日本発のパーソナルモビリティ「WHILL Model A」がいよいよ発売、量産に向け1100万ドルの資金調達も

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CEOの杉江理氏(後列中央)ほかWHILLのメンバー

パーソナルモビリティを手がけるWHILLが、いよいよ製品の販売を開始する。オンラインでの先行予約分となる数十台を国内で製造。10月にも予約者の元に届ける予定。今後は台湾で製品を量産し、先行予約分とあわせて今年度250台を日米で販売する予定。先行予約での販売価格は95万円。

またあわせて、総額1100万ドルの資金調達を実施したことを発表している。今回同社に出資するのは産業革新機構、NTTドコモ・ベンチャーズ、500Startups、東京センチュリーリース、三菱UFJキャピタル、伊藤忠テクノロジーベンチャーズ(ITV)、YJキャピタルのほか、台湾のJochu、米Sunbridge Startup LLP、サン・マイクロシステムズ共同創業者のScott McNealy氏などとなっている。ITVおよびSunbridgeは前回のラウンドからの追加投資となる。

WHILLはTechCrunch Tokyo 2012のスタートアップバトルにも登壇し、見事優勝を果たしている。日産自動車出身の杉江理CEOをはじめとして、ソニーやトヨタグループ、オリンパスなどメーカー出身エンジニアが中心となって2010年にチームを立ち上げた。その後1年をかけてプロトタイプを開発。東京モーターショーなどにも出展したのち、2012年には正式に法人化。販売に向けて製品のブラッシュアップを進めてきた。

杉江氏によると、同社のパーソナルモビリティ「WHILL Type A」の特徴は大きく3つ——24個の小さなタイヤを組み合わせることで、その場での回転、方向転換を実現した前輪や、四輪駆動による走破性といった「機能」、見た目だけでなく利用者の動きやすさを意識した「デザイン」、スマホアプリ経由で操作のカスタマイズが可能な「ソフトウェア」——となっている。

小さなタイヤが連なって構成された前輪

実は僕も5月時点でプロトタイプに試乗しているのだけれども、その場で方向転換できることは狭い通路などでも便利に感じたし、多少の段差なら不自由なく乗り越えれそうなくらいパワフルな駆動だった。そして思っていた以上にスピードが出る(このあたりはソフトウェアでコントロールできるようになるそうだ)。

なおtype Aは各国の法規制には準拠しているほか、米国における工業規格であるRESNAに準拠。日本のJIS企画への準拠に向けた準備も始めているとのこと。

冒頭でも書いたとおりだが、今後はJochuと共に台湾でプロダクトの生産を進める。来年度には2000台程度の量産体制を整える予定だ。日米(現在米国はカリフォルニア州のみでの販売となっている)に加えて、アジア圏での販売を検討している。また直販のほか、パートナー経由での販売も予定する。ただし杉江氏によると、メンテナンスやサポートの体制を整えつつの展開になるとのことだった。ちなみに生産は台湾だが、R&D拠点は日本(東京)、ビジネス拠点は米国という位置づけにしていく。

百貨店での運用実験も

今回の発表は、東京・日本橋の三越百貨店で9月3日の朝に行われた。三越では同日より、イベント「未来の歩き方」を開催。Type Aのほか、クラモトの「Luggie(ラギー)」、片山工業の「walking bicycle club」の展示、試乗を行っている。

ちなみに現場で三越やWHILLの関係者に話を聞いたところ、三越では富裕層の高齢者をカード会員や顧客として多く抱えているそう。その層にリーチできる商品への関心も高いということもあって、今後パーソナルモビリティの販売や店内での運用実験なども進めるという。