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中小企業に専用の“自社クラウド”を提供する新型ホスティングサービスHelix

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1998年から企業向けのWeb何でも屋総合サービスを提供しているMedia Templeが、大手PCメーカーのDellとIaaSプロバイダMorphlabsと提携して、企業顧客にそれぞれ自社専用の“プライベートクラウド”を提供する。提供内容は、OpenStackベースのクラウドホスティングにより、プライベートクラウドの複雑なセットアップ作業を完全に自動化する、というものだ。

今週月曜日には、Dreamhostが新サービスDreamComputeを発表した。これはデベロッパや起業家向けのパブリッククラウドのインフラサービスだ。Dreamhostがこのセルフサービス型クラウドのメンテ等を担当する。一方Media Templeが提供するプライベートクラウドサービス”Helix”は、“まるで人間シスアドミンを一人雇ったような”、日常のきめ細かい管理サービスを提供する。

Helixの想定顧客は中小企業だから、Media Templeはなるべく技術用語を使わないコミュニケーションを心がけている。“プライベートクラウド”は技術用語というよりむしろマーケティング用語だが、今のご時世では使わざるをえない。しかし同社は、“マルチテナント”という、おそらくもっとも醜いクラウド用語の使用を避ける。この言葉はクラウドなどの分散インフラの共有的な性格を指しているが、Media Templeはもっと単純に、小企業が自社専用のサーバを持つ、という言い方をする〔マルチテナント〜分散インフラは、プロバイダ側の視点〕。同社は、”share nothing”(何も共有しない)という同社独自の造語を使って、顧客企業の完全に閉じたクラウドであることを強調している。なんとなく馬鹿げた言葉のようだが、でも小企業は自分のデータが外部から共有され、いろんな使われ方をすることを、心配するだろう。

Helixを支えるのはOpenStackだ〔==クラウドプラットホームのデフォルトスタンダード〕。したがって顧客は、将来必要になったらサードパーティのさまざまなクラウドサービスを併用できる可能性、すなわち連邦型のクラウド環境を構成できる可能性が高い。

では、顧客はHelixから一体何を得るのか? ぼくの考えでは、アプリケーションの能力を今以上に増強したい、効率をアップしたい、と願っている企業は、そのためのインフラの拡張をクラウドでやったほうが楽だ。HelixはMedia Templeのサービスだが、プライベートクラウドそのものはMorphlabsがDellのサーバの上で動かすmCloud Helixと呼ばれるターンキーシステム(クラウドサーバプロダクト)だ。つまり顧客の小企業が持つものの物理的な実体は、自社専用のDellのサーバ一台である。今後のクラスター化やシステムのスケールアウトのためには、DellのソフトCrowbarが使われ、ソフトウェアの分散インストールなどを自動的に行う。要するにHelixは一種のホスティングサービスであり、ただしOpenStackというクラウドの衣裳をまとっている。したがって、顧客企業のニーズによっては、今後の“連邦型クラウド”への拡張も可能なのだ。

〔今年の本誌上のCrowbar関連記事: (1)、(2)、(3)。〕

DreamhostのDreamComputeは、もっと純粋にクラウドだ。その性格はAmazon Web Servicesなどに近い。何も共有しない環境を求める小企業向けではない。むしろ、その上でアプリケーションやサービスを構築し展開するための、オープンなクラウド環境だ。

DreamhostとMedia Temple、この二者の違いは、ホスティングサービスの今後の進化と多様化の方向性を示している。どちらが良い悪いではなく、対象とする市場が異なるのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))