iOS 6のApp Storeアプリ。最も重要な変更は内部に潜む

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Appleのモバイル・オペレーティングシステム、iOS 6の新バージョンが消費者に与える影響の中で最も明白なものの一つは、アップデートされたiPhone、iPod Touch、iPad用App Storeアプリだ。Appleはこの変更について今日の発表であまり触れなかったが、おそらくそれは、デベロッパーが新しいユーザーインターフェイスをリークしていたおかげだろう。しかし、App Storeに大改訂があったことは言及に値する。「ジーニアス」アプリ推奨セクションが目立つように配置された他、議論を呼びそうなのは、アプリの閲覧にカードめくり方式が採用されたことだ。

しかし、ユーザーがApp Storeの新しいルックアンドフィールに注目するのは来週iOS 6が公開されたときだろうが、デベロッパーに影響を与える最も深刻な変更については、一部ですでに話題になったいる。早期のデータによると、AppleがChompから買ったテクノロジーの統合によって、フロントエンドが影響を受けただけでなく、ランキングに影響するアルゴリズムも変更されたようだ。


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まず、新しいルックス。iOS 6では、App Storeアプリの「カテゴリー」ボタンがなくなり、「ジーニアス」が取って代わる。これは重要な変更であり、今やAppleはユーザーに対して、カテゴリーの閲覧よりAppleの検索と推奨を信じなさいと言っていることになる。この変化は、われわれがウェブサイトを探すのにディレクトリーサービスを使うのをやめ、検索エンジンに転向したことを思い起こさせる。70万以上のアプリを持つApp Storeにとって、そろそろユーザーを新しい発見メカニズムへと誘導する時期なのかもしれない。
カード風の閲覧機能も、この方向転換と一致している。カードを「めくる」ユーザーが、長く、深く検索することはない。Googleの検索結果の5ページ目を見る人がめったにいないのと同じだ。これは、ウェブ所有者にとってのSEOと同じように、デベロッパーが「ASO」(App Store最適化)に集中する必要があることを意味している。

Appleに買われる前Chompは、アプリの詳細な情報をApp Storeの情報だけでなく、Twitter、Facebook、ブログ、ウェブサイトの書き込みなどを元に収集する独自アルゴリズムを自慢にしていた。同社はこのアプリ検索方式の開発に何年もかけ、検索技術およびユーザー体験に関する特許を11件取得している。iOS 6のApp StoreアプリにFacebookの「いいね!」ボタンが新設されたことで、Appleはアプリの人気決定アルゴリズムに、直接有力なソーシャル情報を注入できるようになった。

とは言うものの、「ソーシャル」をアプリに適用するのは容易ではない。「あらゆる証拠が、モバイルアプリはソーシャルではないことを示している」と、分析会社、Xyologicの共同ファウンダー、Matthaus Krzykowskiは言う。「もしAppleがモバイルアプリ向けジーニアスで成功すれば、この業界初になる」と言って彼は音楽向けのジーニアスがほぼ失敗に終わったことを指摘した。

しかし、ソーシャルはジーニアスが使用するシグナルの一つにすぎない。他にも、例えばユーザーがアプリの下にある「興味がない」ボタンを押したかどうかなども勘案している。

舞台裏:影響を受けるランキング

これがどうアプリのランキングに影響を与えるかは、iOS 6が公開され、何百何千万というユーザーがランキングアルゴリズムに新しいシグナルを注入するまで、完全には解明できない。しかし、500社のスタートアップが支えるアプリ分析会社、SearchManの以前のデータによると、App Storeは最近別のアルゴリズム変更を行い、いくつかの有名ブランドが影響を受けている。これは、6月に行われたアルゴリズム変更に関係するもので、単語の意味や関係性の理解を深めるChompの技術を活用したと見られる。何らかのNLP(自然言語処理)を使ってユーザーの検索意図を理解しようとしていると考えるのも的外れとは言えまい。殆どのユーザーは、検索ボックスに何を入れればよいかわからない、とKrzykowskiは言う。それはChompの「推奨検索」が、かつて彼らの目玉機能だった理由でもある。

SearchManの分析では、App Storeのデータを2回取得している。一度目は6月初めでもう一つは9月6日だ。同社が調査対象に選んだアプリは、App Store全体からみるとごくわずかな標本だが、Chompの統合が一部有名ブランドのランキングに影響していることは明らかだ。 日本市場について行った同様の分析を受け、Searchmanは、ショッピングサイト、大型小売業、およびAmazon、eBayなどのネット小売業が、検索で露出を高めている一方、Home Shopping NetworkやShop & Stopなどの伝統的ビジネスモデルが足場を失っていることを発見した。eTix、FanSnapなどのウェブチケット販売のランキングを落とし、Mobile TicketやPeakTicketといったモバイルチケット中心の会社が上昇していることから、App Storeが新しい会社を優先する傾向も見て取れる。

ファッションでは、CosmoとLifetime NetworkのFashion Fixが人気を落とし、Style.comとFashion Policeなどが、それぞれのブランドをモバイルへと拡大している。レストラン検索専門サイトのMan vs. Foodや、Fast Food Calorie Hunterは順位を上げ、従来からの汎用サイト、CitysearchとMapQuestが下げている。旅行では、Groupon、Hipmunkなどのアグリゲーター、特典サイトが伸び、Waldorf Astoria、Conradといった個別ブランドは落ち込んだ。Chompのテクノロジーが、他のChomp以降の日頃行われているアルゴリズム変更と比べて、どこまで影響を及ぼしているのかを知ることは難しい。しかし、6月に見つかった変化と合わせると、従来からのランキング方式が、新しいApp Storeでかなり変っていくことは間違いない。

Full Coverage - 2012 Apple Event

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(翻訳:Nob Takahashi)