Y Combinator S12デモ 第3弾 : Dreamforge、BigCalc、Tracks.byなどを一挙紹介

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[編集注:この記事は米国の8月21日に掲載されました]私たちはまだ、カリフォルニア州、Mountain ViewのComputer History Museumにいて、インキュベータの一番大きなフロアーで、Y Combinatorの2012年夏のデモ・デーを見ている。本日の75社のプレゼンは、5つの回に分けられて、5回目はオフレコである。

第3弾のスタートアップは、IT業界の超一流の投資家や役員(そしてかなりの数のデジタルインク関連のメディア)でいっぱいの部屋で、自らの才能をプレゼンした。昼食前の最後の回だったが、エネルギーは少しも衰えることはなかった。

第1弾第2弾第4弾に加え、Y Combinatorのピッチの変遷についての記事もチェックしてみるといい。

それでは精一杯アピールしてくれた第3弾の15社を紹介しよう:

GETGOING – 飛行機の空席の割引販売


飛行機のキャンセル待ちをしていて、酷い目に遭ったことがあるなら信じられないかもしれないが、アメリカでは航空便の座席の20パーセントが空席なのだ。このような売れ残りの席は、アメリカだけでも、250億ドルの損失になる。GetGoingは、この売れ残りの席に、どこかに行きたいが場所を決めかねている余暇を楽しむ旅行者に対して、大幅に割り引いた価格で売ることを目標としている。顧客には定期便の価格の40パーセントオフで販売している。しかし、それでも航空会社にとって旨味がある。もし売れなければ、空席のままになっていただろうだから。

GetGoingはトップ5の航空会社の内2社とすでに契約を交わしている。GetGoingによるとこのレートで、”次世代のPricelineの構築”に向けて順調に進んでいるとのことだ。

CANOPY LABS – B to C 企業向け顧客モデルのプラットフォーム

相当数の企業が、売上の改善や事業展開の戦略に役立てるために、データより引き出されるアドバイスを得ることで恩恵に与れるだろう。そこで問題なのは、この種の技術が、通常、外部のコンサルタントを雇う余裕がある大企業だけがアクセスできる点である。そこでCanopy Labsは、高価でカスタマイズされた最適化研究ツールと同じ方法で使用されるセルフサービスのテクノロジープラットホームを構築した。このプラットフォームは、セールスチームが最大の潜在顧客を特定したり、売り込み先の優先順位を決める際に役に立つ。

Canopy Labsによると、素早い理解が喜ばれる : ここ2、3カ月の間、Canopyは14万ドルの収益を上げ利益を出しており、顧客である9企業がソフトウェア使用に関して契約を交わした。同社によると、成長する余地はまだまだある。Canopy Labsと提携することで恩恵を被る潜在的顧客は、9万社に上るそうだ。Canopy Labsの詳細についてはこちら

DREAMFORGE – 3Dプリント用のシンプルなモデリングソフトウェア


もし今すぐ、私たちのテクノロジーが可能にする未来という、無限の可能性を描き出すのに役立つものがあるとすれば、それは3Dプリントだ(それか、PopChipsをとても美味しく、しかもローカロリーにできるテクノロジーか。しかし、その次なら絶対に3Dプリントだ)。3Dプリントの隆盛によって、一般人が使用できる簡便で手頃な価格のものになったが、プリントするものをデザインする際に役立つすごいソフトウェアが必要になるだろう。

そこで、Dreamforgeの登場だ。Dreamforgeによれば、同社は、(上の写真にあるスーパーヒーローのような)オモチャなどを制作する一般的な顧客が使用できる、3Dモデリングソフトウェアを開発したそうである。ほとんどの既存の3Dモデリングソフトウェアは、専門家にしか扱い方が分からない膨大な数のオプション機能があるが、Dreamforgeは、おそらく誰にでも使える合理化されたユーザーインターフェースを備えている。

BIGCALC – 金融取引の決断に役立つ高速・大容量演算

金融の世界において、間違った計算が深刻な金銭的損失を意味することがある : 今月の初旬、Knight Capitalは”コンピューターの故障”が原因で、45分間で4億4,000万ドルを失ったと発表した。BigCalcは、迅速なアルゴリズム取引の決断に役に立ち、金融企業が信頼のおけるソフトウェア製作に着手した。

BigCalcによると、フィナンシャルモデリングの同社のプラットフォームは巨大なデータセットに相当するので、通常22時間かかるシミュレーションを、24分で行えるとのことである。現在、取引業務への通知に役立つソフトウェアの使用を検討しているメジャーな金融企業4社と交渉中だそうである。

EASEL – ウェブデザインのための、シンプルなツール


現代の多くのウェブデザインの現状は、一種の電話ゲームのようになっている : プロダクトマネージャーがBalsalmicといったデザインプラットフォームでウェブアプリのラフスケッチを作成する。それをデザイナーに手渡す。デザイナーはそれを実際に見える形のモックアップにして、開発者に手渡す。そして、開発者はHTMLやCSSをで実装する。何度も行ったり来たりがあって、あらゆるツールの移行が必要なために、最終的な製品がオリジナルのコンセプトと似ていないといったことがよく起こるのである。

そこでEaselは、これら異なるフォーマットを単一でシンプルなインブラウザのツールに置き換えて、モックアップから実物に至るまで、ウェブやモバイルデザインのプロセスのあらゆる局面において使用できるようにした。Easelは、1ヶ月当たり最低100ドルの会費を課金しているのだが、試用するために喜んで会費を支払う人々がいるようである。ベータ版のリリースにおいて、1万人のユーザーがサインアップし、その内の7,000人がすでにプラットフォームで製作しているそうだ。Easelの詳細についてはこちら

KAMCORD – モバイルゲームを録画するためのアプリ


コンピューターゲームの動画を保存したりシェアすることは、非常に当たり前のことだが、そのプロセスは、ますますパワフルになるモバイルゲームの世界にまだ追いつけていない。そこでiPhoneアプリであるKamcordは、そのギャップを埋めたいと考えている。Kamcordは、モバイルのゲームに統合されたツールを通じて、モバイルゲームのプレーのビデオを記録・シェアして、ソーシャルネットワークでもシェアできるようにした。

このアプリはある意味ですでに離陸している。Kamcordの創業者は今年末までに、数百万台のiPhoneにインストールされると予測していることを語った。また、完全に独立した形で、ゲーム中心のアプリストアになる将来性を見いだしている。ここで本当に重要な鍵は、Kamcordがアプリを通じて獲得したコンテンツを実際に所有していることで、各ビデオビューをマネタイズできるそうだ。私たちが過去数年以内に学んだことがひとつあるとすれば、それは、テクノロジーが関係すると、ゲームのプレーはビッグビジネスになるということだ。Kamcordの詳細についてはこちら

REEL SURFER – 短くて気の利いたビデオクリップを共有


オンライン状態の人々には、かなり短い時間の注意力しかないことは誰もが知っている。特にビデオの場合に当てはまる。ビデオコンテンツを視聴することは大好きだが、平均的なオンラインビデオは、わずか15秒後には、その視聴者の半数を失う。Reel Surferの話では、どんなビデオからでも短いクリップを切り取れるようにすることで、注意力を削がずにビデオコンテンツに対する欲求を満たし、そしてそのクリップを友人とシェアする方法を見つけたのだそうだ。そして、どんなに長いビデオでも、一番いい所を見つけることができるアプリだと保証するとも語った。

Rell Surferは病みつきになるアプリのようだ : 同社によると、「短いクリップは本当にあっという間に広まる」ようで、トラフィックは週ごとに倍増している。同感だ。Reel Surferの詳細についてはこちら

LEANMARKET – バナー広告を売買する簡単な方法


オンライン広告では、もう買主と売主が一対一で交渉しなくともよい。証券取引所のように機能する、大きな広告取引所で出会うのである。しかしバナー広告の世界で、もしリアルタイムの入札環境を希望するなら、訓練のために必要な高価なソフトウェアを購入しなければならない。

そこでLeanMarketは、e-Tradeのようなバナー広告向けの機能を持つ独自のシステムを装備して、これらソフトウェアのプラットフォームの価格を低下させようとしている。つまり「大衆の間にリアルタイムの入札をもたらす」のである。LeanMarketは先月だけで5万ドルの収益があり、今月は10万ドルの収益を上げようとしている。LeanMarketの詳細についてはこちら

TOMOGUIDES – モバイルの旅行ガイドアプリ


TomoGuidesは、古いタイプの旅行ガイドブックではできない、新情報をユーザーに教える無料の旅行ガイドアプリを構築中である。滞在日当日の掘り出し宿泊施設、新しいツアーやアクティビティなどである。

同社は、旅行ガイドを量産するコンピューターエンジンを構築することで、ほとんどの旅行ガイドが使用している、値段が高くて信頼できない悪名高き”人間のライター”(私の言葉を信用してほしい。私たちは不幸なのだ)の側面を取り除くことができるのである。Tomoの創業者によると、同社はわずか20日間で12のガイドを製作、今年の末までに、120にまでアプリを増やすことにしているそうだ。

DATANITRO – 金融関連のデータのためのバックボーン


DataNitroの創業者は両者とも金融業界で働いたことがあり、経験上、金融業界のソフトウェアは基本的に「ダクトテープで補修されている」という。現状の大きな問題は、Excelからのデータをエクスポートする時の方法にあるそうだ。そこで、DataNitro(以前はIronSpreadとして知られていた)は、PythonをベースにExcelのための新しいエンジンを搭載して、先ほどのエクスポート方法に革命を起こそうとしている。この新しいエンジンは、金融業界で使われている他のシステムとExcelを非常に簡単に連動させることができるのだそうだ。

DataNitroはローンチしてから、1週ごとに94パーセントの伸びを示している。そしてそのソフトウェアはBloombergやReutersといったソースからデータを引き出し、外部のデータベースと連動、取引を最適化するために使用されている。DataNitroの詳細についてはこちら

ELIGIBLE – 健康保険資格のためのAPI

医師は治療を進める前に、患者になりそうな人に治療を受ける資格があるかどうかを保険会社に問い合わせて確認する必要がある。最終的に、病院は治療費を支払ってもらう必要があるからだ。しかし、資格問い合わせは非常に決まりきった作業にもかかわらず、結果が出るまでに一晩かかってしまうことがよくある。そこでEligibleは、このプロセスの時間を大幅に短縮するソフトウェアを製作した。

Eligibleは、医師がリアルタイムで健康保険資格の問い合わせをするためのAPIを構築した。Eligibleによると、1日当たり1,000件もの問い合わせを処理しているのだそうだ。しかも、昨年、アメリカ国内だけで120億件の資格問い合わせがあったことから、ずっと高い成長の潜在力がありそうだ。

GRID – 再発明されたタブレットエイジ向けのスプレッドシート


Gridは、タッチスクリーンのコマンド中心のモバイルエクスペリエンス向けに、従来のスプレッドシートのインターフェースを徹底的にデザインし直した

以前はかなり難しかった操作が、このアプリでは非常にシンプルに行える。まるでユーザーの思い入れに呼応しているかのようだ。今までのところ、ベータ版に1万5,000件の要望があり、そのベータ版をインストールした人々は毎日使用するユーザーになっている。Gridの詳細についてはこちら

HD TRADE SERVICES – 倉庫の在庫を取り扱うソフトウェア


倉庫物流は巨大な業界であるが、ユーザーがよく使っているバイラルなアプリとは違う。HD Trade Servicesは、昔ながらの典型的な倉庫物流の世界で爆発的に売れるテクノロジーを作り上げたと語る。HD Trade Servicesは、在庫管理や発送品の追跡のためにタブレットで動くアプリを製作し、倉庫内での作業効率を27パーセントアップさせることができるそうだ。

HD Trade Servicesの創業者は、ニューヨークとマイアミでのベータ版パイロットの結果を踏まえて、顧客は生産性を飛躍的に向上させるためには年間6万ドルでも喜んで支払うと語る。HD Trade Servicesの詳細についてはこちら

TAPIN – iPhone向けインスタントストリーミングビデオ


モバイルのビデオアプリは、最近、本当にホットだが、まだ越えられない隔たりがひとつある。それは以前に撮ったビデオからリアルタイムなコンテンツへの変換である。TapInは、iPhoneで撮ったコンテンツを簡単にストリームビデオに変換できるアプリを制作した。創業者の説明によると、以前に起こったことをビデオで視聴することと、進行形で起こっていることをビデオで視聴することの間には、重大な違いがあるとのこと。

TapInを使用した人々はこのアプリを気に入っているようだ。ビジターはアプリ上で平均17分相当のビデオを視聴し、一本でもビデオを撮った人の83パーセントが、またビデオを撮るそうである。TapInの詳細についてはこちら

TRACKS.BY – セレブを対象としたプロモーションチャネル


大物セレブは確かに、FacebookやTwitterといったオンライン上のサービスに存在することが有効であると分かり始めている。しかし、ほとんどのセレブは、他のメディアサイトで実行されている同じ方法を使って、ウェブ上で稼ぎ始めてはいない。Tracks.byは、そのギャップを埋める橋渡し役になろうとしている。 その方法とは、ソーシャルメディアを通じて、従来からテレビや印刷媒体で行なっている同種のCM出演料を稼いでもらうのである。

ツイートのようにオンラインのアップデートを通じて、ウェブ上でCM出演料を稼ぐセレブを確保するために、アクション毎のコストベースで、ブランドはTracks.byにお金を支払うのである。かなりうまく軌道に乗りかかっていて、Tracks.byはすでに、ビルボード・トップ100の中の52人のアーティストと仕事を行なっており、アスリートや俳優にまで範囲を広げているところである。同社によると、年間500億ドルのビジネスなのだそうだ。Tracks.byの詳細についてはこちら

この記事の報告はJosh Constine、Anthony Ha、Kim-Mai Cutlerによる。

他にも、TechCrunchが選ぶYCデモ・デーのトップ10や、第1弾第2弾第4弾の紹介も読んでお気に入りのスタートアップを見つけて欲しい。

  • 第1弾:BufferBox, Kippt, Airbrite, Amicus MicroEval, Vastrm, VoiceGem, 9gag, HubChilla, FundersClub, SpinPunch, Everyday.me, Double Robotics, SmartAsset, Submittable, Plivo Imgfave, Amicus
  • 第2弾:Flightfox, Mth Sense, Scoutzie, Instacart, Profig, Zapier, Coco Controller, Collections, Keychain Logistics, Parallel Universe, Survata, Sponsorfied, Filepicker.io, Referly, Rentio
  • 第4弾:Study Edge, Statwing, Hiptype, RegistryLove, Virool, Circular, Viacycle, QuicklyChat, Knowmia, Coinbase, Markupwand, Healthy Labs, Vayable, Tastemaker, Light Table, Clever

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