cloudscaling
bloomreach
Accel Partners

なぜ今VCたちはビッグデータへの投資に殺到するのか?

次の記事

TechCrunch Tokyoのスタートアップバトル応募は締切まであと1日(明日夜11時59分まで)

veen_big

今週は、ビッグデータアプリケーション用のSQLエンジンを作っているSplice Machineが400万ドルを調達した。DaaS(database as a service)のMongoHQが600万ドルを調達した(関連記事)。そして三つめとして、ビッグデータアプリケーションのBloomreachが、2500万ドルを調達した。

これら三つは特異な例ではなく、今後長年に亘って投資家たちがビッグデータのスタートアップに投資を続ける、という予測を裏付けるものだ。ビッグデータアプリの勃興と、新しいデータインフラストラクチャへのニーズ、この二つの重要な変化動向が合わさって、エンタプライズの中と外でデータの機能性を高めるスタートアップが急増していく。投資家たちは、それを支えようとしているのだ。

データの機能性(data functionality)という言葉は、調査会社Gartner Researchが今週公開した報告書で使っている。それは、ビッグデータが2016年までに総額2320億ドルのIT支出を作りだす、と述べている報告書で、だからこそ今は、Splice MachineやMongoHQ、Bloomreachなどの企業に投資が流れ込んでいるのだ。

データの機能性だけが、すべてではない。今週CloudscalingのファウンダRandy Biasが書いた記事は、個々のスタートアップの状況を反映している。今市場は、ラジカルなディスラプト(disrupt, disruption, 新技術による旧技術の破壊)を経験中だ。これから訪れるビッグデータの時代は、まずGoogle、Amazon、Facebook、Twitterといった巨大インターネット企業がその先鞭をつけた。このITモデルでは、データセンターの電力消費効率がきわめて良く(PUEが1.2以下)、オープンなハードウェアプロジェクト(Open Computeなど)を志向し、そしてソフトウェアのアーキテクチャのモデルとしては、スケールアップ型からスケールアウト型へ変わる(それらをHadoopやCassandraなどのビッグデータプロジェクトが、その先駆者として引っ張る)。

スタートアップたちは、この歴然たるディスラプトの中で栄える。スケールアウト型のアーキテクチャを有利に活かすためには、データベースのインフラストラクチャが変わらなければならない。Splice MachineやMongoHQが表しているのは、そのような、データベース市場の変貌だ。Bloomreachが例示しているのは、新しいデータインフラがあって初めて、アプリケーションはスケールアウトシステムを有効に利用でき、次の時代に向けて成長できる、ということである。それは、従来のSaaSアプリケーションを超えた世界だ。

Splice Machineの役員たちによると、Splice SQL Engineは、既存のSQLアプリケーションやビジネスインテリジェンス(Business Intelligence, BI)ツールを書き換えずにビッグデータにアクセスしたい、というニーズに応えている。それは、Web、モバイル、分析アプリケーションなど複数の環境を横断して利用されている。HadoopにもNoSQLにも、そしてSQLにも投資しているという混成型の企業が今いちばん多いが、Splice SQL Engineはそういう企業のためのソリューションだ。既存のBIなど、レガシー資産をそのままビッグデータ対応にできる点が魅力である。

MongoHQは、デベロッパが自分のアプリのデータベース部分として利用するDaaSだ。これもまた、デベロッパのビッグデータ対応を楽にしてくれる。とくにMongoHQは、データベース管理ツールで差別化を図っている。それらのツールがあるために、データベースのスケールアウトも効率的にできる。いまどき、デベロッパがデータベースのベテランエキスパートであることはめったにないから、データベースという重荷を抱えるデベロッパにとってはありがたい環境だ。しかもそれらのツールは、使いやすいGUI方式なので、MongoDBやNoSQLデータベースなどよりもデベロッパフレンドリーだ。

Bloomreachは、機械学習やWebクロウリング(crawling, 這い回る)、検索技術などを駆使してデータをマイニングし、エンタプライズの機能を改良改善する。目標は、マーケティングのための正しい詳細な情報を増やし、その結果として、顧客のトラフィックと売上の増進を図ることだ。

Accel Partnersでビッグデータ向け投資を担当しているPing Liは、今週行ったインタビューで、今の市場にはデータベースの多様なアーキテクチャを必要とし求める、多方面からのいろんなニーズがある、と言った。

Database Journalも言ってるように、たとえばビジネスインテリジェンスのアプリケーションは、関係データベース上の伝統的なOLAPのデータソースから、新しいタイプのサービスへの移行を開始した。ソーシャルネットワーク、サードパーティのアプリ、などなどの多様なデータソースへだ。NoSQLは安価でありふれたハードウェアによるノード上のスケーラビリティで人気が出始めている。それは高価なストレージの配列を必要とする垂直統合型のシステムをスケールするよりも、はるかに安上がりだ。

そのほかの市場でも、同様のシナリオが現れ始めている。新世代のビッグデータアプリケーションがこのエコシステムで花開き、そのプレッシャーでエンタプライズベンダたちも既存のソフトウェアスイートを変えざるを得ない。

Liによれば、これからは徐々に、水平アプリケーション向けには一つか二つのデータベース、そして一部の垂直アプリケーションでは特殊な要件を満たすデータベースが使われるようになる、という。

そんな中でベンチャーキャピタリストたちは、データインフラストラクチャとビッグデータアプリケーションへの投資を続ける。それらが、ITの、誰の目にも明らかなディスラプトを表しているからだ。

(画像はBBCのデータ視覚化とテクノロジ担当Kunal Anandのご厚意による。)

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))