クラウドソーシングの基盤をオープン化するランサーズの狙い、そして課題

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既報のとおりクラウドソーシングサービス「Lancers」を手がけるランサーズが8月12日に新事業戦略発表会を開催した。この発表会でランサーズは、2014年第1四半期(4-6月期)の流通総額が49億円、契約金額が4億5000万円、さらに会員数は36万6000人、クライアント社数は9万1000社と実績を公開した。また同時に、パートナー企業が同社のクラウドソーシングサービスのプラットフォームを利用できるようになる新サービス「Lancers Open Platform」を発表した。 Lancers Open Platformでは、ランサーズが保有する36万6000人(2014年8月時点)の会員データを外部のパートナー企業に公開する。パートナー企業はランサーズの会員をディレクションして、独自にクラウドソーシングを活用したサービスを提供できる。 当初はイノーバ、サイバーバズ、ByThink、サムライト、KoLabo、八楽、BIJIN&Co.、LOCUS、インフォテリア、ファストメディア、デジタルステージ、オルトプラス、サテライトプラスの計13社がパートナーとなり、コンテンツライティングや翻訳、動画制作といった事業を展開する。 またパートナーのうちサイバーバスやBIJIN&Co.、KoLaboなどは、自社が抱える会員に対して、ランサーズ経由での発注ができるようなスキームも作るとしている。 ランサーズでは2014年内に100社までパートナーを拡大する予定。また2015年以降にはパートナー数の制限を取り払い、すべての企業にAPIを提供するとしている。 ランサーズ代表取締役社長の秋好陽介氏は、2008年にスタートしたLancersは日本初のクラウドソーシングサービスであると説明(追記 8月13日11時15分:記事公開後に「サイトエンジン(当時はアルカーナが運営)のアポロンのほうがサービスとしては先ではないか?」というツッコミが入った。ランサーズは2008年12月、アポロンは2008年9月の開始だ。ただしアポロンはすでにサービスを停止している。ちなみにKAIZEN Platform CEOの須藤憲司氏がリクルート在籍時に手がけていたC-teamも2008年9月の開始なので、厳密には「サービスが現在も提供されており、かつさまざまな仕事に対応するクラウドソーシングのプラットフォーム(さらに決済機能も備える)」という意味では日本初ということになる)。登録するユーザーがチームを組むことで大型案件にも対応する「Lancers マイチーム」を2013年末から提供しているが、現在「(月額で)500%成長」と好調ぶりをアピールした。

ランサーズの期待、そして課題

秋好氏は自社の好調ぶりを語ったが、クラウドソーシング市場全体の成長も間違いないものだろう。説明会でも、矢野経済研究所の資料をもとに「2018年には1800億円超の市場規模に成長する」という予想が紹介された。だがランサーズに課題がないわけではない。 秋好氏によると、直近の月額契約金額は2億円を超える見込みとのことだが、流通金額(仕事の案件総額。4-6月で49億円)に対する契約金額(実際の成約金額。4-6月で4.5億円)は決して高いとは言えない。 説明会ではその点について記者からの質問がなされており、オープン化の詳細を説明した取締役COO事業開発部長の足立和久氏も、課題として認識している旨を答えている。ただこれはLancersに限らず、オンラインで要件定義からディレクションまでを完結するクラウドソーシングサービスそのものの課題でもある。今回のオープン化で提携企業がきっちりとディレクションに入るのであれば、解決できることもあるはずだ。 また社外を見てみると、競合と言われるクラウドワークスも急速に成長している。直近ではリクルートグループとの資本業務提携を発表した同社だが、流通総額(ややこしいのだけれど、クラウドワークスの言うところの流通総額とは実際の成約金額のことだ)は年間20億円規模とも5月に報じられている。僕が直近に複数の関係者から聞いたところでは、すでに月額の成約金額ベースでランサーズとほぼ同等だという話も聞く。 秋好氏は説明会で「2008年からビジョンは変わらない。時間と場所にとらわれない新しい働き方をつくる」と語った。ランサーズでは、Lancersを2020年に1000万人が利用するプラットフォームに成長させるという目標を掲げている。