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Google検索の近未来を検索担当プロマネに聞く–言葉選びに苦労しない日常語検索へ

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先週はGoogleplex(Google本社キャンパス)で、検索についてものすごく熱心に語る男の話を聞いていた。まるで検索が、彼の仕事か何かみたいだ。いやまさに、そのJack Menzelは、Googleの検索部門の部長でプロマネで、検索について語り出すと話が止まらない、ますますエキサイトしてくる、というタイプの人だった。

でも、それは当然ではないか? 多くの人が、自分のデフォルトの検索エンジンとしてGoogleを使っている。それは間違った行為ではない。過去7年近く、Menzelは検索をよりシンプルにすることに力を注いできた。使い方を学ばなくても、誰でもすぐ使えるように。そして年々Google検索は、Google使いのプロでなくても誰もが必要な情報を見つけられるようになった。

Menzelには主に、社内の人間の観点として、Google検索は今後どうなるのか、という話を聞いた:

検索の未来としてわれわれが考えるのは、どんな質問にも答えられることだ。それを、二義的なことと考えるのは禁物だ。たとえば、ぼくが燃費の良い車を買いたい。それに対し、単純に”Tesla”という答を返させる確実な方法が今はまだない。良い情報源を見つけてリビューを読む、という手間がどうしても必要だ。質問に直接答えられる未来の検索は、質問の意図を正しく理解する技術を必要とする。

実はMenzelは、多くの質問に対して上のようなややこしい答え方をする。つまり、検索の今後の進化に関しては、単純な答がないのだ。本当の一般化はまだできないソリューションかもしれないが、Googleとしてはこれまでもできるかぎり、一般的ユーザから見てシンプルな検索を作ってきたつもりなのだ。

今Googleがとくに力を入れているのは、検索をできるだけ自然にすることだ。“Googleは世界でいちばん分かりやすい情報を、できるだけ最良の方法で提供したい”、とMenzelは言う。“できるだけ最良の方法”には、フォローアップ質問(補足質問)ができることも含まれる。ちょうど、横に座っている親切な友だちのように、関連質問に次々と答えてくれる、そんなGoogle検索を目指すのだ。

検索の未来として、今いちばん中心的に取り組んでいるのが、それだ。

Menzelはコンピュータを“単純な数を数えるマシン”と呼ぶから、上で述べたことはコンピュータにとって難題だ。数を数えるマシンを、強力なアルゴリズムでどんな質問にも答えられるマシンに変えなければならない。ぼくは、それに比べると自分がこれまでやってきたことが、なんだかとても些細なことに思えてきた。

誰もがGoogle検索をプロ並に使えるためには、Menzelによれば入力の選択が(楽になることが)重要だ。今使えるのは、キーボード、音声、それにGoogle Gogglesだが、最後のは写真などの画像が入力になる。Menzel曰く、“人間の言葉は精密でなく曖昧なことが多いから、曖昧さをかき分けて質問の核心を取り出すことが、Google検索にできなければならない”。ふむ、こいつもでっかい課題だ。

Googleがやるべきことは、世界中の情報をすべて集めることだけでなく、それを理解することが重要だ。Menzelによると、Webをクロールすること(crawl,這い回る)ことはものすごく難しい。なぜなら今のWebは、日に日に増えていく新しいコンテンツがすさまじく多いからだ。しかもユーザは、最新の情報が検索結果に含まれる“リアルタイム性”を求める。だから、インデクスの最新性の常時維持も、今、大きな課題としてプロジェクトで取り組んでいる。

世界には、それにアクセスするためのAPIがない。ドライブしているとき、この先に道路封鎖があることをどうやって知ればいいのだ? 世界中の情報を理解するためにやるべきことは、本当は何なのか?

Googleがページをクロールするときは、そのページ上のデータやコンテンツをただ読んでるだけではなく、言葉や語句のフォーマットのされ方や、そのページ上の実際のコンテキスト…どういう文脈に属するデータか…まで知ろうと努力する。たとえば、フラット画面のテレビが昨年のモデルだと分かっていたら、それに応じた検索結果のランクづけができる。Menzelは淡々とした口調で、“そういう関連情報が分かっていれば、サマリーの提供も答の取得も、より迅速にできるようになる”、と言った。

今Google検索が、相当難しい課題に取り組んでいることは分かった。でもMenzelは、だからこそGoogleの仕事はおもしろい、と言う:

検索の仕事が今すごくおもしろいのは、それがまるでSFみたいだからだ。検索を細部まで、世界全体の丸写しにすること。全世界をプログラムでモデリングすること。Google検索は、Webの知識グラフの表現になる。

集めた情報の意味をGoogle検索が理解するようになると、困難だったものが容易になる:

なぜなら、この情報のグラフは、世界の意味体系全体のコピーになるからだ。そうなると、難しかった検索も容易になる。人間ユーザがふつうに言った言葉でも、その核心の意味を正しく理解できるからだ。Google検索の使い方のプロ的な工夫が要らなくなり、ふつうの言葉で正しく質問できるようになる。

そう言えば昔の検索は、なんでこれぐらいのことができないのだろう?と思うようなことができなかった。ユニバーサル検索ですべてが変わったから、もう誰も、あるトピックを検索したらリンクも画像もビデオも地図も得られる今のGoogle検索から、それができなかった昔に戻りたい、と思う人はいない。

ぼくはほかの人たちのテクノロジの使い方を見るのが好きだが、ぼくがGoogleを使うときは何も考えない。ただ検索したい言葉をタイプして結果を見るだけだ。でも、それほど単純でないユーザもいるので、Googleはそれを変えたいらしい:

人びとが、何をどう検索するかを最初に考え込まずにすむようにしたいんだ。考えなくてもいい、あなたが必要としていることはGoogleに分かる、という状態にしたい。検索の仕方も勉強したりおぼえたりしなくてよい。Google検索は親友のようなもので、検索はその人との会話だ。検索はそれぐらい自然で簡単なものであるべきだ。検索を、さあ検索だ!と身構えなくてもよいものにしたい。

Menzelによると、ユニバーサル検索だけがGoogle検索の大きな変わり目だったわけではない。たとえば、ユーザの位置が分かり、より適切な検索結果を返せることも、そうだ。Google検索が位置対応でなかった昔には、戻りたくないね。近くのレストランを見つけるのが、ものすごく難しくなっちゃうからね。

また、Webのクロールの仕方も、より高度になった:

今のGoogleのクロールのスピードは正気の沙汰ではないね!最初のころは、月に一回がせいぜいだった。クローラーが壊れて、毎月が不可能になることもあった。今では何かをWeb上にパブリッシュして、それがすぐGoogle検索で出ないと、むしろおかしいと感じる。掲出した直後に検索で出ないと、Google検索のバグかと思われてしまう。

Google検索の進化は、ユーザにすぐ分かるものと、分からないものがある。そして重要なのは、往々にして後者だ:

いまでは、オートコンプリートや検索のないコンピュータの使い方は考えられないよね。でもGoogle検索の場合は、目に見えないところの変化が重要なんだ。アルゴリズムのイノベーションは説明が難しいが、たとえば検索結果のランキング(出現順序)のアルゴリズムの改良は、本当にすごいんだ。

Jack Menzelのことを、おもしろいキャラクターだと言うのは、ちょっと言い足りない。うそみたいに頭がいいとか、彼の脳はいつも全速で回転している、と言い換えても同じだ。ぼくとの会話中彼は、2〜3年先のこと、今彼のチームが実験していることを、考えていたと思う。少なくとも検索に関しては、Google流の仕事のやり方というものが分かってきた。結局のところ、多くの人がGoogleは“検索の会社”だと思っている。それが、いちばん似合う言い方だもの。

すべてのプロダクトにソーシャル機能を持たせる件についてMenzelは、それはまだ始まったばかり、と言った。それに関するぼくたちの会話は、またの機会にご紹介しよう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))