Facebookが大統領選に与える影響はまだ小さい。The Atlanticへの意見

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もしソーシャルメディアが選挙に強い影響を与えるなら、共和党の大統領候補はミット・ロムニーではなく、ロン・ポールになっていただろう。選挙における対話の中心であるにも関わらず、Facebookは政治的影響力のある層の集まりでもなければ、浮動層がさまざまな問題を真剣に考える場所でもない。

The Atlantic誌にいる本誌の友人たちが、Facebookが民主党に対して有利に働いた、特に若い有権者の獲得に成功したかどうかについて、よく調べられた素晴らしい記事を書いた。しかし残念ながら、記事は政治における若者たちの重要性を過大評価している。「もし30歳以下が誰も投票しなかったとしても、オバマ氏はインディアナ州とノースカロライナ州を除き、取った州のすべてで勝っていた」と、Chuck ToddとSheldon Gawiserが「バラク・オバマはこうして勝った」(2008年刊)に書いている。

AtlanticのRebecca Rosenの主張の中心は、最近行われた大規模な無作為調査で、自分が投票に行く意思をFacebookで広く宣言したユーザーたちが、友達の間での投票率を高めることが証明されたというものだ。同調査によれは、Facebookにはメッセージを拡散する非常に大きな効果があり、拡大し続けるネットワークを通じて友人たちがシェアすることによって、その影響は四倍になることがわかったという。「Facebookの影響力は、いかに大きいとはいえ、程度は知れているが、選挙が極めて接戦になれば、その程度でも大きく影響しうる」とRosenは推測する。残念ながら、実際の影響度はわずか2%だった。メッセージの与えた影響としては大きいが、選挙結果を左右するにはほど遠い。

メッセージがどうユーザーに影響を与えたかに関する質問に答えて、報告書を書いたDr. James Fowlerが私にメールでこう言った。「高齢者たちは2010年の措置の影響を受けたが、あのイデオロギーが影響した、あるいは一方の政党に有利に働いたという証拠はない」。さらに彼は「もう一点指摘すべきは、若者の投票率は1%しか増えていないことだ」と言った。

以前私も書いたように、若い有権者の力は神話である。彼らの有権者に占める割合は約18%だ(もし今年はわずかに高かったという報告が確かなら19%)。しかも、かつてオバマに魅せられた20代層は希望への信頼を失くし、若い有権者間での彼の支持率は約6%減少した(66%から60%に下がったと思われる)。

例えばオハイオ州では、若い有権者が影響を与えた可能性(約1万2000票)もあるが、Facebookが主要因となるほどではない。Facebookが影響を与えるのは、どの層でもそのごく一部に対してのみであり、オバマがロムニーを叩くには十分ではない。

ソーシャルメディア選挙神話はまだ続くかもしれない。それは、Facebookの膨大な規模とそこでの活動を考えれば、そう信じることが理にかなっているからだ。「影響力があるはず、ですよね?」 ネット議論と実際の行動との間にあるこの天と地ほどの違いを説明する理由の一つに、投票しない市民活動家の存在がある。カリフォルニア大学アーバイン校のラッセル・ダルトン教授によると、この層の人々は政治ビデオを作ったり、ウォール街を占拠せよ活動に参加したり、共和党と結びついた企業をボイコットしたりすることの方が、投票や陪審員義務などの伝統的市民義務を果たすことよりも、意義があると感じているという。

投票しない人たちに公正を期して言うならば、ただ一票に、政府を変える大きな影響力があるとはいえない。だから「作り手の世代」がもっと他のものを欲しがるのは理にかなっている。Facebookは、民主主義に関わり合う無数の新しい方法を可能にしたが、若い世代はその過程で選挙の力を手放してしまった。

The Atlanticにも公平を期して言うなら、インターネットが両政党に全く同じ影響を与えるわけではないと考えるのは妥当な発想だ。以前私は、本質的にインターネットはリベラルに利益をもたらす、なぜなら一般に破壊を容認する心理が高くなることはイノベーションを導くからだ、と主張したことがある(つまるところ、オンライン募金からビッグデータの利用まで、殆どの主要なデジタル革新は、民主主義者によって開拓された)。

しかし、今はまだソーシャルメディアのハイプに惑わされてはいけない。FacebookやTwitterにいる20代は、ソーシャルメディアが変化をもたらすには人数が多すぎる。

【注記】本稿では当初、数値の丸め、およびオハイオ州におけるFacebookの規模を明示的に組み込んでいなかったことによる混乱があった。オバマがオハイオ州で10万3519票の差をつけて勝ったとすると、Facebookによる2.2%の影響が、オバマ有利に働く可能性は小さい。Facebook効果に党派制がなく、年長有権者にやや寄っていることを踏まえるとなおさらだ。しかし、差は僅少なので、選挙の全データとFacebook効果の最新情報を入手し次第、続報する予定だ。

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(翻訳:Nob Takahashi)