モバイル・アプリ検索のGoogleになるのはやはりGoogle自身か?

次の記事

ホリデーギフトガイド:美しく華麗な掃除機を贈ろう ― ダイソンDC45モーターヘッド

android-eats-apple

わずか数年のうちにモバイル・アプリのエコシステムは見通しの効かないジャングルと化してしまった。AppleのApp StoreとGoogle Playという2大プラットフォームだけで70万本のアプリが存在する。しかしこの混沌を整理して必要な情報が直ちに検索できるようにしてくれる「モバイル・アプリの世界のGoogle」はまだ現れていない。

しかし、考えてみると、アプリの検索版のGoogleはやはりGoogle自身になってしまうのかもしれない。

もちろん現在すでに独立のアプリ検索エンジンが多数存在する。AppFlowKinetikCrosswalkDiscovr AppsAppsFireXyoAppoliciousHubblなどなど数え切れない。QuixeyもAsk.comに検索結果を提供する契約を結んだようだ。Google自身もモバイル検索を手がけているが、「もっと見る」の奥底に控え目に掲載している段階だ。

いずれにしても大半のユーザーはモバイル・デバイスからアプリを探す場合、ウェブ・ブラウザでは検索しない。実際、Nielsenの調査によれば63%のユーザーはアプリ・ストア上の検索でアプリを発見しているという。

〔略〕

100万本のアプリが市場に存在する現在、どの市場に先にリリースされるかは重要でなくなった

iphone-instagram-shotこれまでGoogleはデベロッパーが売上を増大できるようにプラットフォームを整備することにあまり力を入れてこなかった。代わりにGoogleのモバイル戦略はできるだけ急速にAndrodiのシェアを拡大しマーケットを支配することに重点が置かれていた。その結果モバイル・デベロッパーはiOSでの方が収入を得やすかった。その点ではAmazonのAppstoreでさえ上かもしれない。

しかしAndroidのシェア拡大戦略は成功を収めており、成功したデベロッパーはiOSを優先しつつも、ある時点でAndroid市場への参入を図らざるを得なくなっている。「Androidのスケールはあまりに巨大でとても完全に無視できるようなものではない。2013はAndroidの年になると皆が言っている」とSearchManのCEO、Niren Hiroは言う。SearchManはMobileDevHQに似ているが、最近Androidの検索結果のインデックス化を始めている。多くのデベロッパーがiOS市場を超えて成長を望むようになっており、Androidアプリ市場の情報に対するニーズが高まってきたためだ。

デベロッパーにとってはAndroidは2番目に重要なアプリ市場だ。つまり現在のところGoogleのアプリ・ストアは、最良のアプリが最初に発表される場所ではないかもしれないが、いずれ必ず発表されることになる。Androidユーザーは多少待つだけでよい。すでに70万本以上のアプリが発表され、日に日に増えているのだから、「どちらの市場に最初に発表されるか?」というのはさして大きな問題ではなくなってくる。

そこでユーザーが欲しい機能とそれを提供するアプリを適切に結びつける検索機能が重要になってくる。Apple App Storeにくらべてヒット・アプリが遅れて登場することの多いAndroidアプリの場合、検索の重要性はいっそう大きい。Googleはユーザーが待ち時間に退屈しないよう手を打つ必要があるわけだ。

これに引き換えAppleのiOSは依然として「最良のアプリが最初にリリースされる」場所だ。しかしこのことは逆に検索能力の改善に強い圧力がかからず、イノベーションが遅れがちになることも意味する。しかもAppleにはこれという検索ビジネスの歴史がない。アプリのデベロッパーはAppleを出しぬいて独自のASOに走るだろう。その結果ユーザー体験が損なわれることがあり得る。(SEOがウェブサイトの検索エンジン表示ランクを上げようとするのに対して ASOというのはアプリ・ストア最適化の頭文字で、アプリ検索でのランキングを上げることを図るさまざまな手法を意味する。 AppniqueMobileDevHQSearchManなどがキーワード、タイトル、説明などを解析し、デベロッパーに対して最適の調整をアドバイスするサービスを提供している)

もしこうしたASOがユーザーの探すアプリを適切に表示させないような結果となるなら、ユーザー体験は大きく損なわれる。

しかし何千ものデベロッパーがいかにASOを試みようと、Googleの検索専門家にはありとあらゆるSEO手法に対処して検索の精度を維持してきた絶大なノウハウがある。AppleはなるほどChompを買収したものの、前途はなお厳しい道のりだ。ことにiOS 6でApp Storeの検索結果がリスト形式から1件ずつのカード形式に変更され、ユーザーがスワイプを続けていかねばならないようになったので、なおさら検索精度と速度の重要性が高まった。しかし現在Appleの提供する検索結果は理想的というには遠い状態だ。

サードパーティーのアプリ検索サービスは生き残れるか?

SeachManのHiroは私の取材に対してこう説明した。「しかしそれでもFacebookや独立のスタートアップでさえ客観的な事実に基づく公正な分析を提供するYelpやZagat的な検索アプリは存在の余地が十分ある。ただし、これは現在Appleや Googleのアプリ検索アルゴリズムに透明性が欠けているからのことだ。SEOの世界ではGoogle AnalyticsとGoogleがアップデートの都度きわめて詳細に説明するベージランク・アルゴリズムが何百万とい
うウェブサイト管理者の運営の指針となっている。しかし互いのライバル意識からか、歴史的経緯からか、それともプライバシー保護の規制に対する懸念からはは不明だが、アプリ・ストアではAppleもGoogleも、ほとんど基準を公開していない。こうした不透明な状況がデベロッパーにもユーザーにも不都合な結果を招いている」

HiroはさらにFacebookについてこう補足した。「Facebookもアプリの検索基準の公開では良い成績を残していない。Facebookのアプリ公開に関する基準はあいまいで大量のスタートアップが混迷のうちに取り残された。現在デベロッパーはFacebook上でZyngaのような規模の成功を収めることを諦めている」.”

いずれにせよ、Appleにとって懸念の材料となるのは、上述したとおり、「優良アプリはAppleのエコシステムに最初にやって来る」ということがあまり意味を持たなくなってきた点だろう。今や優良アプリは膨大な数が存在する。そのうちユーザーがインストールするアプリの数は限られている。100、200、あるいはそれ以上もアプリをインストールするユーザーの数は限られるだろう。

Googleは「当面このレベルで十分」と見極めるのがうまい(Google Apps、Chromebook、Androidなどの初期を思い出してみるとよい)。また長い目で見たとき、ユーザーが検索に求めるのは、Xという目的のアプリを探しているとき、 その目的のアプリが検索リストのトップに来て、また実際に優秀だということに尽きる。もちろんGoogleはこの分野を得意としている。しかしAppleがGoogleのレベルに達するためにはまだまだ学ぶことが多そうだ。

〔日本版〕SearchManについては柴田尚樹氏のSearchMan、iOSアプリの検索最適化を助けるサイトをオープン―「検索知名度」トップ25が分かるが詳しい。

画像: Flickr user LAI Ryanne; Instagram user vlogwithsid;

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+