iPad miniによる共食い現象。それは脅威か誇張か

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iPad miniはまさしく貪欲であり、他の既存小型タブレットだけでなく、兄貴分であるレティナディスプレー付きiPadの味わいをも備えている。いや、少なくともそれが、既存iPadの販売に対する平均10~20%の共食い効果を予想する一部アナリストたちの考えだ。しかし、これを50%以上ではないかと予想する向きもある。これはAppleが最近のSamsungとの裁判で明らかにした数字に基づいている。

Tech-ThoughtのSameer Singhによると、7.9インチのiPad miniは既存iPadの売上に最低50%の共食い効果を及ぼすだろうという。公判記録のデータには、iPad 2が今年夏に最も売れたiPadであり、iPad売上全体の58~61%を占めていることが示されている。その理由となるプラスの相違はなにか。第3世代iPad発売に伴い、旧機種の小売り値が下がったことによる100ドルの価格差だ。

100ドルの価格差がそこまでの共食い現象を引き起こしたという論理を適用すれば、さらに70ドル下がれば複合効果によってさらに多くの購買者がApple製品を離れるという理由になり、それが今回Singhが適用している直線的思考だ。もし彼が正しければ、Appleはそれでも総販売台数を増やすことになるが、そのかなりの部分が低価値となる。これはApple自身が明かしたiPad miniの利益率と価格の低さによる。

もちろん誰もがSinghと同じ考えではない。Sterne Ageeのアナリスト、Shaw Wuは、今日私とやりとりしたメールで、同社はAppleの12月四半期のiPad売上を2500万台と予想していると言った。これは昨年同時期よりも1000万台多い数字だ。またSterneは、iPad mini単体のデータは言っていないが、これはAppleも過去の報告形態を見る限りこれを公表しないと同社が考えているからだ(AppleはMacやiPhoneのモデル毎の売上を発表していない)。彼は、「ある程度の共食い現象は起きる」と予想しているが、iPad miniの売上は「主として上乗せ」、即ちminiの売上は他のiPadモデルに加えられるものであり、置き換えるものではないと予想している。

iPad miniのiPad売上全体に対する比率を、われわれが正確に知ることはないかもしれない。AppleがiPad 2の売上を公表したのは、同社の報告形態としては例外で裁判所の命令によるものだ。しかし、Singhが予言する極端な購買パターンの変化がたとえ起きたとしても、問題ではない理由がいくつかある。

まず、Appleのタブレット売上全体は伸びるだろう。iPad miniがなかったとした時よりも高い成長率で。これは長期的に見て、Appleのエコシステムにとっても忠実な常連顧客を生み出す上でも望ましいことである。そして、さまざまな機種が混在することによって個々のiPad販売から得る利益が減ったとしても、製造工程は改善されるだろう。そして私は、CEO Tim Cookにとっての「著しく」低い利益率の定義が、皆さんやわたしと同じものであることを非常に強く疑っている。

さらにAppleは、実証済みのハロー効果の恩恵を受ける。顧客が一つのデバイスから別のデバイスへと渡り歩くことによって、ある機種が売れれば他機種も売れるようになる。iPad miniが売れれば、AppleのMacとiPhoneの船も浮上する可能性が高い。通常のiPadがそうならかったとしても。

そして、Cookが先週の収支会見で指摘したように、Appleは自社製品の共食いを心配していない、それが他社に食われることを防ぐのであれば。50%以上という数字はほぼ間違いなく非現実的に高い共食い率だが、たとえそうなったとしても、すべての売上を手にするのはAppleであってライバルたちではない。そしてこの会社は、いわゆるiDevice「キラー」を、他の誰でもなく自分自身が送り出すことを一切ためらわない。

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(翻訳:Nob Takahashi)