electronic publishing
ebooks

2013年の出版はこうなる―7つの予測(当たって欲しくないものもある)

次の記事

Amazon、スターウォーズの思い出に関する自費出版本を「スターウォーズ」という単語が入っているという理由で拒否

books

Newsweekの印刷版の廃刊に続いてSpin Magazine’sの印刷版も発行を停止した。世界中で無数の新聞や雑誌が発行を停止している。出版、とくにニュース部門の状況はバラ色とはとうてい言えない状況だ。

何世紀も続いてきたこの情報伝達手法、つまり出版社がコンテンツを絶対的に管理し、印刷されたページで流通させるというビジネスモデルは崩壊しつつある。その代わりに現れてきたのは、編集者、出版社、印刷会社などの制約を受けにくく、より分散的な、いわば群集による出版だ。

それは必ずしも悪いことではない。これまでならまず出版される可能性がなかった無数の本に出版のチャンスが与えられる。しかしこの新たな出版の世界は底なしの資源を持つAmazonによって支配され、全員がそれに従わねばならないような世界でもある。Amazonに代表される新しい出版は既存の書店チェーンを痛めつけ、多くの出版社を苦境に追い込むだろう。われわれの読書体験も、レストランで時間をかけてフルコースのディナーを楽しむようなモデルから、寿司を軽くつまんでさっと立ち去るようなものに変わるだろう。

以下に2013年に起きそうなことをいくつか列挙してみた。私は本を愛しているので当たって欲しくない予測も多く含まれている。ともかくどうなるか注目していきたい。

消費者は紙の本や雑誌を買わなくなる。この記事を読んでいるTechCrunchの読者について言えば、おそらくすでに紙の本は買わなくなっているだろう。今はまだ少しは買っていてもやがて買わなくなる。このクリスマスに私はChris WareのBuilding Storiesを買った。あと子供のためにも何冊か印刷本を買った。しかし来年はどうだか分からない。もしかするとクリスマスのショッピングリスト自体、もう誰も紙に書いたりしなくなっているかもしれない。

デジタル・コミックの販売部数が印刷版を上回る。 2012年にDCコミックスの電子版の売上は2倍になった。シリーズをリセットするなどの手法で一般読者に対する電子版の人気は高まる一方だ。昔からの熱心なファンはもうしばらく印刷版に執着するかもしれないが、一般読者はもっぱらiPadで読むようになるだろう。

雑誌よ、さようなら。 来年もまた多くの印刷版が消えるだろう。同じ出費ならデジタル版を売った方が効率がいいということに気づくのが一種の連鎖反応のように広がっていくだろう。New Yorker、Wired、Conde Nast傘下の雑誌の多くはこのことを証明している。むやみやたらにローレックスの写真ばかりが目に入った以前の広告と違って、実際にクリックしたくなる洒落た対話的な広告が増えてきたのも良い兆候だ。

Barnes & Nobleの書店よ、さようなら。 小規模書店の中には生き残るところも多いだろうが、Barnes & Nobleチェーンの書店は大幅縮小を余儀なくされるだろう。B&Nもこれは予期しているようだ。同社は最近、2社に分社化され、1社が印刷版を、1社がデジタル版を扱う体制となった。MicrosoftもNookを扱うデジタル分社に投資している。一方印刷分社は寒さの中に取り残され、自分で生き残り策を見つける必要に迫られている。

ベストセラー作家がデジタル化する。 スティーブン・キングがどうするかは分からないが、ミステリーのベストセラー作家の大半はデジタル化するだろう。同じ努力でもっと儲かり、自分がビジネスの主導権を握れるというのに、そうしない理由はない。インディーになったといって白い目で見られるようなことはもうない。

大手出版社やニュース・ジャーナリズムはオンライン化を試みる―成否は不明。新聞社やケーブルのニュースチャンネルで中どころの職についているとしたらどうするのが賢明だろう? たとえば斜陽のAP通信にいるとしたら? 好調なオンラインのニュースサイトはたくさんある。われわれTechCrunchを始めEngadget、VentureBeat、TMZ等々。しかし根っから印刷ジャーナリズムに凝り固まった人間にオンラインでの職探しは相当に難しいだろう。

全部がダメになるわけではない。 出版ビジネスは再編成の時期を迎えるだろうが、書かれた言葉というのは依然として驚くべき力を持った伝達手段だ。変化は良いことだ。グーテンベルクは今日の出版の隆盛を予測できなかったかもしれないが、そのコンテンツが神聖なものだということはよく認識していた。

いつかはオンライン・メディアもいまの印刷メディアのように硬直した退屈なものになるかもしれない。しかし少なくとも私が生きている間はエキサイティングなままでいるであろうと期待している。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+