iOS 6

iOS 6―ベストからそれほどでもないものまで新機能徹底レビュー

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iOS 6新機能、デバイス別サポート一覧表

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iOS 6がリリースされた。読者の多くはすでにアップデートを試みているところだろう。しかし新OSにアップデートするメリットがあるかどうかと懸念している向きもあるかもしれない。一言でまとめれば、新OSは全員ではないまでも大部分のユーザーに喜ばれるだろう。ただし地図など一部の分野では成長の痛みが感じられる。

ベストな機能

1. 着信応答 これなどはばからしいほどマイナーな機能に思われるかもしれないがそうではない。iPhoneで一番長く進歩がなかったのが通話機能だから、どんな改良でも歓迎だが、これほど役立つ機能であれば特筆に値する。電話に出られないときは着信アイコンを上にスワイプすると、テキストで応答メッセージを送り返したり、かけ直しのためのリマインダーをセットできる。応答メッセージはAppleが用意した定型文の他にカスタム・メッセージも設定できる。ユーザーの電話の利用の現実に合わせた改良として大歓迎だ。

2. おやすみモード 携帯に邪魔されずにいたいときにiOS 5で各種の通知をすべてオフにするのはけっこう厄介な作業だった。通知のどれかをオフにするのを忘れたり、逆にオンに戻すのを忘れたりするのだ。「おやすみモード」はこの面倒を解決し、簡単に「静かな時間」を得ることができる。しかも重要な相手からの着信は逃さないように設定できる。新たな着信応答機能と並んでiOS6のもっとも重要で即刻役立つ機能といってよいだろう。

3. VIP受信ボックス iOSのメールは今日の高機能なデスクトップ・メールにくらべるといささか簡素なものだ。それだけにこの新機能の追加はAppleがiOSメールの多機能化に取り組み始めたサインとして喜ばしい。連絡相手をVIPに指定すると、その相手からのメールにVIP受信ボックスで簡単にアクセスできる。

4. 写真ストリームの共有 この機能はiCloudに当初から備わっているべきだったと思うが、それでも今回追加されたのは歓迎だ。写真ストリームはiOSやMacを持っていない相手でもウェブで見ることができる。またApple TVでも表示できる。私が常時持ち歩くカメラは今までもiPhoneだったが、iOS 6とiPhone 5になってソフト、ハードともに改良されたので、私にとってはiPhoneのカメラとしての役割はますます重要になった。iPhone内から写真ストリームを共有し、コメントができるようになったのはすばらしい。

5. 時計 笑われるかもしれないが、私はiPadにネーティブの時計アプリがないのが理解できなかった。なるほどサードパーティーの時計アプリならいくらでもあるが、目覚ましをかけるときに内蔵アプリなら安心感が違う。iPad向けのiOSが時計アプリを用意してくれたのは前進だ。簡単な天気予報機能も含まれている。しかし独立した天気予報アプリはまだiOSに追加されていない。

便利な機能

以下にグループしたのは、それ自身としてはよいものだが、利便性や日常の使用頻度の点で上に挙げた機能にはやや及ばいような機能だ。

1. 携帯電話ネットワークでのFaceTime AT&Tは不満らしいが、もちろん歓迎スべき改良だ。これまでFaceTimeはWi-Fi接続でしか使えなかった。モバイル・ビデオ・チャットとしてはこのありがたくない制限が解除されたことはFaceTimeの有用性を高めるだろう。しかし私にはFaceTimeそのものが「あればあったでいいが本質的ではない機能」に思える。

2. Siriの改良. Siriに映画情報検索機能が加わった。Yelpでローカル情報を検索したり、OpenTableでレストランを予約したりできる。またSiriを使ってTwitterやFacebookへの投稿もできるようになった。また最新のiPad、第5世代のiPod touchもサポートする。いずれも良いことだが、多くのユーザーが毎日Siriを使うようになるかどうかについて私にはまだ疑念がある。

3. Passbook もしiOS 6に「最優秀新人賞」があればPassbookが受賞するだろう。このバーチャル財布には航空券、クーポン、ポイントカード、ギフトカードなどを収めることができる。そのクーポンが使える日時にその店を訪問すると通知がポップアップして知らせてくれる。これは店舗、ブランドにとって非常に有望なマーケティング・ツールだ(Eventbrite、Virgin、Starbucks、Amtrak等々のブランドがすでに参加している)。この機能をベストの一つに挙げなかった理由は、私自身がまだ実際に利用するチャンスがなかったからにすぎない。.

4. Facebook連携 ログインを含めてシステム・レベルでのFacebookとの連携は以前から予告されていた。。写真の共有が簡単にスピーディーになった。サードパーティーのデベロッパーにとってもAPIのアクセスが容易になりアプリの開発が効率化したはずだ。ユーザーにとってもFacebookにとってメリットは大きい。

5. メール・アカウント別の署名 これも長い間iOSユーザーの悩みのタネだった。特に仕事用と私用のメールアカウントを同じデバイスに登録しているユーザーは困っていた。メールの署名がアカウント毎に設定できるようになったのでユーザーは<3″(キス)の絵文字入り署名のメールをボスにうっかり送ってしまうような事態を防げる。

それほど良くない

1. 地図 これは明らかにiOS 6の弱点だ。特に公共交通機関を利用するユーザーが困っている。 車と徒歩のナビゲーションはしっかりできているが、バッテリーの消耗は激しい。もっともカーナビは車から電源を取って利用される場合がほとんどだろうから大きな問題ではないかもしれない。公共交通機関の乗り換え案内についてはサードパーティーのアプリがいくつか登場している。しかし従来のiOSのGoogleマップに比べて(AndroidのGoogleマップと比べればなおさら)、Appleの地図は一歩後退だ。特にストリートビューが見られなくなったのが痛い。

2. App Store すべてのデバイスでApp Storeのデザインがリニューアルされた。同時にGeniusと検索結果にも変更が加えられた。特に検索は先ごろAppleが買収したChompのテクノロジーが用いられかなり変化している。ビジュアルは美しくなった。またアプリのアップデートをするたびにいちいちパスワードを打ち込まなくてよくなったのはありがたい。しかし検索結果について、iPhoneの場合はたった1件、iPadでも4件しか表示されないという変更は一歩後退だ。おそらくAppleは、表示件数を減らすかわりにそれぞれの解説を詳しくするほうがよい―「量より質」というつもりなのだろう。しかし現実には自分がどんなアプリを探しているか初めから正確にわかっているわけではない場合が多い。検索結果の表示件数を減らすことは検索を困難にする。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+