グラフ検索はFacebookの金鉱になるかもしれない

次の記事

Facebook、Graph Searchの対象とならない検索については、サイト内でBingの結果を表示

発見のあるところ、スポンサー付き発見あり。Facebookの新グラフ検索エンジンにまだ広告はないが、いずれFacebookは、広告主から料金をとり通常検索結果の前に彼らのリンクを表示することができる。Googleと同じように。CEO Mark Zuckerbergは、「人々の欲しがっているものを作れば良いビジネスを作れる」ことを強調したが、Facebookの検索タイプアヘッド広告は「これと実に相性がよい」とも言った。

ローンチイベントのQ&Aで、Facebookはグラフ検索の収益化チャンスについてどう考えているかと質問したところ、Zuckerbergは、ユーザー体験の質が第一だと語った。しかし、「時間と共にビシネスになる可能性を持っている」ことを認めた。

具体的にどうやって?

スポンサー付き検索結果

これまでFacebookの検索広告への入口は限られていた。今あるのは、検索タイプアヘッド広告で、例えばソーシャルゲームの “FarmVIlle” を検索した時、Zyngaのライバルは自社の農業ゲームがFarmVilleの自然検索結果より上に表示されるようにできる。みんながFacebookでもっと検索するようになれば広告を見せる機会も増える。しかし重要なのは、Zuckerbergがこのシステムを拡張してグラフ検索結果と繋げるかもしれないと言ったことだ。

Facebook Sponsored Graph Search Mockup Done

ユーザーがグラフ検索を使った時、結果をどの順番に並べるかはFacebookが決める。例えば、サンフランシスコのレストランを検索すると、私の友達が「いいね!」を付けた店が先頭に並ぶ。しかし、どこかのレストランが料金を払い自分の店を最初に表示させたいと思うかもしれない。誰かがレストランを探しているとき、それはどこかで食事をするためにお金を使いたい、という購入意思の表れだからだ。もしレストランが1ドルか2ドル払って客を呼び、30ドル使わせることができれば、大きな投資効果となりFacebookには新しい収益源が生まれる。

広告を表示する機会は店の検索に留まらない。例えば、あなたが「国立公園で撮った写真」を検索したとする。もしNikeが、ヨセミテ国立公園でランニングシューズのために撮った写真を持っていれば、検索結果の奥深いどこかにその写真が現れるかもしれない。しかし、スポンサー表示料を払っていれば、その写真はトップに表示され、Nikeのトレイル・ランニングシューズを買いたいと、あなたに思わせることができるかもしれない。

検索クエリと必ずしも一致しなくても関係のある広告を表示することができる。例えば、「サンフランシコのバー」を検索したら、Facebookは飲んだ後安全に帰宅できるためにUberの広告を表示するかもしれない。あるいは、「国立公園で撮った写真」の検索には、スポーツ用品会社のREIや旅行ウェブサイトのKayakが、料金を払ってアピールしたいかもしれない。国立公園に出かけるために、用具を買ったりフライトを予約するかもしれないからだ。

Facebook内のBing広告を増やす

Facebookは2008年からBingと提携していて、Facebookの内部検索エンジンにウェブ検索結果の提供を受けている。BingはそこでもBing.comと同じスポンサー付検索結果を表示しており、今日私が確認したところFacebookはそこから収益分配を得ている。

この収益は増加する可能性がある。検索対象がグラフ検索よりウェブ検索に向いている時、グラフ検索はクエリをBingに手渡す。その検索結果には山ほどの広告がついてくる。Bingは通常検索の上と横の両方に広告を表示している。

要するに、グラフ検索を導入することによって、Facebook内のBingトラフィックは増え、そこでの広告インプレッションが増え、MicrosoftとFacebookが分けあうパイが大きくなる。

Bing Ads On Facebook

リクルートおよび出会い

広告以外にもFacebookがグラフ検索で稼ぐ方法はある。人物検索の使い方の一例としてFacebookが挙げたのは、会社の求人のための人探しだ。Facebookのある担当者が、グラフ検索を使い「NASAで働いていて友達にFacebook社員がいる人」を探すところをデモしていた。いずれFacebookは、この機能を一番生かしたいリクルーター向けに、専用検索ツールを提供できるかもしれない。LinkedInは“Recruiter”というツールを販売している。

Facebookは、人々の狐独感を儲けの対象にできるかもしれない。グラフ検索の人物フィルターを使うと、「サンフランシスコに住むスターウォーズの好きな独身女性」を探すことができる。グラフ検索は、このように自分の特徴を公開している人々を浮上させることができるので、友達でもない、友達の友達ですらない人たちが表示されるかもしれない。ではどうやってその相手と連絡を取るのか?

その相手に通常のFacebookメッセージを送ると、「その他」メッセージボックスに入って日の目をみないかもしれない。Facbook受信箱の横にある殆ど知られていないタブのことだ。しかし先月Facebookは、何ドルか払って繋がっていない人たちに送ったメッセージを受信箱のトップに表示する、有料メッセージ機能の試行を開始した。Facebookは有料メッセージを使って出会いの機会を作るよう薦めることもできる。

グラフ検索はユーザーの懐に近づく

話を戻すと、グラフ検索による収益化の鍵は購入意思である。これまで広告主が対象をターゲットする際に使えるものは、主として経歴や、国立公園、似たようなレストラン、靴のメーカー、「旅行」などに「いいね!」を付けているという関心データに限られていた。しかし、何かに「いいね!」を付けることは、今すぐそれに関連するものを買おうとしているという意味ではない。ニュースフィードのスポンサー記事やサイドバー広告は、需要喚起の役目しか果たさない。〈いつか〉人々に何かを買いたいと思わせるだけだ。こうした広告の投資効果が現れるのは何時間、何日、あるいは何週間も後なので、きっかけを作ったFacebook広告と実際の購入とを関連付けるのは困難だ。

Facebook Graph ads Middle 3 Done

グラフ検索広告は違う。Facebookは広告主の需要充足への関心につけ入ることができる。何かを買おうとしている人々に、〈そこで〉買わせることだ。Googleの検索広告ビジネスの舞台もそこであり、広告主が高い料金を払うのは投資の見返りが明らかだからだ。ユーザーは需要充足広告をクリックし、購入を完了する。

Zuckerbergは、グラフ検索のゴールは利用者にリンクではなく答を知らせることであると言った。いずれブランドは、グラフ検索を使って利用者が間違いなく〈自社の〉答を見るようにできるかもしれない。Facebookの次なる課題は、彼らの表示アルゴリズムと広告主との均衡をはかることだ。さもなければグラフ検索は世界を惑わすことになりかねない。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi)