長年iPhoneを無償配布してきたFacebook、社員にAndroidのテストを懇願

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「以前は社員に主としてiPhoneを配っていた」とFacebookの広報担当者は私に言った。その決定とAndroidの台頭は、Android用自社アプリを社員に使わせる上でFacebookを混乱に陥れた。このたびFacebookは、「今日から切り替え」てAndroidの問題を秘密のバグ通知ツール「Rage Shake」で修正しよう、と社員たちに呼びかける派手なポスターを本社に掲示しはじめた。

Facebookはシフトしようとしている。モバイルへ、だけではなくモバイル全体にバランス良く注目するために、非公式なプログラムを通じて社員にAndroidへのシフトを勧めている。この件は8月にBusiness InsiderのOwen Thomasが最初に報じ、以来私は調査してきた。このキャンペーンは俗に「ドロイドフーディング」と呼ばれている。Androidとドッグフーディングの合成語で、自分のドッグフードを食べることから転じて自社の製品をテストすることを意味している。

私はFacebookのメンロパークキャンパス周辺に見られる、この漠然と布教的なポスターの写真を何枚か入手した。いちばんわかりやすいのは、Internationl Data Corporation調べによるAndroid対iPhoneの出荷台数予測グラフだ。これによると2016年までにGoogle OSを搭載するデバイスは、Appleの2倍になる。もしFacebookが、社員のiOS対Android比を適正化できなければ、同サービスのスマートフォンアプリ利用者の大半を無視することになる。

問題は、当初のiPhoneが初期のAndoid機と比べて断然良かったことに始まる。AppleによるOSとデバイスの融合と早くからの人気があいまって、iPhoneはFacebook社員にとってはるかに魅力的存在だった。たしかに価格は高いが、自分で負担するわけではないなら市場で最も進んだ電話機を選ばない理由はない。

しかし、ここに食い違いが生じた。殆どの人々は、モバイル機器の価格を気にしなくてはならない。たとえ完璧でなくても、超高精度な工業デザインによらなくても、Androidは仕事をこなしてくれる。ウェブサーフィンもメールの管理もマップも、そしてFacebookのアクセスもできる。もしFacebookがAndroidユーザーに最高の体験を提供したければ、社内の十分な割合が、自社のAnroidアプリをテストし、このOSの柔軟性を活用して次に何ができるかをブレーンストーミングする必要がある。

それがドロイドフーディングの目標だ。かつて社員の標準機種はiPhoneだったが、Facebook広報によると、今は「特定機種を推奨していない。社員に選ばせている」そうだ。社内でのiOSとAndroid利用者の内訳を尋ねたところ、「比率はわからないが、当初のiPhoneへの集中と、複数年契約サイクルのために、配布されている台数はiPhoneの方が多い」と答えた。

しかし、キャンペーンは効果を出し始めるだろう。「Android機が入手可能であることを広く認知させた」とFacebookは言う。今や「両方のデバイスを持ち歩く人々がたくさんいる。それはエンジニアだけなく、モバイル関係者だけでもない」。なるほど、ポスターは社員に対して「切り替え」を呼びかけているが、まだまだApple製品への愛着は強いらしい。少なくとも、1 Hacker Wayでポケットの中のAnoroidは増えている。

準備が整ったら、会社として次世代の自社Androidアプリのテストをできるだけ簡単にすることを考える。私が調べたところ、Facebookでは社員にFacebook for AndroidやFacebookメッセンジャーなどのアプリを強制的に最新ベータ版へとアップデートさせている。もしAndroid(あるいはiOS)アプリに問題があれば、社内ベータ版に組み込まれているバグレポート機能を利用することができる。

それは「Rage Shake」[怒りに震える]と呼ばれ、ぴったりの名前だ。社員はスマートフォンを激しく振るだけで、現在の状態が自動的に記録されてFacebookのモバイル・バグ対策室に送られる。Google+チームも「Rage Shake」的機能を持っていて、一般ユーザーにも使わせているらしいが、どこの会社かは不明だ。

手動による複雑な報告手順を避けることによって、Facebookは4000人の社内テスト要員から報告を受けるバグの数を最大にできる。もしFacebookerたちがDroidfoodを気に入れば、怒りとともにAndroid機を振るのが実際のユーザー、ということにならずに済むかもしれない。

[画像提供:TalkAndroid, Techno18

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(翻訳:Nob Takahashi)