1500億ドルの株式買い戻しを迫られたApple, 株主還元を渋る金持ち企業はもう古い?

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2013-10-01_09h57_24

4月にAppleは、株式買い戻し事業の規模を100億ドルから600億ドルに拡大する、と発表した。買い戻しはキャッシュで行われ、この事業が終了する2015年までの総額事業規模は1000億ドルになる。それは、これまで発表されていた株主還元努力の総額が、550億ドル増加したことを意味する。

Appleの予定では、各年約300億ドルをこの拡張事業の間に株主に還元する、その計算の起点は2012年8月とする、というものだ。Appleは今日まで、1年以上にわたって配当を発行してきた。

今年も配当金として年額100億ドル強を還元する。

しかし、これに満足していない投資家もいる。投資家たちのアイドル、ドルおじさんこと、Carl Icahnもその一人だ。20億ドル近くのApple株をため込んでいるIcahnは最近、AppleのCEO Tim Cookとディナーを共にした。その席で彼が持ちかけたのは、1500億ドルの株式買い戻しだ。二人は数週間後に、この問題を話し合う予定だ。

Icahnが求めたのは1500億ドルの株式買い戻しであり、それは株主還元の総額ではない。それはAppleが発表している今現在の株式買い戻し事業の総額よりも900億ドル大きく、またAppleが最近拡張したばかりの総事業規模の150%に相当する、驚異的な額だ。

Appleがそれまで600億ドルと言っていたその同じ期間に、1500億ドルの株式買い戻しをやれたなら、同社の各年の株主還元費用は300億3000万ドルから570億6000万ドルとほぼ倍増する。

コスト

Appleは、それを払えるだろうか。Wall Street Journalの今日の記事 によると、Appleは前四半期を保有キャッシュ1466億ドルで終えている。 その四半期では、Appleの純利益は69億ドル、キャッシュフローは78億ドルだ。78を単純に4倍すると、1年ではわずかに312億ドルだ。

だからIcahnが申し入れた額で買い戻しを行うためには、Appleはそのキャッシュポジションに手をつけなければならない。Appleがその金蔵を軽くすることを、なぜ彼は望むのか?(投資の拡大のためか?)。彼の考えでは、Appleの株は過小評価されているので、大きく買い戻す絶好のチャンスなのだ。

株価がその価値よりも安ければ買う、そして、より効果的なレートで株を市場から取り上げる。

Appleの株価は今488ドルだ。IcahnはCNBCのインタビューで、一株630ドルでもまだ安い、と言っている。彼の見方としては、今もっと多くの株を買わないのは大馬鹿である。

今から(現四半期を入れて)10四半期で、各四半期78億ドルとすると、Appleは780ドルの新たなキャッシュを手にすることになる。それを現在のキャッシュポジション1466億ドルに加えると、2246億ドルになる。Icahn は、そのうちの1900億ドルをAppleに使わせたい。するとAppleのキャッシュポジションは350億ドルになる(ウォッカで汚れたナプキンの裏に誰かが鉛筆で書きそうな額だ)。Appleの保有キャッシュがCroesus(世界最大の金持ち)よりも少ないなんて、おかしな光景だ。

しかもこれは、Appleが株式の市場総額の約1/3を市場から取り去る、という話だ。投資家のポジションにも、大変化が訪れる。

影響

AppleがIcahnの言うとおりにしたら、それは一つの前例を作ることになる。富裕なテクノロジ企業が行う大規模な買い戻しと配当計画ですら、企業の側から見るとリスク要因とみなされる。たとえばMicrosoftも、やはりValueActという活動的な投資家に同様の迫られ方をしている。この投資家はMicrosoftの株の0.8%を握って同社の取締役の地位と、おそらく、これまでよりも大きな株主還元を求めている。Googleには数百億ドルのキャッシュがあり、CiscoもOracleも、そしてFacebookさえも、このまま行けば今のAppleの同類になる。

手短に言えば、テクノロジ企業が大量の余剰キャッシュを抱え、それを攻撃や防御の武器として自由に利用する時代は、終わりつつある。Appleはわずか2年あまりでキャッシュポジションが1466億ドルから35億ドルに下がるかもしれない。それでどんなバランスシートになるか、見ものだ。

企業がキャッシュというクッションを愛することは事実だ。怖いライバルをどんどん買えるだろう。潤沢なキャッシュがないとできないような、長期的な計画にも取り組める。

Icahnの張り方は、でかい。彼の買い戻し計画の総額は、Appleの現在のキャッシュポジションの総額よりも大きい。

しかも彼は、それを実現させるかもしれない。

画像クレジット: Mike Deerkoski

〔余計な訳注: スティーブ・ジョブスは生前、将来の(巨額な)研究開発費を口実に、株主還元リクエストの多くを断ってきた。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))