ABCのアカデミー賞オンライン公開のやり方は、未来の「イベント番組」中継の先例になるかもしれない

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昨夜のアカデミー賞テレビ中継に関するオンラインでの評判を聞いた人は、授賞式が失敗だったという印象を受けたかもしれない。たしかに、そのコメディー調な部分や時には露骨な不快感を与えたことに関して気まずい雰囲気はあった。しかし広告に関しては、何ら恥ずべきことはなかった。ABCは170~180万ドルの30秒スポットCM枠を売り尽した。過去5年間の最高値だ。同局はオスカーに関連した宣伝費を最大限にすべく、放映直後に授賞式をネット公開した。

東海岸時間午前6時、オスカーはABC.com、iOS版ABCプレーヤー、Hulu、購読方式のHulu Plus、およびABCのVODサービスであるABC On Demandで閲覧可能になった。

これは、オスカー中継の全編がネット公開されたのが初めてだっただけでなく、あらゆる主要テレビ授賞式を通じても初めての試みだった。つまり、式の〈コンテンツ〉そのものをどう感じたにせよ、われわれは、将来この種の大型テレビイベントでテレビ、ストリーミング、およびオンデマンドサービスがどう協調できるかの先例となる瞬間を目撃したことになる。

オスカーのストリームは、月曜日に始まり2月27日水曜日の東時間深夜まで公開され、15秒および30秒のCMスポットが入る。スポンサーの一部はテレビ中継にも大枚をはたいた会社だ。ストリーミングの広告主は、Blue Diamond、Diet Coke、Hyundai、JC Penny、Samsung、およびThe University of Phoenix。Samsungは特に大型のスポンサーで、CMブレークの殆どにあのゾンビ・ユニコーンCMを送り込んでいた(こちらでご覧あれ)。

翌日のネット公開は授賞式番組として画期的だったが、ABCはオスカーをライブネット中継しないことを選択した ― 誰がどの賞を取ったのかをすぐ知るのが目的のこういう番組は、ライブの方が似合ってはいるのだが。それでも同局は、放映中にもビデオハイライトをリアルタイムで公開し、オンライン視聴者をある程度引きつけようとしていた。

オンラインに移りゆく視聴者を、テレビCM収入を損うことなくどのように扱うべきかを探っている各テレビ局にとって、今は転換期だ。ABCの翌日公開という決断は、CBSがスーパーボウルで2度目のライブストリーミングを行ったのに続くものだ。現在テレビ視聴者の数はオンライン視聴者を圧倒しているため(2011年スーパーボウルの場合、NBCのオンライン中継を見たのが200万人だったのに対してテレビ中継は1億人)、利益に本格的影響を与える前にテレヒ局が実験する時間は残されている。

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(翻訳:Nob Takahashi)