広告、たとえばウェブサイトの下のほうにある広告なんかはブラウザーにデータは読み込まれたとしても下までスクロールしなければ、実際には表示されていないことになる。これは広告としてインプレッションとしてカウントされているものの、実際には人の目に触れていないというわけだ。

Viewableインプレッションという概念は実際に人の目に触れた広告のみをインプレッションとしてカウントしようというものだ。すでに国内では広告関連のスタートアップのコスモロジーとスケールアウトが共同で商品として販売している

このViewableを推し進めて、広告の販売をインプレッション単位ではなく、視聴された“時間”単位で販売しようという新たな試みに取り組むスタートアップがある。DENNOOがそれである。

DENNOOが提供するのは既存の広告枠のViewableな状態を計測し、それを時間単位で販売するサービスだ。現在この第三者配信の広告配信サーバーとあわせて、Viewableな状態を計測するサービスも提供している。すでに8月13日にローンチして、広告配信の実験が開始されている。彼らのゴールの実現に向け、まずはViewableな広告配信に関するテストやデータ解析が開始されている。

時間単位での販売は彼らが独自に設定したCPXsという単位で売られる。これは1万秒単位の単価を表すのだが(CPXsはCost Per 10,000秒の意味)、1万秒配信あたりのコストはCPM単価と同じ額になるだろうとDENNOOの共同創業者でプレジデントの梅田茂利氏はいう。なぜなら、現在のインプレッションベースの広告は1インプレッションあたり10秒ぐらい見られているという仮定に基づいているからだ。平均して10秒〜20秒ほどが有効に表示されているというデータが出ているからだ。

通常の静止画のインプレッション広告とは違って、DENNOOのサービスの真価を発揮するのは動画広告だと、DENNOOの共同創業者でCEOのの長山大介氏は語っている。このため動画を見始めて何秒後にクリックしたのかといった時間を軸にした計測もできるようにしている。

Viewable広告については言えば、本当にその導入が進むのかについてはまだはっきりとした見解はないように思える。広告主からすれば見られた分に支払いたいというのは当然だが、広告枠を持つ媒体側からすれば、これまで見られなくても売れていた広告枠を、見られていなければ在庫としてカウントされないとなると、収益に影響してくるだろう。なので媒体社としては単純には導入を進めたくないはずだ。

comScoreの今年1月の調査によればディスプレイ広告のうち実に31パーセントが画面上に表示されていなかったのだという。これだと、メディアとすれば単純にロスにつながる。だから、DENNOOは時間単位で販売することで、見られている広告枠の在庫を増やそうということだ。利にはかなっているが、これが広告主・媒体社双方に受け入れられるかは時間がかかることだろう。ただ、その実装はこれまでにないもので新しい概念であることは間違いない。

DENNOOは日本で現在活動しているが、実際には昨年9月に登記された米国企業で、日本の営業活動は日本の子会社で行っている。共同創業者は梅田茂利氏、長山大介氏に加え米ヤフーで広告の技術に携わっていたMukundu Kumaran氏が名を連ねる。

資金はエンジェルラウンドですでに83万ドル(およそ6,500万円)を集めている。出資したのはサイバー・コミュニケーションズ(CCI)、インキュベーションを手がけるアーキタイプに加え、Mixi AmericaのCEOを務める宮田拓弥氏、元ヤフーの松本真尚氏、元電通でDistant Drums代表取締役の永田大輔など個人投資家たちだ。

DENNOOは元大手広告代理店VPやad:techのStartup Spotlight審査員などで構成された広告コンサルティング企業のDMR Partnersが毎月開催するDigital Media Roundtableの7月期の認定企業に選ばれている。DMRは毎月約50社のアドテクノロジーのスタートアップの応募を受け、そのうち一定基準を超えた上位1から3社を認定している。