Microsoft、Windows RTのライセンスを値下げか? ―妥協だらけのプラットフォームを救うのは何をしても難しい

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今朝(米国時間6/3)のBloombergの記事によれば、MicrosoftはWindows RTのライセンス価格を値下げするという。MicrosoftはRTの低調なセールスにテコ入れするのに懸命なようだ。

Windows RTはiPadに対するMicrosoftの回答という触れ込みで登場した。MicrosoftはWindows 8デスクトップ版OSから多くの機能を低消費電力のデバイスに移植し、iPadよりはるかに安定性の高いシステムを構築することを狙った。しかしその過程でMicrosofはOSの別バージョンを作ってしまい、デベロッパーはIntelベースのWindowsとARMベースのWindowsRT(Windows Phone 8、Xboxも同様)という2つのOSに対処しなければならないことになった。

Windows RTがリリースされてから8ヶ月たつが、メインストリームのWindows RTデバイスはほとんど存在しない。他方、Windows 8搭載デバイスは急速にWindows RTと同じ価格帯まで値下がりしてきた。

MicrosoftはiPadないしAndroidタブレットではなくてWindow RTを買うべき説得力のある理由をユーザーに与えることに失敗したといえる。Windows RTで喜んだのはもっぱらMicrosoft Officeを使う旅回りのセールスマンぐらいなものだろう。

値下げは多少の効果があるだろう。

Androidタブレットも初期の頃、価格設定で悩んだことがある。当時Androidタブレットは高価すぎたために存在意義が疑われていた(HTC Jetstreamなど)。そこに250ドルのB&N Nook Color、Amazon Kindle Fire、そしてNexus 7が登場した。200ドル台の低価格のおかげで、Androidタブレットは突如存在意義を復活させることができた。さらにSamsung他のメーカーが続いて、大型タブレットの価格も低下し、Androidタブレットは意味のある市場シェアを獲得した。

しかしWindows RTの場合、たとえ200ドルにまで値下げしても復活できるかどうか疑わしい。

主要メーカーは続々とWindows RTのサポートを打ち切っている。HPは最初期にRTのサポートを中止した。Samsungもすぐそれに続いた。HTCも最近RTタブレットの開発を中止した。

現行製品ではDell XPS 10、Surface RT、Asus VivoTab RTがWindows RTのロゴを表示している製品だ。BloombergによればDellはRTの新製品を開発中だという。しかしLenovoもRT搭載のIdeaPad Yoga 11の製造を早々に中止している。これら以外は問題とするに足りないような製品しかない。

Acerは最近ComputexでIconia W3を発表した。この8インチWindowsタブレットは今月中に379ユーロで発売開始されるようだ。このデバイスは720pディスプレイ、デュアルコアAtom Z2760 CPU、32または64GBのメモリ、microSD expansionスロットを備えている。しかしこのタブレットはWindows RTではなくWindows 8を搭載している。Acerの会長はWSJのインビューに対して、「Windows RTが今後大きな影響力を持つことはないだろう。フル機能のWindows 8が持っているソフトウェアの互換性を欠いているという大きな欠点をWindows RTが克服するのは難しい」と述べた。

Windows RTはそもそもの構想からして間違いだった。「バッテリーの長持ちか、それとも使い勝手か」という選択を消費者に強いたのは愚かだった。もちろん消費者は両方が備わっていることを望む―iPadがその例だ。

Microsoftは値下げの後、販売奨励金さえ出すことなるかもしれない。しかし消費者は、というよりもっと直接にメーカーが、はっきりと態度を表明している。消費者もメーカーもWindows RTが金を出すに値するプロダクトとは見ていない。当初から指摘されていたとおり、Surface RTはあまりにも妥協が多すぎるプラットフォームだった。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+