民主主義の汚点:キム・ジョンウンとムハンマド・ムルシーがタイム誌「今年の人」の投票をリード

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インターネットは物事を真剣に捉えることが苦手なようで、重要な仕事を投票に任せたことに対するばかばかしい報復を喜んで受けようとしている。TIME誌恒例「今年の人」の投票は、大量のいたずら者によってハイジャックされ、あまり民主的とは言えない象徴である北朝鮮のキム・ジョンウンとエジプトのムハンマド・ムルシーが上位を独占している。これらの票は、そもそもオバマ大統領や他の勇敢な活動家らの横にこの2人を並べたTimeを罰しようとする、皮肉をこめた正当な行動である可能性もある。しかし、もしムルシーが、最悪の場合キムが、実際投票で勝ったとしたら、Timeは大恥をさらすことになるだろう(キムとムルシーの2人とも3位の2倍近い票を集めている)

Timeの「今年の人」は、米国メディアの誇る伝統であり、受賞者は多くのメディアで見出しを飾る。昨年、マーク・ザッカーバーグがWikileaksのジュリアン・アサンジを押さえて表紙になった時には、プライバシーに関する政治的論争を呼び、その皮肉な選択はSaturday Night Live寸劇のネタまでなった。いずれにせよ、毎年Timeには国民的話題を選ぶ希有な栄誉が与えられている。

Time恒例の投票には、「今年の人」と並んで政治、ビジネス、芸術に関する「人名録」もあり、こちらも注目のレースになっている。

今年の投票には、バラク・オバマ、マリッサ・メイヤー、そして14歳の人権運動家、マララ・ユスフザイなどすばらしい名前が目白押しだ。人気急上昇のラッパー、PsyもYouTubeで史上最もよく見られたビデオの栄冠を得た。彼の「ギャングナムスタイル」は、巧妙な破壊的メッセージがこめられた覚えやすいポップ音楽だ。

Timeの投票基準には、「良くも悪くも今年のニュースに最も影響を与えた」という項目がある。このため、地球で最も厳しい独裁政治のリーダー、キム・ジョンウンが含まれている。「スイスで教育を受けたNBAファンで29歳か30歳と信じられているその人物が、経済を再構築し飢餓と戦い核取引の時計を戻して彼の国を変えると期待した人たちもいた。そうはならなかった」とTimeは書いている。。

ムルシーはエジプトの脆弱な新しい民主主義の運命を握っている。彼が苦境に立たされた国を自由の時代へと導くのではという希望もあったが、彼に独裁者に近い力を与えた最近の決定は、世界に悲観的なためらいを与えた。ノーベル賞受賞者のモハメド・エルバラダイは、「現代のファラオ」と彼を呼んだ

ムルシーが姿を変えたエイブラハム・リンカーンで、彼の新しい力を捨てる可能性もあるが、Timeのランキング上位に、彼がジョンウンと共にいるという事実は、資格のない文化的英雄たちが真剣に受け止められることはない、というインターネットからの明確なメッセージだ。

オンライン投票が間違った方向に行くのはこれが初めてではない。オンライン寸劇サイトのCollegeHumorはかつて、ネブラスカ州がナンバープレートのデザイン変更を投票で決めようとした際、最も醜いデザインを選ぶよう同サイトの訪問者たちを駆り立てるのに成功した。「これはCollegehumorの勝利ではない。これはわれわれ全員の勝利だ。われわれは、共にネブラスカ州の全自動車保有者を嫌がらせることができた。おめでとう!」

今日、インターネットは新しい伝統を確立しつつあるようだ。そしてTimeは、まさに悪ふざけの標的になろうとしている。

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(翻訳:Nob Takahashi)