iPhone 5Cはアメリカのためにあらず。これはその他の国々のためのiPhoneだ

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複数の報道が、Appleは9月10日に低価格なプラスチック筐体iPhone 5を発表すると予想している。この4インチiPhoneは、現製品ラインのiPhone 4およびiPhone 4Sを置き換えるためのものだ。同社がこれで、米国の低価格スマートフォン市場で一定のシェアを獲得することは間違いないが、それは副次効果すぎない。新機種は、世界のその他の国々にとって理想的なiPhoneだ。多くの国で、キャリアーは奨励金のない、SIMのみのプランに切り替えつつある。そして、iPhoneは一般の人々にとって高価すぎる。

米国キャリアーは例外であり、標準ではない。AT&T、Verizon、およびSprintは、電話機を持ち込んだからといって安くはしない。以前はカナダでも同じだったが、徐々に変化している。しかしヨーロッパでは、通常の奨励金プランまたはずっと安いSIMのみのプランを選択できる。例えばフランスでは、通話、テキスト、データ無制限(3GB以降は速度制限あり)のブランを月額25ドルで使える。唯一の難点は、電話機を正価で買わなければならないことだ。

同じことは英国にも言え、本誌のNatasha Lomasは現在23ドル(15ポンド)でデータ無制限プランを使っている。そしていつでも好きなときにキャリアーを変更できる。T-Mobileは同じ体験を米国にも持ち込もうとしているが、価格はヨーロッパのキャリアーに遠く及ばない。

16GB iPhone 5に一括で900ドル払いますか?

ヨーロッパ市場の変化は数年前に現れた。安価な奨励金付携帯電話で顧客を誘うのではなく、Freeなど新進気鋭のキャリアーは、高額プランの顧客を奪おうと試み、これに成功した。これらの新プランは、そこそこ安いのではなく、価格は半分から1/3だ。奨励金なしプランは年々人気が増すばかりだ。フランスでは契約者の39%、7480万人がSIMカード契約で、これは小さな市場ではない。

しかし、あなたは16GB iPhone 5に一括で900ドル(679ユーロ)払うだろうか。計算すれば、奨励金付プランよりもずっと安い。しかも、多くの人々は月々の高額な請求書をもう見たくない。唯一の選択肢は、900ドルを受け入れるか、別の電話機を選ぶかだ。メールとFacebookを見て、Instagramで写真を撮るだけのために最新のiPhoneが必要であると自分を説得するのは難しい。殆どの人はガジェットブログを読まない。インターネットを使える携帯電話が欲しいだけだ。

昨今、顧客の多くは、旧型iPhone 4または4Sと、Androidのどれかを選ばなくてはならない。Galaxy S4は665ドル(497ユーロ)で買える。安くはない、しかしそれでもiPhone 5より250ドル以上安い。店頭で3.5インチのiPhone 4Sを見ただけで、AndroidかWindows Phone、あるいはBlackBerry 10を買うべきだと説得されるだろう。

Appleは、奨励金なしプランへのシフトを覚悟することになる

人気のAndroid機と戦えて、iPhone 4Sより画面が大きく、誰もが「新機種」だと認識する低価格iPhoneを発売することは、Appleにとって正しい戦略だ。同社はヨーロッパで市場シェアを再度獲得するとともに、奨励金なしプランへのシフトを覚悟することになる。

しかし、ヨーロッパは物語の一部でしかない。そこは今も北米に続く第二の市場だが、中国はAppleにとって紛れもない第3の市場だ。中国市場ではゴールドiPhone 5Sも売れるかもしれないが、多くの顧客はもっと安い電話機を好むだろう。iPhone 4と4Sが米国より中国でずっと人気なのはそのためだ。現在中国でiPhone 4の価格はAppleストアで500ドルだ。生産コストは未だに高い — Appleは今でもガラスとアルミニウムを使っている — ため、これは利益を圧迫する。プラスチック筐体なら生産コストを下げられる。

iPhone 5Cは、iPhone 5Sより200〜300ドル安くできるかもしれないが、5Cの鍵となる要素はこれが「新しい」機種であることだ。Appleは、新たな市場区分を模索することによって市場シェアゲームを戦おうとしている。iPod mimiやnano、iPad miniの時と同じように。しかし、すべては感覚の問題に帰着する。なぜ私はあれではなく、この携帯電話を買うのか? Appleはこう考えてほしいと思っている:これはiPhoneであり、他の機種と同じ値段で、しかも新しい。

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