ビットコインは近代国家を崩壊させるか

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Bloombergの論説者でプリンストン大学の学生、Evan Soltasが、Bitcoinについて「近代自由主義国家の脅威」と書いている。この一文には二通りの読み方がある。彼の論説記事の一つの解釈は、われわれが皆危険な状態にあり、課税や追跡が不可能なbitcoinが闇市場を栄えさせ財務調整を弱体化させた結果、社会は崩壊するというもの。もう一つSoltasの偏向を踏まえると、彼はタイトルにある「近代」よりも「自由」の部分に強く焦点を当てているのではないかと私は想像している。つまり、近代国家は、富裕層に不公平な課税ができなくなり、そのため国民の福祉に浪費する余裕がなくなり、特定種の人々のための財政の涅槃になるというもの。いずれにせよ、現在の経済レーダーの見方としてはおそまつと言わざるを得ない。

金銭を匿名で移動する手段は遠い昔からあった。中東に伝わるハワラのようなネットワークを使うことによって、何世紀も前から比較的スムーズに富の移動が行われてきた。富を貴金属や宝石、宝飾品に圧縮する方法もある。国境間で悪事が栄えることを許した一種の金銭ZIPファイルだ。

いずれの方法も、資金洗浄や戦争支援、戦争犠牲者の援助などに使われており、Soltasは「近代自由国家への脅威」を生み出していると指摘する。FBIも、「bitcoinの作成、運用、配布の方法は、不法な資金移動の疑いが著しく高いい」と言っている。同じことは、20万ドルの腕時計をつけて国境を越えそこで転売する者についても言える。

Bitcoinには、仮想通貨を現実世界で使える何らかの形に変換する方法が必要だ。bitcoinでポルシェを買うこともできるが、今度かき氷を買いに行く店が対応しているほど普及するとは私には思えない。

その一方でBitcoinは経済活動における新しい役割を担っている。現実的に、ウォレットサービスや自分のパソコン何百万ドルものbitcoinを預けるのはリスクが高すぎる。移動はスムーズにできるかもしれないが、引き出すのは大変だ。あちこちの政府機関がプログラムによってbitcoinのの入出金や変換を追跡できるようになるとは思わないが、ある日あなたが100ドル持っていて、翌日には2万ドルになっていたら、勇敢な監査員なら危険信号を出すことができるだろう。

近代銀行システム崩壊に関するこの議論は、3Dプリンターによる銃製造と似ている。興味深い話であることは別として、昔流のやり方の方がまだずっと簡単で安上がりだ。もしBitcoinが真にスムーズになり比較的安定してきた時には、多少なりとも心配する原因になることが想像できる。実際これは、何世紀にもわたって行われていることをするためのクールな方法の一つであり、注目すべき対象であることは間違いない。

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(翻訳:Nob Takahashi)