Yoicsはクラウドの住人が多様なデバイスたちになる未来を作るTCPレベルのサービス

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Yoicsは、ネットワークデバイスをクラウドに接続するスタートアップだ。というと、すごく簡単に聞こえるが、しかし現実には、いろんな機能を共有する前提になっているネットワークに、個々のデバイスを接続する技術は、きわめて複雑で、今の一般的な形のクラウドがいかに原始的であるかを思い知らされるのだ。

Yoicsは今週、CrunchFundがリードする投資ラウンドにより100万ドルを獲得した。このサービスはデバイスをTCPのレベルでクラウドに接続し、それによって形成されるネットワークのことを“サービスレベル仮想プライベートネットワーク”と呼んでいる。それによりデベロッパは自分のデバイスとアプリケーションにアクセスできるだけでなく、プロダクトのいろんな要素を“仮想化”できるので、ユニークなアクセスが提供される。YoicsのAPIにより、ネットワーク化されたデバイスはまるでふつうのWebサービスにように接続されたり共有されるようになり、しかもユーザのプライバシーとセキュリティは維持される。

Yoicsは物理デバイスを抽象化するので、たとえばラップトップやスマートフォン上のカメラの個々の機能にアクセスできるようになる。Yoicsにとってクラウドは、それを使って各種サービスをレイヤ(layer,層状配備)していくためのハブだ。

Yoicsは、通常ならば手作業になるデバイスの管理を自動化する。そのための鍵が、仮想化だ。多くのリモート管理サービスはデバイス全体にアクセスし、個々の機能にはアクセスしない。

Yoicsはその複雑性を次のように説明する:

あらゆる「物」をインターネットに接続するのは比較的容易だが、それら各種のデバイスが実際にネットワークを構成することはきわめて難しい。現実には、いろんなLANという蛸壺(silo, サイロ)があり、いろんなメーカーのモバイルデバイスという蛸壺がある。ひとつのLAN上のデバイスをリモートアクセス可能にするためには、ネットワークのルータをポートをオープンするよう構成し、リモートのユーザは(スタティックな)IPアドレスとポート番号を知ってそれにアクセスする。この種の複雑な構成は多くの消費者のスキルセットの埒外にあり、またセキュリティの脆弱性を作りだしてさまざまな脅威にさらされがちである。

Yoicsが挑戦しているのは、非常に大きな問題だ。デバイスのメーカー各社間の裂け目は大きく深い。スマートフォンは、メーカーによってその構成の仕方が違う。さらに、今の形のクラウドは、互いに異なるデバイスで構成されるネットワークと、それらの固有な機能には、まったく対応できない。

しかし、「クラウド」と「それ以外の物すべて」とのあいだに今ある大きな隔たりは、Yoicsのようなスタートアップにとって、来年以降の最大の機会でもある。

なぜか。これからは、コンピュータだけでなくあらゆる物がインターネットに接続される。車も家も、そして想像できうるかぎりのすべてのデバイスが接続され、しかもそれらがネットワークを構成するようになる、つまりそれらが互いにコミュニケーションできるようになる。それらデバイスのための、コミュニケーションのための大通りがクラウドだ。それぞれのデバイスが自分独自の紐(ひも)でクラウドという大きなデータネットワークに結ばれ、さまざまなアプリケーションを介してあらゆるデータを共有しなければならない。そのデータネットワークは、メールを送ったりFacebookでチャットするためには、現状で十分だ。しかしそれは、相当ベーシックな形のコミュニケーションにすぎない。それにしかも、現状ではすべてのコミュニケーションが中央集権的だ*。〔*: 巨大サーバ/巨大データセンター。〕

だがデバイスは今後ますます、お互いにセキュアなコミュニケーションをするために自分たち独自のネットワークを必要とする。そのためにYoicsは、人とデバイス間やデバイス相互間のセキュアなピアツーピアの接続のすべてに対して、ネーミングサービス、ディスカバリサービス、そして管理サービスを提供していく。

物のインターネットは、ディープな接続性の世界を約束している。しかしわれわれは、何をどのように接続したいのか? 家全体をネットワークに接続して、あらゆるものが見えるようにしたいのか? そういうことが必要なケースもあると思うが、物のインターネット化と並行して必要になるのが、人と物とのコミュニケーションだ。家がインターネットに接続されたら、人間が玄関のドアや子どもの寝室や外猫のためのシェルターにアクセスしたい。ご想像どおり、セキュリティが不可欠になる。正しい構成をしなければ、それは穴だらけのネットワークになるだろう。

物のインターネットの上には、いろんなデバイスに個別にアクセスしたいというマーケットができるはずだ。Yoicsはその市場に、セキュリティを提供して稼ぎたいと思っている。今の同社には、そのための力がある。そしてその力をメンテしていくために、YoicsはそのAPIをデベロッパたちに公開しようとしている。

さらにYoicsには、別の顔もある。それは、今よりもずっと高度なクラウドが要求される未来を、作っていく能力だ。さまざまな、そして今後増える一方の、薄かったり厚かったりするミドルウェアタイプの環境のスタックをサービスし、それによって私たちに、あらゆるもののあらゆる微細な側面をすべて、個別にアクセスしコントロールできる能力を、同社なら提供できるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))