Esther Dyson女史が語る“医療の自家製化”とそれを支える近未来のテクノロジ

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[筆者:Emily Goligoski ]
Dyson Interview

情報のデジタル化とその公開が増進するに伴い、保健医療は“自家製”になる、と、投資家で長年のコンピュータ論客Esther Dysonは主張する。先週行われたスタンフォード大医科大学院主催のカンファレンスMedicine Xにおける、The New York TimesのJohn Markoffによるインタビューの中で彼女は、“今の人たちはFitBitを自分で買うぐらいだけど、今後のもっと良い方向性としては、ソフトウェアを自分で書くようになる。そうなると、何もかも、ものすごく変わる”、と言う。一般消費者も雇用者も、健康への関わり方が大きく変わる、と言うのだ。

EDventure Holdingsのファウンダである彼女によると、“保健医療と人間行動におけるもっとも興味深い未解決の問題”に関心を持つようになったのは、数年前に医師とその家族たちのカンファレンスに出席したことがきっかけだ。彼らは医療システムの崩壊をもっぱら嘆いていたが、彼女は、もしもここに起業家や技術屋や投資家が同席していたらまったく違う会話になるのではないか、と気づいた。“スタートアップの世界では、現状にただがっくりしているのではなく、何かをやろうとする”。

では、テクノロジは保健医療や福祉を、どうやって改善するのか? 彼女は曰く、“最初に私が感じたのは、現状を全部ぶっ壊してゼロから作り直すことね”。どの業界も、内部からの改善改良努力はほとんど失敗している。電話サービスがその好例だ。“新しいアイデアは外から来る必要がある。携帯電話がやってきて、電話というものをがらっと変えてしまったように”。

“今人びとがオンラインの音楽にお金を払っているように、いずれ自分の健康に役立つ情報やサービスにはお金を払うようになるだろう”、と彼女は将来的なマネタイゼーションに関しても楽観的だ。各種のセンサーとソーシャルネットワークが、そんな情報やサービスの基盤になる。

Dysonはエンジェルとして、これまで25の保健医療関連スタートアップに投資してきた。糖尿病前症の早期発見サービスや、RockHealth傘下のOmadaGenomeraGreenGooseHabit LabsHealthTapKeasなどなど。“私は人間がより良く生きるための技術に投資したい。実際は、それに限定しているわけではないけど”、と彼女は言う。たとえば宇宙旅行への投資は保健医療とは無関係だ。“私が投資した保健医療スタートアップが大成功して、私の宇宙旅行の費用を出してくれると嬉しいわね”、とジョークを言う。彼女はロシアで宇宙飛行士になるための訓練を受けた。

Dysonは、出版社の事実調査員(出版物の内容の事実性をチェックする人)やジャーナリストをやっていた若き日、学校給食の健康食化の必要性、自分の健康データをオンラインで公開する決意、などなどについて語った。ゲノム学と情報科学と定量化自己(Quantified Self)、今後の、テクノロジによる保健医療の“自家製化”を支える科学として、彼女はこの三つにとくに関心がある。彼女は、Personal Genome Projectの三人目の理事でもある。“医療ではとくに、個々の物事よりも、それらのあいだの対話的な関係がものすごく複雑になる。だから、人間の行動の背後にあるソーシャルな要素や対話的アクションに注目していかなければならない”。

写真: Theo Rigby。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))