柴田尚樹氏のSearchMan、iOSアプリの検索最適化を助けるサイトをオープン―「検索知名度」トップ25が分かる

次の記事

AppleのiTunes 11の新機能トップ5―iCloud連携、新UI、Up Next, And More

search_visibility_graph

500 Startupsが支援するアプリ・アナリティクスを提供するスタートアップ、SearchManがモバイル・アプリのデベロッパー向けに興味ふかいツールをリリースした。このツールを使えばデベロッパーはAppp Storeの検索で自分の開発したアプリが「どれほど見つけられやすいか」をすぐに知ることができる。

9月にiOS 6に新しいデザインのApp Storeが登場して以来、アプリ・デベロッパーにとって「発見されやすさ」の度合いはかつてなく重要性を増している。従来のリスト形式からカード形式の表示に変わり、同時に1アプリしか表示されなくなった。このためユーザーの目に触れるアプリの数が大幅に減少し、検索と推薦の重要性が大きく高まった。(この変更がデベロッパーに与える影響の詳細についてはこの記事この記事を参照)。

SearchManのCEO、Niren Hiroによれば、「このプロダクトはアプリのデベロッパーたちの強い要望に応えるもので、簡単にいえばSearch Visibility Score〔検索知名度〕を提供するものだ」という。

「多くのデベロッパーが、『自分のアプリがApp Store内でどのくらい発見してもらいやすいか』という根本的な問題に対する数値化された明確な情報が欲しいのだ、とわれわれに要望していた」とHiroは説明する。しかしすぐにこの問題に興味があるのはデベロッパーだけではないことが判明した。「ベンチャーキャピタリスト、マーケット・リサーチ会社、モバイル広告ネットワーク会社などからも同様の要望を受けるようになった。彼らが投資したり取引したりするデベロッパーが、力任せの広告やプロモーションに頼るのではなく、検索とクチコミに基づいた健全な成長を遂げているのかどうか、その実際を知りたいというわけだ」とHiroは語った。〔SearchManのファウンダー、柴田尚樹氏によると英語版記事公開直後にさっそくデータ販売の引き合いがあったという〕。

1ヶ月間のテストによってユーザーからのフィードバックを得たうえで、新スコアシステムがオープンした。App Store中の全てのアプリについてスコアが計算されており、SearchManのウェブサイトのマーケットデータページには総合およびカテゴリー別のトップ25件のスコアが公開されている。スコア自体の順位に加えて、スコアの上昇と下落のトップ25件も表示される。集計はiPhone、iPad別、アメリカ、イギリス、 日本の各地域別となっている。Hiroによれば、SearchManは2013年の第1四半期に中国も分析対象に加える予定だという。またマーケットデータページで公開される情報もさらに拡張していくという。

〔日本版〕 柴田氏によるとこの分析システムは次のような仕組みだという。

「検索知名度」とは、AppStoreの検索結果において、各アプリがどの程度、ユーザーに見つけてもらい易いかを表す指標です。「検索知名度」は各キーワードに関して、当該キーワードごとに、検索回数とAccessibilityを掛けたものを加算して計算されます。Accessibilityとは、検索結果における各順位にあるアプリがどの程度、ユーザーにアクセスされやすいかを表す指標です。これはデバイスごとに異なります。iPhone(iOS6)の場合、各ビューごとに1アプリずつしか表示されないため、1位=100として、順位が一つ落ちるごとに90%が乗算されます。iPad(iOS6)の場合、各ビューごとに6アプリずつ表示されるため、第1ビュー(1〜6位)=100として、ビューが増えるごとに90%が乗算されます。〔左上グラフはアクセシビリティーが1位表示を100として以下逓減する状況を表している〕

例えば、本稿執筆時点では、日本のApp Storeの場合、「写真・ビデオ」カテゴリーでは、「動画をダウンロード Lite (Video Downloader Super Lite)」が検索知名度ランキングの1位となっている。これは「動画」「ビデオ」「保存」「ダウンロード」など、検索回数が多いキーワードでいずれも上位にランクインされているからだ。このアプリは「写真・ビデオ」カテゴリーのランキングでは13位だが、検索知名度ではトップだ。つまり「動画をダウンロード」はAppStore SEOに成功しているアプリの例といえるだろう。

以前、各カテゴリー別のダウロード数によるランキングが表示されていたときには、デベロッパーはもっぱらダウロード数を稼ぎ、それによってランキングの順位を上げることに努力を集中していた。ランキングが上がればダウンロード数もそれに応じて上がるというサイクルが成立していた。しかしiOS 6のApp Storeでは、上で述べたような事情で、デベロッパーはASO(App Store SEO)を重視する戦略を取ることが必須となっている。特にiPhoneのApp Storeは旧スタイルのリスト形式の表示を完全に捨ててしまった。以前であれば、検索結果を縦にスクロールして25件を見ることができた。しかしカード形式で1アプリずつ表示される現在のUIではユーザーはそんなにたくさんのカードをめくっていくことはしない。そのためデベロッパーとしてはターゲットとするユーザーに容易に発見してもらえるような適切なキーワードを選ぶことが決定的に重要になったわけだ。上の例でも分かるように、適切なSEOを行えばダウンロード数ランキングでトップにいなくても検索知名度でトップにいることができるのだ。

最新の検索知名度ランキングはSearchManのウェブサイト〔日本語〕で見られる(デバイス別、カテゴリー別、国別)。

〔柴田尚樹氏のTechCrunch Japanへの寄稿:シリコンバレーで起業した日本人が語るスタートアップガイド 1(プレゼン) 、2(資金調達)、3(ビザ取得) 〕

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+