無料のオンライン学習コースが正規に“学歴”として認定へ

次の記事

Andreessen HorowitzのPeter Levineが企業ITに今起きているルネッサンスを語る

SchoolHouse

もうすぐ、ネット上の無料の学習コースから、正規の大学卒業証書がもらえるようになる。そのようなMassive Online Open Course(大規模オンラインオープンコース, MOOC)プラットホームの一つであるCourseraが今、準公的資格認定機関であるAmerican Council on Educationと協働して、オンラインの授業をアドバンストプレースメント(Advanced Placement, (高校生など一般人に対する)大学の単位取得相当の認定)のコースとして認めるための条件を、煮詰めている。

今模索中の条件が認められれば、無料のオンラインコースを受講することによって、大学の最初の2学年の費用が大幅に低減し、教育の相当大きな部分が学校という物理的な枠から解放される。プリンストン大学の元学長William G. Bowen教授は、“自分が勉強したことによって学歴を認められる機会が一挙に大幅に拡大する。それによって、何百万人もの学生たちが高等教育の費用を大幅に節減できる”、と言っている。

Courseraは、インターネットを契機とする教育革命という大きなうねりの一角として、一流大学の講義や教材をインターネットから無料で提供し、世界のトップクラスの教育への普遍的なアクセスを提供している。このようなシステムのパイオニアであるMITのOpenCourseWareは、今日までの累積ビューが1億2500万あまりに達している。Courseraは講義を、対話的なフォーラムや学生同士の相互評価で補足し、それらが物理大学における修学指導に相当する、と主張している。

高等教育相当の課程を無料で学習できる場としてのインターネットは、今すでに成功途上にあるが、しかし“学歴の公的認定”というものだけは、いまだに物理大学が独占している。どの大学のどのコースを認定対象とするかを決めているのが、この記事の冒頭に登場したACEだ。言い換えると、公的に認定されたコースを終了しないと、学歴==単位取得は認められない。学歴は就活などでほぼ必須の条件だから、猫も杓子も物理大学に行かざるをえない。

しかし、要は、オンラインの無料コースがACEから…アドバンストプレースメントとして…認定されればよいのである。そうなれば、教育システムに対する本物の革新的破壊(ディスラプション)が起きる。ほとんど無料で(ACEが小額の手数料を取るが)、大学の最初の2年(大きな講義室での定型的な講義が主体)が完全にカバーされる。一人の教師が、何百万人もの学生を教えられる。これには、費用節減効果だけでなく、ネットならではの個人化対応により、教育における柔軟性が増すというメリットもある。フロリダ州などは、人間教師のいない授業を実験的に行い、教育効果は従来の授業と変わらないという結果を得ている。

また合衆国教育省が2009年に行った調査では、“すべての授業をオンラインで受けた学生の方が、古典的な対面型授業を受けた学生よりも成績が良かった”、という結果になった。古典的な、人間教師による授業は、教師の質や学生の数によって結果が大きく変わるから、この調査結果を単純に一般化することはできないが、注目に値する調査であることは間違いない。

ACEの結論はまだ出ていないが、検討は真剣に行われているようだ。それに、オンラインコースが物理学校をリプレースすることは、近未来の必然だ。物理的な学校というシステムは今すでに、絶滅の危機に瀕している。〔学歴/卒業証書という量産“商品”を高価な学費で売りつけるだけ、という大学批判がアメリカ社会にはある。〕

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))