iOS 6のAppleマップ:ユーザー体験が一歩後退すると何が起きるのか

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AppleのiOS 6は9月19日からダウンロードおよびインストールが可能になる。iPhone 5が店頭に並ぶ2日前だ。例によってこのアップデートにも新機能が盛りだくさんだ。優れた機能はユーザー体験を大きく改善する。しかし、Appleには稀なことだが今回はダイアルを何目盛りか戻したものが、大きなもので少なくとも一つある。Googleマップが標準機能から消えた。

Appleの代替品は、同社内製(TomTom、Waze、その他の小さな協力による)の地図だ。マップアプリはGoogleによるソリューションと決して同じレベルにあるとは言えない。理由ははっきりしている。昨日(米国時間9/12)私が座長を務めたTechCrunch Disruptのパネル(下にビデオを貼ってある)で議論したように、こと地図に関してグーグルは圧倒的に先行しており、Google Mapsはその元となったWhere 2 TechnologiesをGoogleが買収した2005年以来、開発が続けられている。

一方Appleは、似たような出発点にいたようにも見えるが、Placebaseを2009年に買収した時には丸々4年遅れていた。そして先行するウェブベースアプリもなかったAppleには、経験を積む機会が全くなかった。洗練化のプロセスは全くモバイル環境のみで行われなければならない。ユーザーベースも少なく、修正や大きな改善はiOSの主要アップデートの時にしかできないなど柔軟性も小さい。

マップは、Appleユーザーにとってどこか馴染みのないものになるだろう。人々がさほど考えることもなく自然に使い方を理解していた製品の中核要素にとって、著しい後退である。これは取るに足らないことではない。人が、特に公共交通機関を使う人が道順を調べる手順が根本的に変わる、それも良くない方に。興味のある場所を探すのにYelpを使うのもよいが、Googleマップで場所を探すのとは依然としてレベルが格段に違う。

自社製地図を使うという方向転換は最終的には消費者に恩恵をもたらすだろう。両製品間の競争は両社のイノベーションを後押しするから、Androidユーザーも恩恵を受けるだろう。そしてAppleは、最終的には今は少々よそ者感のあるこの製品をiPhone上でアットホームに感じるものへと変えるだろう。曲がり角ごとのナビゲーションは大歓迎の追加機能であり、Androidユーザーたちはだいぶ前から持っていた。そして、Appleの最初のiOS 6ベータ版と比べて、すでに数多くの改善が施されているので、Appleがレベルを上げるために必死で努力していることは明らかだ。

努力の如何に関わらず、ユーザーはこの変化を受け止め、全くの新領域に足を踏み入れた会社と辛抱強く付き合うことを気にしないだろう、とMacworld誌のJason Snellが下のビデオで指摘している。これがiPhone 5の予約熱に水を差すことはないだろう。しかし、iPhoneの今日の大成功を支えた非常に基本的な部分にAppleがちょっかいを出した時、果たして何が起きるかを見るには良い機会だ。


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(翻訳:Nob Takahashi)