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モバイル広告のモーションビートとスパイアが合併してユナイテッドに

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モバイル広告を手がけるモーションビートスパイア合併が発表された。両社の取締役会で決議されたこの合併は、最終的には臨時株主総会の決議によって承認されることになる。

両社は博報堂DYホールディングス傘下のデジタル・アドバタイジング・コンソーシアム(DAC)の連結子会社だが、東証マザーズ(モーションビート)と大阪証券取引所(スパイア)に上場している上場企業でもある。いずれもモバイル広告の事業を手がけ、スマートフォン事業にシフトしていた両社が合併するのは、モーションビート(当時はngi group、6月に社名変更している)が今年2月にDACの子会社になることを発表したときに予見できていた事実かもしれない。

なにしろ、両社の事業はグループ会社の中でモバイル広告を扱う近い存在だったからだ。モーションビートはフィーチャーフォン時代からアドネットワークや代理店事業などモバイル広告事業が主力事業だが、昨年秋からスマートフォン向け広告事業にシフトし始めている。いわゆるメディア向けの広告プラットフォーム事業のSSP(サプライサイドプラットフォーム)と広告主向け広告プラットフォームのDSP(デマンドサイドプラットフォーム)を提供しているが、彼らによればリアルタイムの入札によるスマートフォンの広告システムは国内初のことだったらしい。

ただ、この努力もむなしく、スマートフォン事業の立ち上がり以上に、主力だったフィーチャーフォン向けのアドネットワーク事業や広告代理事業の落ち込みが激しく、今年5月に発表した2013年3月期の通期の予想を、売上高でマイナス15億円となる40億円、純利益でマイナス7億9,500万円となるマイナス2億5,000万円と下方修正している。

そしてスパイアはモバイル広告事業とメディア事業を手がけているが、今年8月に発表された2012年12月期のQ2の決算発表によれば、モーションビートと同じくモバイル広告事業は昨年に比べて30パーセント以上減収と落ち込んでいる。これもフィーチャーフォンからスマートフォンの変化によるものだ。現在、スパイアは広告領域ではモバイルメディアのレップ事業を譲渡し、入札などの広告運用を広告主に代わって行うトレーディングデスク事業にシフトしているのだという。一方でメディア事業は売上規模は小さいものの、スマートフォンメディアが好調で、ヒットアプリなども生まれているようだ。

このようにフィーチャーフォンからスマートフォンのへの急激なシフトによって広告事業やメディア事業が翻弄される中で、グループの事業を見直して合併という形で再編する意味が大きかったのだろう。

モーションビートとスパイアの合併後の存続会社は、モーションビートで、社名もユナイテッドと変更するのだという。合併後は代表取締役会長CEOに現スパイア代表取締役社長の早川与規氏が、代表取締役社長COOには現モーションビート代表執行役社長の金子陽三氏が就く。

なお、両社の合併はなにも驚くことはないのだが、両社はインターネットのベンチャー企業が上場企業として新興市場で生き残っていく難しさを体現していると思える。というのも、両社はまさに合併の歴史である。

モーションビートは、ネットエイジとして創業されて、東証マザーズに上場した後に、ngi groupとして新たに生まれ変わっている。その後、名証セントレックスに上場していたフラクタリストを子会社化して、2010年にフラクタリストを吸収合併している。現在のモバイルにかかわる事業はngi groupのモバイル事業(当時はngi mobileという子会社)とフラクタリストによって作られた主力事業だ。この間、経営陣も変わっている。

一方のスパイアは、エルゴ・ブレインズとして創業されて、2002年にナスダック・ジャパン(当時)した後に、DACと資本業務提携を結び、その後、2004年に設立されたインタースパイアと合併して、2009年に誕生している。

モーションビートがこの2月にDAC傘下になることで、両社は同じグループになり今回の合併に繋がっているが、変化の激しいインターネットの業界で上場企業として生き残っていくのが大変なことが、この流れを見ていてもよくわかる。