How Do They Make Money。ネットサービスは収益モデルを利用者に提示しておくべきだろうか?

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Jar of loose change by Tom SmallGoogleが資金を集め始めたのは1998年のこと。当時はSergey BrinおよびLarry Pageの頭には明確なマネタイズプランというものはなかった。あったのかもしれないが、少なくとも世間ではなかったということになっている。大きな収入をもたらすことになったテキスト広告プログラムの開始は2000年になってからのことだった。しかし、Sunの共同ファウンダーでもあるAndy Bechtolsheimが彼らに小切手を渡す頃には、多少のプランは頭に浮かんでいたものと思われる。AdWordsスタート前にYahooと手を組んだのも、そのプランの一環であったはずだ。

ドットコムブームが訪れるまで、スタートアップは何がしかの収益モデルを掲げてからスタートするものだった。ドットコム企業も、バナー広告の販売程度のことは事業プランに入れていたものだ。しかしそこにGoogleが登場してきた。まず利用者を集めて、マネタイズのことはあとで考えるというスタイルをとったはじめの企業だと言える。Twitterというのがまさにこういうスタイルの直属の子孫であるという考え方も成り立つだろう。

こうした明確な収益モデルを持たない企業に出資するというのは、投資家にとって見れば好き好きの話ではある。しかし収益源を不明確にすることで、顧客に不利益をもたらす可能性があるとしたらどうだろう。以前も、しばしばTechCrunchにしばしば執筆しているEdward Boraskyの言葉を引いて記事を執筆したことがある。Edward Boraskyの主張とは、利用者はユーザー登録を行う前に、そのサービスのビジネスモデルを知る機会を与えられるべきだとするものだ。

私も同意する。もちろんサービス側はピボットを行ったり買収されたりということがあって、ビジネスモデルを知る機会を与えることが利用者の利益として機能しないケースはあるだろう。しかし、そういう機会を保証するというのはとっかかりとして悪いものではないと思うのだ。

話がよく見えないという方に補足しておこう。プロダクトを販売するのではない形のサービスの話だ。目に見えるプロダクトが存在しない場合、実は利用者こそがサービス提供者にとっての商品となっているのだ。少々極端な話ではある。しかし注目を集めるために多くのトラフィックを集めようという仕組みも、すなわちは利用者を商売道具にしているということになる。また、サイト内での行動をトラッキングして、データマイニングを行なってビジネスアイテムとするようなこともある。そうしたことを行うサービスがあっても良いだろう。しかしサイト側は、いったいどのような見返りを利用者から得ているのか、情報を明らかにする必要があるのではないかというのが論点だ。

そうしたことを考えるうち、How Do They Make Moneyというサイトを発見した。まだまだ情報が少なく、インタフェースも洗練されているとは言えない。超有名サービスについての記述しかないし、記されいてる内容には古くなってしまっているものもある。またサービス提供者側が明示している収益モデルについての記述しかないというのも物足りない(もちろん公開企業については、企業側が公開していない情報も集めることができるが)。また、サービス単体ではなく、広告ネットワークやパートナー企業との連携の中で、いったい集めたデータをどのようなことに使っているのかということもわからない。

しかしポテンシャルについては間違いないと思うのだ。またGoogleのサービスを細かく分けているのも良い点だ。確かにGoogleプロダクトは検索広告から膨大の収入をあげてはいる。しかしプロダクト単体でみていくと、すべてのサービスがビジネスとして成り立っているわけではないということがわかる。また表示されているサービスを、ビジネスモデルによってフィルタリングすることもできる。たとえば「データの販売」(selling data)で絞込みを行うと、LinkedInのみが表示されるようになる(ちなみに自前の広告ネットワークを持っているGoogle、Facebook、あるいはTechCrunchのオーナーであるAOLなどはデータを販売する必要はない点に注意)。

このサービスは、少しTOS-DRに似たところもあるように思う。TOS-DRについては以前も取り上げた。Term of Service(利用規約)の混乱しがちな部分をわかりやすく解説し、これによって妙なToSを掲げるサービスなどに注意を促すものだ。TOS-DRにも、対象サービスの収益モデルなどが掲載されるようになれば、一層役立つようになると思う。もちろんTOS-DRには他にもやるべきことが山積みではあるのだが(ところでTOS-DRは今、資金集めの真っ最中だ)。

ちなみにHow Do They Make Moneyのようなサーブしは、ブラウザの拡張機能化するのが良いのではないかという声もある。確かにTOS-DRプラグインはなかなか便利だ。ただ、拡張機能の利用率というのがあまり高くはないらしい。しかしFirefoxもプライバシー面を強化する拡張機能などには注目していて、TOS-DRとHow Do They Make Moneyのマッシュアップ機能、あるいはさらにプライバシー系のツールの機能を加えた拡張機能を出してくるかもしれない。

Photo by Tom Small / CC

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(翻訳:Maeda, H)