Bitcoinのラストマイル問題

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Joey DeVillaは、(今も)大好きなブロガーの一人だ。この10年間ほぼ常に興味深い記事を書いており、最近はbitcoinの波に乗り、私の採鉱ガイドにも似た長文の採鉱ハウツー記事を載せた。彼はかなり気合いが入っているが、HPの古い一体型パソコンに採鉱作業をさせたのは明らかなリソースの無駄であり、時間とエネルギーとコンピューターの消耗だった。

あらゆる努力の結果、Joeyが得たのは3.4~4.4セントだった。彼はそこそこトラフィックのあるそのサイトで1日6000ページビューを稼ぎ広告収入が約40ドルあることも書いている。彼はあの記事を書くことで ― 労力はずっと多かっただろうが ― Bitcoinの採掘よりも稼いだことになる。

Bitcoinはインターネット長者の完璧な象徴だ。一見無料(ただしそうではない)で簡単に始められ(ただし維持が困難)、そして最終的には、どこかのひょうきん者がJoeyの記事にコメントしたように、「インターネットでは儲け方を人に教える方が実際に儲けるよりずっと儲かる」の典型例だ。

ではこの通貨はどうなっていくのか。両替商Bitfloorの最近の閉鎖や、ここ数週間における市場の荒れ模様は、Bitcoinの世界にやや影を落としている。度重なるDDOSや、フィッシングの企てによって利用は益々困難でさらに危険になり、平均的パソコン利用者はBitcoinが何かすら殆ど知ることがなく、ちょっとしたポケットマネーと強力なGPUを持つハッカーたちの指定席となっている。

そうなると果たして「現実世界」はBitcoinによる資金移動を気にかけるべきかが問題である。私は、気にかけるべきだと考えるが、理由は多くの人々の提案とは異なる。匿名性は平均的パソコン利用者にとってさほど重要ではないが、もう少しセキュリティーを強化することはできる。PayPalのような既存送金システムは山ほど問題を抱えているが、その大部分は熱心すぎる顧客保護代理人に端を発している。

世界はBitcoinの存在を必要としている。たとえ殆どの人間がそれを使わなくても。この通貨の目標は、旧来の資金移動方法との関係を断ち、人から人へと価値を移動する能力に関する真の自由を人々に与えることだ。田舎の村に住む貧しいおばあさんは、郵便局に行く手間や料金なしに孫から簡単に送金を受けられる。忙しい人々は水銀の如く流動的な口座に資金を預け、いつどこででも手数料いらずで取引きができる。亡命者は金を持ち運ふ代わりにbitcoinを持っていればよい。夢の可能性は、ある意味で、無限だ。

しかし、そこにはラストマイル問題が控えている。マーケティングの小道具としてこの通貨を受け取るいくつかの店以外に、Bitcoinで買い物できる場所はどこにあるのだろうか。Bitcoin ATMはどこ? 空港の両替カウンターはBitcoinを受け取るのか。これらの問題すべてが ― そしてこれらは世界市場において「価値のない」通貨が受け入れられるかどうかに関する本質的問題である ― Bitcoinの一般への普及を妨げている。

Bitcoinの価値は市場がどう言っているかだけで決まり、規制もなく空売りが不可能なため、Bitcoinで資金を保有する危険性は著しく大きい。Bitcoin市場は世界で「最も純粋な」市場ある一方、最も無秩序な市場の一つでもある。 伝統的な株式市場や通貨市場を再現するシステムは作られつつあるが、瞬間的で匿名の資金移動は、リスクテーカー以外の人々に信用を植えつけることができない。

私にはBitcoinの価値がなくなる日を想像できる。その日は早く来るかもしれない。あるいは、否定論者たちの言うことは誤りで、Bitcoinは世界中で通用するようになるかもしれない。いくつかの意味で私は後者が正しいことを望んでいるが、私の中の悲観論者は前者だろうと言う。ともあれ、この新千年紀通貨がスタートを切るところを見るのは大いなる楽しみである。

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(翻訳:Nob Takahashi)