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サイバーテロに関する国連の報告書: 名案がなくてエジプトや中国をほめる!

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国連のテロ対策特別調査部会(United Nations Counter-Terrorism Implementation Task Force)が最近発表した報告書は、インターネットを統制し検閲する職務の入門書みたいだ。”Use Of The Internet For Terrorist Purposes”(インターネットのテロ目的利用)と題されたその報告書は、“オープンなWiFi”の危険性を論じ、全ISPが標準慣行を守ることを訴え、テロ行為にインターネットが利用される可能性に常時注意すべき、と述べている。これらの問題は、公園の中を犯罪者が大手をふって歩いている状態にもなぞらえられる、という言い方をしている。

報告書はここからダウンロードできるが、その中には辛辣な口調で今のインターネットの本質的な問題点を突いている箇所も少なくない。TechDirtは、こんな例を引用している:

ユーザがインターネットのコンテンツやサーバにアクセスする前に、ISPがそのユーザの同定情報を求めるようにすべきかもしれない。インターネットのデータに結びついているそれらの同定情報を集めて保存し、適切な保護措置のもとに公開すれば、捜査や訴追の過程に大いに資するであろう。とりわけ、WiFiネットワークやサイバーカフェなどでユーザ登録を義務づければ、それらは、犯罪捜査のための重要なデータソースとなる。エジプトのように、ISPによる、インターネットアクセス時のユーザの同定を法で義務づけている国もあるが、むしろこのような方策は、ISPが自主的に執り行うべきであろう。

しかし元独裁国家の方策をインターネットのセキュリティのモデルとして取り上げるのは、お門違いだろう。同様に中国も、高く評価されている:

テロという文脈では、中国が多様な形のテロ行為を法が犯罪と見なしている。たとえば刑法第120条では、テロリスト組織と関係を持ち、そういう組織を作り、その首魁となることを犯罪と定義している。このような広範な犯罪の定義により、インターネットの上で行われる多様なテロ関連行為も、犯罪に含まれるのだ。

この報告書が述べている勧告は、明らかに単純すぎるし浅すぎる。協力体制の強化、テロリストがYahooを使わないようにする、などなど。しかし、中でもとくに気になるのは、次の一行だ:

インターネット関連サービス(ISPのこと)の規制とコンテンツの統制が、重要な必須事項である。

  

ただし、比較的まともな部分もある:

彼らの行為は憎むべきであるが、しかし一般原則としては、テロリストの嫌疑のある人びとにも、刑法に基づく、ほかの犯罪容疑者に対してと同様の庇護措置が与えられるべきである。人権の擁護は国際連合の中核的価値であり、テロとの戦いにおいてもそれは、遵法手続きの基盤とならなければならない。

テロ対策に関して、この報告書の実践的な価値はどうだろう? それはあまりないと思うが、テロリストに対する適法庇護をうたっていながら、取り締まり当局に任意の諜報行為を認めている点は、当の庇護措置に対してのみならず、プライバシー全般に対する侮辱だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))