Facebookによるプレスイベント。発表されたのは友達間の情報検索を便利にする「Graph Search」

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photo 1 2Facebookのプレスイベントにて、CEOのMark Zuckerbergが最新プロダクトの発表を行った。その最新プロダクトは「Graph Search」(グラフ検索)と名付けられたものだ。

同プロダクトの開発を率いたのはLars RasmussenTom Stockyで、いずれもGoogleで活躍した人物だ。Facebookは彼らのチームを称して「ドリームチーム」と呼んでいる。

Zuckerberg曰く、この「グラフ検索」は従来のウェブ検索とは全く異なるものだと説明している。

今回のプロダクトで(現状のFacebookが提供している機能に加えて)できるようになっているのは、指定した関係性を持つ相手を自在に検索してくることです。

ウェブ検索とは「答えを含むであろう情報をリンクの形で提示するものです」とZuckerbergは述べる。

「一方『グラフ検索』では答えを含むリンクではなく、探した条件に基づくぴったりとした回答を示すことになります」とのこと。たとえば「サンフランシスコ在住の友達」というような条件で検索することができる。

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自分と友達の間にある関係性を元に検索していくのは「技術的に非常に困難なことです」とZuckerbergは言っている。従来のウェブ検索風なやり方では、まず大まかな検索結果を表示して、そこから友達を「消して」いく必要があるが、「グラフ検索」では「直接的」に回答が戻ってくることになる。

動画を見せてもらったが、検索にはオートコンプリートも使えるようだ。ちなみにZuckerberg曰く、「グラフ検索」は「まだまだ初期段階にあるベータ版」であるとのこと。「とりあえずは友達、写真、場所、興味関心などに基づいた検索ができるようにするのが最初の段階になります」と述べている。

開発チームのTom Stockyによると、「グラフ検索」は非常にパーソナライズされたエクスペリエンスをもたらすものだとのこと。すなわち「スター・ウォーズとハリーポッターが好きな友達」ということで検索すれば、人によって戻ってくる答えはことなる。「同じ友達を持つ人が検索しても異なる結果が帰ってくる可能性があります。なぜなら友達との関わり方が、それぞれによって異なっているからです」とのことだ。

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Stocky曰くは「デート」目的にも利用できる。たとえば「独身男性のリスト」というような検索を行えば、友達の友達までの範囲で独身男性をリストアップするようなこともできる。さらには「サンフランシスコ在住」や「インド出身」というような絞り込みを行うこともできる。

「グラフ検索」はリクルーティングにも利用できる。たとえばFacebookでリクルーティングを行う際に、友達の中からNASAの研究所に務めている人を探すということもできる。また誰か候補者を見つけた場合、Facebook内にその人物の知り合いがいるかどうかということも簡単に検索できる。

「グラフ検索」では写真の検索も便利になる。エンゲージメントの具合によって出てくる検索結果が異なることになる。したがってお気に入り数やコメントが多いものがトップに表示されることになる。検索条件としては「友達の撮影した国立公園の写真」といったものが指定可能だ。Lars Rasmussenがこの条件で検索したところ、ヨセミテ、マチュピチュなどの美しい写真が表示された。

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これまで「お気に入り」に登録した写真や、「ドイツ、1989年のベルリンの写真」という検索もできる。もちろんベルリンの壁が崩される際の写真が表示されることになる。

「グラフ検索」は、Facebookに登録されているコンテンツをさまざまな面から活用して検索できるようにしたものだということができる。これまでに蓄積した「いいね」の情報などもすべてこの「グラフ検索」で活かされることとなる。各人の好みに応じた情報活用ができるようにして、さらにFacebookから離れがたくしようとする戦略だ。

これまでは、友達の好みなどを知るためには、それぞれ友達のプロフィール情報などを見に行く必要があった。

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しかし「グラフ検索」が使えるようになれば「友達が好きな映画」という検索が簡単に行えるようになる。また「こちらの映画も気に入っているようです」などというサジェッションも表示されるようになる。「ダークナイト ライジング」の名前が出てくれば他のバットマンシリーズも表示される。

サジェッション機能と言えばAmazonを思い起こす人が多いだろう。但しFacebookの場合は(少なくとも現在のところは)余計なものを購入させるためではなく、純粋に楽しみのために情報を表示するというスタンスだ。

何か面白そうなテレビがないかと思えば、ビデオクリップを見てみるのが便利でしょう、とStockyは言う。友達が最近見たものを検索すると、いろいろなドラマのビデオクリップが表示された。いちから探すのではなく、友達が気に入っているものの中から探してみた方が、面白いものが簡単に見つかることもあるかもしれませんとStockyは言っていた。

また、位置情報についても「グラフ検索」は対応している。これまでに友達がいったことのある場所を近くから、ないしは世界中からリストアップしてくれる。この機能には、最近さまざまに検索機能の強化を行なっているFoursquareも興味津々に違いなかろう。

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もちろん、プライバシーの問題はある。そこでこの「グラフ検索」は、メニューバーに最近実装された「プライバシーショートカット」から制御できるようになっている。検索対象とする写真を指定して、それ以外は検索にひっかからないようにすることができるようになっている。

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尚、ZuckerbergはMicrosoft Bingとの連携強化もアナウンスした。これによりFacebookはある意味でGoogleの競合としての役割も担い始めることになるわけだ。Bingにとってもいろいろとプラスになる話だろう。

またZuckerbergによると、この「グラフ検索」は「limited beta」であるとのこと。

限定的に利用者を広げていく考えです。最初はかなり限定的にしておきたいと考えています。しかし利用者からのフィードバックは必要なもので、数週間から数ヵ月のうちに、利用者を徐々に増やして行きたいと考えています。

尚、「グラフ検索」機能を広める前に、プライバシーの観点から共有設定を見なおして頂くように注意喚起を行いたいと考えています。「グラフ検索」でどういった写真や情報が検索対象となるのかを示すツールを作成しました。こうしたツールを使って一括して整理を行なって頂くことが可能になります。

TechCrunchのJosh Constineは、この「グラフ検索」と広告をどのように連動させていくつもりかをZuckerbergに質問した。Zuckerbergは次のように回答している。

結局はビジネスに役立つことになると思います。しかし今のところは面白いエクスペリエンスを提供することに注力して行きたいと考えています。

FacebookにGoogleと連携しようとする意図はなかったのかという質問も飛んだ。会場には笑いも広がったが、Zuckerbergは「結構本気で考えたんですよと回答していた。結局Bingと連携してGoogleとは競っていくことになるわけだ。但し、Facebookの中にウェブ検索の機能を取り込もうというプランは今のところまだないようだ。

「グラフ検索」がどのようなインパクトをもたらすのかは興味深いところだ。Facebookとしては「user experience lab」にて少数者を対象にテストを行なってきて、まずまずの手応えを感じているらしい。現在のところ、モバイル版はまだ開発されていない。Zuckerberg曰く、将来的にはモバイル版も登場します、とのこと。またInstagramに登録された写真の検索についても「To-Doリストに入っています」とのことだった。

開発中プロダクトのアナウンスということであり、このアナウンスによる株価の変動は今のところ見られない。本稿執筆時の株価は30ドル67セントということになっている。

(本稿はDrew Olanoff、Josh Constine、Colleen Taylor、Ingrid Lundenによる共同執筆)

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(翻訳:Maeda, H)