Microsoft、iOS版Outlookアプリを公開するも誰も使いそうにない

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OutlookがiPhoneとiPadで使えるようになった。ある意味で。Outlookのフル機能を期待しないこと。これはMicorosoft OfficeのOutlookアプリ〈ではない〉。メール、カレンダー、連絡先の簡易版アプリで、Windows 8に入っているものとほぼ同じだ。今すぐiOSデバイス用に無料でダウンロードできる。しかし、いつものMicrosoftらしく、話はそう簡単ではない。

Outlook Web Appという紛わしい名前のアプリを使うには、Microsoftのクラウドベースの生産性スイーツであるOffice 365の定期購読が必要だ。これはiOS版Officeを使うために必要なものと同じで、年間100ドルが必要だ。どうやらMicrosoftは自社アプリを誰にも使わせたくないようだ。なぜなら、もしこのアプリが無料だと、MS Surface RTの主たるセールスポイントがなくなってしまうからだ。

これは残念な話だ。このOutlookアプリはWindows 8のフラットスタイルをiOSに持ち込む上質のアプリだからだ。さらに、プッシュ通知とリモートデータワイプをサポートするネイティブiOSアプリでExchangeをサポートできるようにもなる。

Outlook Web Appは、Oultook.com機能の大半を提供しているようだ。メール、カレンダー、および連絡先が使用できる。音声入力、2カラム表示、Bingマップの統合も。ルック&フィールはWindows 8版アプリとよく似ていて、両プラットフォームのユーザー(私のような)にとっては馴じみやすい。

もちろんこれはOutlookのフルバージョンではない。MicrosoftはiPad、iPhone用にそれを提供することはないだろう。これは単なるメールアプリなので、それ以上のOutlook.comでできることは望まない方がいい。

先月iPhone向けにOfficeが公開された時にも指摘したが、MicrosoftはiOSとのきわどい境界線上を歩いている。一方で自社の中核製品を新しいプラットフォームに持ち込もうとしている。しかし、そのために自身の巣立ったばかりのプラットフォームと共食いさせることはできない。結局、Officeのフルパワーをタブレットで使うためには、Windows 8またはRTのデバイスを買う他はない ― Microsoft Surfaceのような。

Microsoftは大衆を無視して、改宗者たちに向けて説教しているだけだ。年間100ドルのOffice 365購読が必要であることによって、Microsoftのアプリはバイラルに広がり新しいファンを把むチャンスを完全に失っている。今、iPhone用OfficeやiOS用Oultlookを使えるのは、有償Microsoftユーザーだけだ。そしてそれは、iOSユーザーのごく僅かな割合にすぎない。

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(翻訳:Nob Takahashi)