ミネソタ州がスタンフォード大学の無料オンラインコースに禁止令

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行政の過剰介入を報じているこの記事は、あまりにもひどいので、本誌からも、これはジョーク記事ではない真実だ、と言っておくべきだろう。ミネソタ州が人気の高いオンライン教育サイトCourseraに対する禁止令を発し、その提供機関であるスタンフォード大学やプリンストン大学に、高等教育を州に無登記で(登記料も払わずに)提供している、という警告通知書を送付した。ニュースブログSlateによると、 州登記事務所の所長George Roedlerは曰く、この州法の趣旨は粗悪なオンライン教育から学生を守ることであり、一流大学なら何も問題なく許可を得られるであろう(1200ドルの登記料を払えば)。Slateは問題の本質を正しく指摘している: すべての市や州や国が有料の許認可制を設けるなら、どんな企業団体でも無料の教育を提供することはできなくなる。

Courseraの協同ファウンダDaphne Kollerによれば、Courseraの学生はそのほとんどが、自分の知識や技能を磨きたいだけで学位の取得を目的にしていないから、ミネソタのお役人たちのご心配には及ばない。“州法が対象にしているのは学位を付与する教育事業であり、無料でオープンなコースウェアではない”、彼女はThe Chronicle of Higher Educationでこう語っている。ただし、あとからこんな注記を付記した:

ミネソタ州のユーザへの注記:
Courseraがミネソタ州高等教育局から受けた通告によると、州法136A.61 から136A.71までにより、大学はミネソタ州の住民に州の許可なくオンラインコースを提供することができない。もしもあなたがミネソタ州の住民なら、(1)Courseraのコースを受講しないか、または、(2)受講にかかわる大半の行為をミネソタ州外から行うかの、どちらかを選択しなければならない。

Courseraのほかにも、大規模なオンライン教育サービスは数多くあり、いずれも世界最高の一流大学への普遍的なアクセスを提供している(そういうサービスのことを、Massive Open Online courses, MOOCと呼ぶ)。無料オンライン講義におけるMITのMIT OpenCourseWare(累積ビュー1億2500万)の大成功をきっかけとして、同様のサービスを提供する一流教育機関が増加傾向にある。今年の初めにMITはハーバード大学のEdXプロジェクトと提携して、そのオンラインコースを拡張し、対話的な小テストや学生同士が支え合うコミュニティを導入した。

オンライン無料教育における非営利主体の限界を察知したスタンフォードの二名の教授が、Courseraを立ち上げた。それはオンライン学習の利益追求型のベンチャー事業で、その資本により、オンラインサービスのリーチの拡大と内容の高度化をねらっている。Courseraのユーザは150万を超え、パートナーも増え続けている(最近ではデューク大学とカリフォルニア工科大学が参加した)。ベンチャー資金は、2200万ドルを調達している。今後Courseraは卒業証書などを収益源とすることによって、なお一層の内容拡充を目指している。

ミネソタ州法の下(もと)では、EdXやCourseraのパートナーに限らず、そのほかのすべてのMOOCが、違法集団となる。スタンフォードやハーバーどが法の脅しに屈したり、またミネソタ州がその法を無理やり強制することは、あり得ないと思われるが、この愚かしい事例が照らし出しているのは、行政とスタートアップとのあいだに普遍的に存在する問題だ。消費者や労働者の権利を守る20世紀の法律が、イノベーションを阻害している。今週はたまたまほかにも、オンデマンドのドライバーサービスUberが、ニューヨークのタクシー業界から、そのスマートフォンアプリの停止を要請された。タクシーの組合規則では、客から呼び出し料金を取れるからだ。人気のハウスレンタルサービスAirbnbも、ニューヨークの宿泊業者団体から文句を食らっている。Airbnb経由で家や部屋を貸す者は、ホテルなど正規の宿泊企業から客と利益を不法に奪っている、というのだ。

ルールを変えるか、または地方行政の裁量で骨董品的な法律を無視するか、どちらかしかない。このまま行けば、読者の愛するサービスが次々と違法の宣告を受け、本誌もそのたびに、つらい記事を書くことになるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))