プロセッサの売れ行きの主流がARM系SoCになりIntelは売上予測を下方修正
Intelが今日(米国時間9/7)、第三四半期の売上は需要減により予想以下になる、と発表した。Intelのマイクロプロセッサはいわゆるx86アーキテクチャで、多くのPCと今のMacに使われている。売上の当初予想142億ドルに対して、今回の修正予想は138億ドルだ。それはAMDとの競合によるものではなく、AMDも同じ問題に直面している。
さらに重要なのは、この下方修正がパーソナルコンピュータの世界に今起きている大きな変動を、あらためて示していることだ。iPadなどのタブレットがいち早くコンテンツ消費マシンというレッテルを貼られている中で、Appleなどはタブレットがコンピュータの売上を蚕食していることを自分のこととして知っている。
Intelは変化に対応できず、今も売上の大半はx86プロセッサからだ。ただしコンピュータはまだ売れている。それでも8月には、Dellの売上は8%落ち、HPは89億ドルという大きな損失を計上した。
対照的に、iPadの売上は前年比で181%増加した(ほぼ3倍増)…しかしそれでも、Appleの予想より低かった。タブレットやスマートフォンといった新しいデバイスで儲けているチップメーカーといえばSamsungやQualcommだが、両社はARMからライセンスされた技術でSoC(Systems on a Chip)を作っている。
Intelは今でも、今後はMicrosoftが頼みの綱になると期待している。Windows 8は10月26日にリリースされ、PCの売上を押すだろう。同時にMicrosoftは同じWindows 8の二つの変種により、タブレットも売る気でいる。
その一つ、ARMを載せたローコストのタブレットのOSはWindows 8 RTと呼ばれ、Intelを搭載したタブレットないしタブレット+ラップトップのハイブリッドと共存する。それに、Microsoft Surfaceがある。発売日も価格もまだ分からないが、これもARMとIntelの二股で出すのではないか。
Intelには省エネチップの計画もある。Windows Phone 8を載せた製品の一部は、ARMのSoCと互角に競争できるIntelのモバイル専用SoCを使うだろう。結局のところ、次世代のモバイルコンピュータの主テーマは、省エネ設計だ。Intelもそのとき、“やけどしそうに熱いシリコンの塊”から卒業しているだろうか。