Windows 8はタッチをデスクトップやラップトップに無理強いする–良い結果にはならないね

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デスクトップでもノートブックでも、画面にタッチするインタフェイスはまだ広く普及していない。デスクトップのディスプレイや一体型パソコンにタッチインタフェイスを持ち込もうとする取り組みは、過去に数多くあった。たとえばHPのTouchSmartシリーズが出たのは、Windows 8よりも相当前だ。しかしそれは、モバイル以外ではまったく普及しなかった。Windows 8に、この状況を変える力はないだろう。

ASUSが昨日(米国時間10/10)発表したWindows 8対応の一体型パソコンET2701は、Windows 8の機能/性能をフルに活かすべく、10点マルチタッチ静電容量タッチスクリーンを搭載している。この10点マルチタッチ静電容量タイプのタッチスクリーンは、Windows Phoneから借りてきたMetroインタフェイスとともに、Windows 8用ハードウェアの最大の売りになっている。今日PRがリリースされたAcerの最新機Aspire Ultrabookシリーズでも、10点マルチタッチ〜〜が強調され、それはもはや、Windows 8の宣伝の決まり文句だ。ユーザがそれまでタブレットの画面を叩いていた指を、11.6から15.6インチまでのラップトップの画面に、乱暴に押しやるつもりなのだ。

Windows 8では、史上初めて、タッチがデスクトップOSのメインの顔になる。Windows 8をタブレットとデスクトップの両方で使ってみた方はお気づきと思うが、ユーザ体験に落差を感じる。たしかにWindowsだけど、しかしそれは、これまでで初めて、タッチ入力を要求している。HPやAsusなどもタッチをサポートした機種を出し始めているが、それはちょっと前までは、ごく一部のユーザを対象とする特殊仕様にすぎなかった製品だ。

今後はそういう機種が続々と出てくるのだが、でもWindows 8のタッチ機能は、デスクトップのインタフェイスとして適切だろうか? むしろ、従来のデスクトップのフォームファクターとタッチは、どう考えても両立しない。たとえばそれは、人に無用な努力を強いる。デスクトップでタッチを使おうとすると、キーボードやマウスやトラックパッドなどに比べてやることが多い。画面が伸ばした腕の先にあるときは、とくにそうだ。目の前のキーボードやトラックパッドに指で触れたり、片手でマウスをつかむ動作と、何度も何度も画面に手を伸ばす動作を、想像で比べてみよう。クリック、ドラッグ、上下スクロールなどの操作、それにタッチではマルチタッチが加わる。ズームや回転はどうか? タッチは確かに動物の本能的な動作に近くて直接的だが、目の前の(手を上げて伸ばさないと届かない)デスクトップの画面に対しては、求められる努力量が大きすぎる。それが今後自然な習慣になることは、あり得ないだろう。

AppleのCEO Tim Cookは決算報告の席で、ラップトップとタブレットのハイブリッドは本質的に欠陥があり、フランケンシュタインのような怪物だ、と言って、大きく報道された。“どんなものでも、無理やり合体させることは可能だ”、と彼は言った。しかし、そこには必ずトレードオフがある、と。多くのものを詰め込みすぎると、誰も喜ばない製品ができあがる。今週MobileConで試したKupa UltraNoteのように、正しいバランスを達成している製品も一部にはあるが、でもそれらは完全にゼロからの新しいデザインであり、既存の従来的なフォームファクターにタッチを貼り付けたものではない。

Windows 8は、デスクトップのPCユーザにとっては“負担が大きすぎる”とも評され(関連記事)、本誌のMatt Burnsは昨日、MicrosoftはWindows 8でデスクトップユーザを無視しようとしている、と書いた。でもデスクトップとPCメーカーのパートナーたちから見ると現状は、一つの世代のコンピュータがまるまる全部、アイデンティティの危機に瀕しているのだ。そして多くのユーザが、タッチ入力には元々適していないアプリケーションの画面を不慣れな指でひっかき、うまく使えないのでフラストレーションを抱え、ついに諦めて、屈辱に終わったユーザ体験に代わる我流の策を編み出すだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))