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ミクシィの経営陣が新体制に、昨年買収したkamadoの川崎裕一氏らが執行役員に就任

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昨年末にミクシィがクラシファイドのLivlisやPinterestクローンのClipieを運営するkamadoを買収したときに最初に思ったのは、その狙いには人材の強化があるに違いないということだった。kamadoの代表取締役社長の川崎裕一氏は1976年生まれのいわゆる76世代で、起業前のはてな副社長に就任する以前からインターネットのビジネスに関わる若い世代の代表者のひとりとしてこの業界で活躍していたことでも知られている。2000年前後に同世代で同じような場所にいたミクシィの笠原健治氏らとは近しい存在で、そういう意味では今回のミクシィへの参加は、なんとなく元の鞘に収まった感じもある。

そしてやはりというべきか、今日、同社は川崎氏が執行役員に就任したことを発表している。今回はそれ以外に新たに2人の執行役員が就任し、経営体制を強化していることがわかる。

サービスとしてのmixiは確かにTechCrunch Japan読者のようなエッジな人間からすれば、すでに過去のものになっているかもしれない。それは僕にとってもそうで、mixiでメッセージをやりとりすることもなければ、ログインしてもタイムラインにはTwitterのような外部サービスと連携した投稿が並ぶだけで、僕のつながりのある人たちの多くはログインしていない状態となっている。

しかし、それは僕らのようなユーザーにとってみればの話で、実際には昨年9月の数字でも月間アクティブユーザーは1,402万人でそのうちスマートフォンでログインした863万人もいる。これは国内の数あるインターネットサービスの中でも極めて大きな数字である。ユーザー属性を見れば、20歳前後のユーザーが多いし、どちらかと言えば女性が多いことからも、たまたまそういうユーザーに僕らが接点がないだけで、mixiの持つサービスとしてのポテンシャルはまだまだ大きい。

とはいえ、コミュニケーションの部分についてはLINEにそのお株を奪われ、情報のシェアという部分ではFacebookはmixiを超える大きな存在となっているし、Twitterも健在だ。これ以外にも機能やコミュニティ別に細分化されたソーシャルメディアはたくさん登場してきていて、mixiが安泰でないことは誰の目にも明らかだ。

だから、経営チームを刷新して強化していくことはミクシィにとって急務なことなのだろう。すでにユーザーファーストを掲げ、サービスを改善してユーザーの満足度をあげようとしていることは昨年から実施されていたが、新たな執行役の体制でその責任を明確化しようとしている。

新任の執行役員となった廣木大地氏は2008年に新卒で入社して開発エンジニアとしてmixiを支えてきたが、今回新たにmixi全体のサービスを統轄するユーザーサービス本部長に就任している。また、同じく執行役員に就任した森田仁基氏はゲーム事業部長を務めている。最近ではmixiの稼ぎ頭は広告からゲームによる課金ビジネスへとシフトしていて、昨年にはDeNAとのゲーム事業による事業提携も結んでいて、ゲームそのものはmixiにとって大きな意味を持つ。これに広告部門が加わって、mixi自体の事業を支えるわけだが、これら3つの機能を連携させながら新たなビジネスを生み出すのが川崎氏の役割だ。

だが、mixiを再度、誰にとっても有用なサービスに変えていくのは簡単な仕事ではないだろう。状況は楽観的とは思えないが、川崎氏は今回のミクシィへの参加や執行役員への就任について「テンションがあがっている」のだという。というのも、LIvlisの立ち上げ時のヒントはmixiのコミュニティー内での売ります・あげますのようなユーザー間の物品のやり取りにあったからだ。mixiではユーザー間のモノのやり取りや金銭のやり取りは禁止されているが、そういうニーズをオフィシャルに汲み取ったがのLivlisだったわけで、そういうポテンシャルはまだmixi内には残っている。サービスとしてやりきれていないことをmixiで実際に実現するのは川崎氏にとっては願ったりかなったりと考えているようだ。

LivlisやClipieについても今後も継続してサービスは続けていくということで、単体以上の付加価値を提供するためにmixiとの連携もこの先にあるかもしれないということだった。

ただ、これだけではmixiの将来を見通せない。では、mixiの今後の姿はどういうものになるなのだろうか。サービスを統轄する廣木氏が語るには、人だけでないモノも含めたつながりで、それがアプデートされ続けるものに取り組んでいくという。それがどんな仕組みでどんなものになるのかは明解にはわからなかったが彼らにはある種の使命感のようなものはあるようだ。

「人間関係を取り扱っている企業として、それを実現できていることに対して僕らは誇りをもっています。これはなくなってはいけないサステナブルな仕組みでないと、社会的な責任を果たせないと考えています。そういう意味で10年たっても20年たっても100年たっても使われていくものでなければならないという思いがあります」(廣木氏)

ミクシィは昨年9月スタートさせたサブスクリプションコマースのPetite jeteやコナミとの共同事業のmixiパークを今年に入って終了させたり、コニットやネイキッドテクノロジーなどの買収した企業をサイブリッジに売却するなど、チャレンジとその終了を繰り返していて、内部的にももがいているように見えるが、今回の新体制によって廣木氏が言うサステナブルな事業モデルを作れるか、期待をしながら注視していきたい。