V-Sido

「ボカロP」の次は「ロボットP」の時代が来る?

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初音ミクは、ニコニコ動画に作品を投稿する著名な「ボカロP」(プロデューサーの意味)が原動力となってブームを牽引したけど、ひょっとしたらロボットに歌って踊らせる「ロボットP」の時代が来るかもしれない。

ソフトバンク子会社のアスラテックと産業技術総合研究所(産総研)が16日、音楽に合わせて人型ロボットを踊らせることができる制御システム「V-Sido × Songle」を発表した。アスラテックのロボット制御システム「V-Sido OS(ブシドー オーエス)」と、産総研が開発した音楽解析サービス「Songle(ソングル)」を使って実現した。

音楽に合わせてリアルタイムにロボットを躍らせる

V-Sido × Songleの仕組みを簡単に説明するとこうだ。

ウェブ上の楽曲を解析するSongleが、楽曲のビート構造(拍と小節の構造)と楽曲構造(サビ区間と繰り返し区間)にもとづいて、事前に用意された複数の振り付けパターンの中から動きを割り当てる。その上で、V-Sido OSのロボット制御技術が、インターネット経由でリアルタイムにロボットを踊らせる。

楽曲構造の区間ごとに振り付けを指定できるため、ロボットが踊っている最中に振り付けを変えられる。振り付けパターンを無視して歩行動作を指示することもできる。ライブ中に盛り上がっている客席の方向に歩いて行ったり、反対に静かな観客に向かって煽ったりと、インタラクティブな動きができるわけだ。

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V-Sido OSは、事前のモーション設定なしにロボットを動せる制御システム。体制を自動的に補正するオートバランサーを搭載し、急な衝撃や不安定な足場でも倒れにくくすることができる。一般的なシリアル方式サーボモーターを制御できるほか、油圧や空圧で動くロボットにも対応。大きさや形状を問わず、汎用性が高いのが最大のセールスポイントだ。

これまで、ロボットがライブをしようとすると、事前にモーションをプログラミングする必要があった。イベントで引っ張りだこのソフトバンクのPepperなんかもそうだ。そのため、「アクシデントで音と動きがズレると微妙なことになる」とアスラテックでチーフロボットクリエイターを務める吉崎航氏は話す。「V-Sido × Songleはアドリブの効いた動きができるため、テレビの生放送にだって耐えうる」。

初音ミクムーブメントの再現を期待

楽曲はSongleに登録されている、ニコニコ動画やYouTube、MP3など80万曲が利用できる。主にボーカロイドの楽曲が大半を占めている。現時点で踊ることができるのは、V-Sido OSに対応しているロボット。2足歩行ロボットの「GR-001」(HPI製)や「ASRA C1」(アスラテック製)、ドールの形状をした人型ロボット「SE-01」(佐川電子製)などがある。今後は他の企業とも協力して、イベント利用や商品化を目指して実用化に取り組むという。

SE-01を開発した佐川電子の町浩輔氏は、「これまで人型ロボットを買っても、披露する場は競技大会ぐらい。ロボットにモーションを登録するのは難しいが、V-Sido × Songleで動きを制御できれば、ロボットが歌って踊る動画をYouTubeやニコニコ動画に投稿できる。初音ミクの『〜P』のように、今度は『ロボットP』の時代が来るのでは」と期待をのぞかせている。

アスラテックの吉崎航氏(左)と佐川電子の町浩輔氏(右)

アスラテックの吉崎航氏(左)と佐川電子の町浩輔氏(右)