「Apple、iPhone 5Sを12月に試作開始」との噂―新製品発表サイクルに変化か? 

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Apple - iPhone 5-1

「AppleはiPhone 5Sをこの12月にも試作開始し、 2013年早々に量産体制を整える」という情報が大きな反響を呼んでいる。

最初に報じたのは台湾の中国紙、工商時報だった。それがDigitimesに翻訳、転載されてネットに急速に拡散した。情報源も拡散の経路もさほど信頼性の高いものではない。Appleが9月にリリースしたばかりの新製品のアップデートを早くも準備しているなどという可能性が少しでもあるのだろうか?

もし「iPhone 5Sが12月に試作に入り、来年早々量産開始される」という噂が事実だと仮定してみよう。するとiPhone 5Sが店頭に出回るのは3月頃となる。iPHone 5が発売されてからちょうど半年後だ。これは偶然の一致ではないかもしれない。そもそもiPadの新バージョンとiPad miniを10月に発表したのもiOSハードウェアのアップデートは年に1回という従来のAppleパターンから外れている。これまでAppleは時計じかけのようにこのパターンを守ってきた(iPhone 4Sは例外で、発表までに1年を超えた)。

最新のiPadの発表時期が従来のパターンを破ったことを考えると、Appleが他の製品ラインでも同じことをしても不思議ではない。ではしかし、いったいどういう面で製品が改良されるのだろうか? デザインはそのまま、コンポネントの改良のペースの速さに合わせてスペックが向上する、といったところだろうか? Googleは最近Nexusシリーズのアップデートを行った。Googleはその理由をNANDフラッシュメモリ製品の改良に合わせて、同一価格のままストレージ容量を拡大することができたからだとしている。

Appleのライバルは年に1度というアップデート・サイクルには縛られていない。Samsung、HTCその他無数のAndroidハードウェア・メーカーから最近ますます頻繁に新製品が送り出されるようになった。既存モデルについても、キャリヤ別の新機能の追加や接続性の強化、ストレージの拡大といった改良を施したバージョンが提供される。SamsungのGalaxySシリーズはほぼ1年ごとのアップデート・サイクルだが、SamsungのGalaxyデバイス全体の数は膨大なものになる。しかし過去にはライバルがいかに頻繁に新製品を送り出そうと、Appleに影響が及ぶことはなかった。しかし今やSamsungが無視し得ない勢いをもった強力なライバルとなっている。工商時報はまたAppleは新製品に低価格のオプションを加えるだろうとも報じている。やはりAppleの製品リリースのサイクルはライバルと似たスタイルになっていくのかもしれない。

しかし不定期に新製品をリリースするという行き方はAppleに大きな不確実性を持ち込むことになりかねない。もともとあらゆるマーケットに向けて手当たり次第に新製品を投入するやり方をしてきたSamsungの場合とは異なり、Appleのユーザーは年に1度の定期的なアップデート・サイクルを予期している。その途中での新製品投入はAppleをユーザーを大いに戸惑わせることになるだろう。

もちろんこの情報の確度は高くない。しかし最近のiPadの時期はずれのアップデートを考えると気になる情報ではある。モバイル・デバイス、そのコンポネントの進歩が加速していることを考えるとまったく根拠のない話とも言い切れない。同じ情報源は「iPhone 5Sの発表のおよそ3ヶ月後にiPad(どのモデルかは分からない)も新製品が発表される」とAppleのアップデート・サイクルが半年単位になることを示唆している。私はたまたまAppleは製品アップデートを不定期にした方がよいかもしれないという記事を書いたことがあるが、ともかく今後の情報に注目だ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+