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Appleの小売戦略:「作れば、人はやってくる(そして消費する)」を実証

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Appleはユニークな会社だ。個々の事業を解体して全体から切り離したとしても、数多くの領域で大いに成功していると考えることができる。ハードウェア会社として、成功している。ソフトウェサービスのプロバイダーとして、成功している。小売店チェーンとして、成功している。そしてAppleの物理的小売店の順調な成長ぶりを見ると、この会社にとって、どの製品よりも、今後数年間で最大のイノベーションを起こす場になるかもしれない。

火曜日(米国時間2/12)、Goldman Sachsの投資家向けカンファレンスの講演で、CookはAppleの小売計画の詳細に立入り、Appleストアの成長と成功、および2013年の拡張と展開戦略変更の計画について話した。AsymcoのHorace Dediuが、公表された数字をビジュアル化して、店舗数、来客数、海外展開などの重要データのグラフ等を昨日ブログに掲載した。

Dediuが注目した中で特に重要な指標は、店舗来客数と店舗数を対比したグラフに示されてる。当初は店舗拡大が早く平均来店数は少なかったが、過去2年間で来店数は急増し、全店舗平均で約100万人の来客を記録している。Appleの今年の戦略の中には、新店舗開業以外に既存店舗を閉鎖して大型店で置き換える計画もあるので、もし今の傾向が続けば、店舗・来店者数比はさらに高くなるだろう。

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Appleが小売事業に投じた資金に関しては、私が先に言ったタイプのイノベーションがさらに増えていく傾向が見てとれる。Asymcoの「施設、工場、設備」への投資のグラフを見ると、「機械、設備、および内部利用ソフトウェア」(オレンジ)の出費が最近急増しているのに対して、土地、建物(青)、施設改善(緑)の伸びは落ち着いている。

2009年末にこのカーブがさらに急な上昇を始めて以来、Appleは独自のiPod Touchベースのレジ・在庫管理システムを導入し(以前はWindows CEベース)、iPadベースの情報コンソールへと移行し、チェックアウトの重きを減らしてジーニアスバーやワンツーワンの顧客対応を強調するよう店舗の構造を変え、顧客向けのEasyPayによるセルフサービスショッピングを立ち上げ、店頭受け取りを導入するなど、およそ世界中が考えているリアル店舗のやり方全般を変えてきた。大げさな話ではない。

もう一つ、このところApple小売部門のリーダーシップに問題が起きていることも思い出してほしい。Appleの小売事業担当SVP、Ron Johnsonは同社小売部門を立上げ成功に導いた実績を認められていたが、2011年6月に会社を去った。半年にわたる後任探しは、2012年1月にDixonsのCEO John Browettを雇うという議論を呼ぶ結果となった。Browettは1年ももさず2012年10月に解任された。Appleは未だにBrowettの後任を探している。

Appleは商売を見えにくくしつつ、売上を伸ばしている。

小売部門に明確なトップのいないことが、小売事業に不安をもたらすかと思われたが、組織のこうした変動にも関わらず、2012年はAppleの小売事業にとって最大の年だった。CEO Tim Cookは、中でも小売店はiPadの2010年発売以来の圧倒的成功に寄与していると語った。

Cookは、「小売」という分類はAppleが店舗で実現しようとしていることを十分に説明しておらず、今後益々その度合いは高まっていくだろうと言った。この会社は、iOSからファイルシステムなどの要素を隠し、あるいは消費者向けデバイスから拡張性やモジュール性をなくす代りにスムーズでユーザーに優しい外観を優先させたのと同じように、店舗での体験からできる限り商業的要素をなくそうとしている。それでも、その報酬は顧客の消費増加となって返ってきている。

イノベーションは、革新的スマートフォンや画期的PCデザインで測ることもできるが、長年を経た慣習を変える継続的な努力による総合的効果で測ることもできる。Appleの小売への取り組みは後者のタイプであり、同社の投資傾向から見るに、今後もまだまだ続きそうだ。

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(翻訳:Nob Takahashi)