ユーザーが達成感に浸る瞬間に広告を表示するKiipが日本展開を本格的に開始

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kiip logo新しいモバイル広告プラットフォームを構築しているKiipが本日、日本国内でO2O施策を開始することを発表した。Kiipは2010年に当時19歳のBrian Wong氏が創業したスタートアップで、スマートフォン向けに興味深い形で広告を配信している。

Kiipの広告配信システムについては本誌でも何度か取り上げているが、ゲームでステージをクリアしたりレベルが上がるといった何かを達成した瞬間に広告を表示するサービスだ。この瞬間をBrian Wong氏はハッピーモーメントと呼んでいるのだが、ユーザーが達成感に浸っている時に広告を表示してエンゲージメントを高めることを狙っているようだ。

また、Kiipの特徴は単なる宣伝の広告ではなく、ユーザーのメリットが大きい商品などのクーポンが中心になっている。例えば、一番わかりやすい例だとランニングを管理するアプリで、10kmを完走した瞬間に水のクーポンが出る。といったように、実際に使えるものが多い。

このスタートアップが日本でO2O施策を展開する。大手コンビニチェーンのローソンと組み、アチーブメント広告にフライドフーズの「Lチキ」の無料クーポンを採用する。ローソンといえば、LINEでもいち早くアカウントを開設しスタンプで自社のキャラクターを流行らせるなど、新しい施策には積極的に取り組んでいる印象が強い。

ローソンがなぜKiipを活用するのか、それはこの広告システムの高いCTRが魅力的だからだろう。Kiipと提携しているCGMマーケティングの杉崎健史氏によると、日本では第一事例として共通ポイントのPonta(ポンタ)がKiipを利用したそうだが、この時のCTRはなんと12%にもなったという。

普通のバナー広告のCTRが0.12パーセントほどだというので、約100倍の数字だ。この数字は何かを達成した瞬間に表示される広告のポップアップをタップした割合で、そこからクーポンをもらうためにメールアドレスを入力したユーザーはそのうちの2%、最終的にクーポンを使ったユーザーは5%となっている。

共通ポイントのPontaの広告でコンバージョンがこれだけ高いので、コンビニで簡単にチキンをもらえるとなると、ローソンの広告はもっと高い数字が見込めるかもしれない。

Kiipの広告はアプリ提供者側にとって、他の広告システムよりもユーザーの邪魔にならないし、収益も高い。だが、懸念事項として広告が表示され、メールアドレスを入力し、クーポンをもらうためにメールボックスを見るという行動によりゲームプレイを中断させることになる。とくにステージクリアをした瞬間というのはキリが良いので、離脱率が高くなってしまうかもしれないと考える方も居るだろう。

でも心配はいらないようだ。Kiipを利用してゲーム達成時の広告を導入したアプリは現在約700存在するが、これらのうち68パーセントのアプリが利用時間を伸ばし、31パーセントがより頻繁にアプリを起動され、30パーセントが利用日数の拡大に成功したという。

アプリそのものに飽きてしまっても、そのアプリで遊べば何かクーポンがもらえるかもしれないという気持ちが芽生えるのかもしれない。

Kiipではユーザーが逃げてしまわないように、広告はすぐ消せたり、アドレス入力のシーンでは広告をクリッカブルにしないなど、細かい配慮もしているそうだ。

今後の展開としてはローソンとの施策をはじめ、ドラッグストアや他のコンビニでもO2O施策を開始する予定だ。

現状では広告主の数が少ないため、ゲームと広告に関連性が無いものが多い点が気になるが規模が大きくなるにつれて改善されるのだろう。

なお、Kiipはデジタルガレージなどから資金を調達しており、日本国内ではデジタルガレージの子会社であるCGMマーケティングとともに展開していく。