金融機関を救うなら国民も救え–クラウドソースな借金免除運動Rolling Jubilee

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アメリカの銀行は焦げ付き融資の回収を自分では行わず、小額の返済受け取り+取り立て業者への債権売却で、その融資案件の帳簿上の決済をする。しかし銀行に小額の返済をした債務者は、借金がそれで帳消しになるわけではなく、そのあと、(しばしば悪質な)取り立て業者に悩まされることになる。銀行から安く買った債権に対し、債務全額+αを回収することによって、業者は利益を得るのだ。

Rolling Jubilee作戦”(大赦の波及)と名付けられた運動は、取り立て業者に代わって銀行から不良債権を安く買い上げ、債務者たちを吸血鬼のような借金取り立て業者から守ろうとする。ニューヨークで有名人たちを集めた慈善大集会を成功させた、このOccupy Wall Street運動の分派たちは、今現在で、500万ドルの債務を免除できるだけの資金を集めた。

[ツイート訳: Occupy Wall Streetの債務免除運動を支持するな。借金と真の愛は永遠だ。]〔←これはたぶん、借金取り立て業者の人?〕

この最新のクラウドソースな(crowdsourcing)実験を通じて、Occupy Wall Streetは、巨額な借金の免除は、実践というよりも、これまた一種のデモにすぎないことを、悟ったようだ。Rolling Jubilee運動の推進団体Strike the Debt(借金をやっつけろ)の協同ファウンダAstra Taylorは、“Rolling Jubileeは手段であって目的ではない、とつねに考えている。われわれの力だけで11兆ドルの債務を免除できないことは、分かっている”、と述べている。“でも債務に二次市場があることを知らない人が多いから、その意味では、啓蒙的デモの意義はある”。

たしかに、ニューヨーク大学の経済学の教授Lawrence J. Whiteなどは、この運動に同情的だ。“Occupy Wall Streetの人たちの意図は、とても良いと思う”、と彼は認めて、“良質なPRであり、良質なデモだ。しかし実際に達成できることは、とても小さい”、と言っている。

Rolling Jubileeのオンラインによる実験は、個人の債務者への救いでもない。そもそも、債務者を特定して不履行債権を銀行から買うことはできない。ロイター通信の金融担当ブロガーFelix Salmonの説明によると、“Rolling Jubileeが実質的にやっているのは、債務の秘密でランダムな免除だ。だから、困っている債務者を助けるというよりもむしろ、政府はWall Streetの大きな金融機関を助けるのなら、一般のアメリカ国民も助けるべき、という理念に目を開かせるための、一種の啓蒙運動と考えたほうがよい”、ということだ。

借金取り立て業者にハイライトが当たることを、歓迎しない人たちもいる。債務買い取り業者の団体DBA Internationalの専務取締役Jan Stiegerは、“借金の取り立てがなければ、クレジットの延長もない。だから、支払能力のある人も払えなくなるし、また支払能力のない人たちの助けにもならない”、という(おそらく偏った)見解を述べる。“マスコミは債務買い取り業者を悪者扱いするが、実際には消費者へのサービスを提供しているのだ”、と。

今後の波及効果などは現時点で不明だが、またまた大きなPR効果を上げた点では、Occupy Wall Streetにお見事!と言ってあげたい。社会的運動は、メディアがまったく取り上げないものの方が圧倒的に多い。だから、何はともあれ、彼らのインターネット上の巧妙は戦略には、学ぶべき点が多いと言えるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))