KDDI ∞ Labo第7期の最優秀賞は医療機関向けソーシャル基盤の「Dr.JOY」に

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第7期のメンバーら。一番左がKDDIの高橋誠氏、左から5人目がDr.JOYの石松宏章氏

KDDIのインキュベーションプログラム「KDDI ∞ Labo」。1月27日には第7期のデモデイ「KDDI ∞ Labo 7th DemoDay」が開催され、参加5チームによるプレゼンと最優秀チームの発表が行われた。

花屋が手がける花のオーダーサービス「Sakaseru(サカセル)」

プレゼンのトップバッターを務めたのは「Sakaseru(サカセル)」を手がけるgoalだ。goal代表取締役の西山祐介氏は花屋歴13年のキャリアを持つ人物。以前から「ただなんとなく」という気持ちで花をプレゼントするのはもったいないと考えていたそうで、それがSakaseru開発のきっかけになったのだそうだ。

Sakaseruでは、サービスに登録する約20人のフラワーデザイナーと直接チャットしながら好みの花をオーダーできる。都内であればスタッフが指定の場所、時間に届けてくれる。1月27日午後10時にサービスを公開。プレゼンでは料金について触れていなかったが、サイトを見てみると、8000円から5万円の予算でオーダーできるようだ。

Sakaseru

見つけられなかった情報を見つける画像検索サービス「Ingram」

次に登場したのは独自開発の人工知能をベースにした画像検索エンジン「Ingram」。雑誌で見たオシャレなバッグ、あるいはテレビで芸能人が来ていたジャケットなどの写真をアプリで撮影すると、それに類似した商品の画像を表示してくれるという。

また単なる画像検索に留まらず、蓄積した情報をもとにして「黒い靴を買っている人が好む青色のジャケット」といった具合でリコメンドもできるそうだ。

アプリはまだ公開されておらずその精度は不明だが、どれだけ情報を蓄積して精度を高められるかが成否の分かれ目になる。サービスを開発するアドクオリティ代表取締役 CEOの松田総一氏によると、「人工知能の精度、賢さは学習データに比例する。データを逐一覚えさせるのは大変だが、Ingramではユーザーの使ったデータを蓄積し、その集合知を元に人工知能が自律学習をしてシステムにフィードバックする」のだそうだ。

Ingram

ARを使った次世代スポーツを提唱する「HADO(ハドー)」

3番目に登場したのはmeleapの「HADO(ハドー)」。スマートフォンを挿入してモニターとして使うヘッドマウントディスプレイと、スマートウォッチのモーションセンサーを活用したARゲームだ。実際に体を動かして攻撃を繰り出し、モニター内に表示されたクリスタルを壊していく3対3のチーム競技となっており、meleap代表取締役CEOの福田浩士氏は「単なるゲームで終わらせず、『テクノスポーツ』という名の新たなスポーツジャンルとして普及させたい」と語る。2020年には東京オリンピックと同時開催でテクノスポーツ五輪の開催を目指す、のだとか。以下はイメージ動画。

VR、AR関連の技術はFacebookのOculus VR買収やMicrosoftのHoloLens、Googleなどが5億4000万ドルを投資して話題となったMagic Leapの参入で注目を集める領域だ。

なお会場で流れた動画のクオリティが非常に高かったのだが、こちらはメンターであるテレビ朝日が制作に協力したとのこと。テレビ朝日ではサービスと連動する番組の制作も検討中とのことで、続報を楽しみにしたい。

HADO

完全無料で出版業界のブログを目指す「∞books(ムゲンブックス)」

続くプレゼンターは「∞books」の佐田幸宏氏。佐田氏は、プリントオンデマンドで一冊から書籍を作れるサービス「MyISBN」の開発者。MyISBNではリリースから1年半で250タイトルを出版したそう。コアでニッチなコンテンツの需要を実感するも、技術的、心理的なハードルの高さゆえ出版の機会がまだまだ損なわれていると感じ、∞booksを立ち上げた。

∞booksでは、ブラウザ上でテキストを作成し、レイアウトをするというブログ感覚での出版が可能。もちろん紙の本だけでなく、電子書籍も作成可能。作成した電子書籍はAmazon Kindle ダイレクト・パブリッシング、紙の本はAmazon.co.jpで販売できる。ISBN(国際標準図書番号)が付与されるため、全国の書店で注文し購入することも可能。サービスは2月下旬にリリースする予定。

医療機関専用ソーシャルプラットフォームで医療の効率化を目指す「Dr.JOY」

最後のプレゼンは医師、そして患者の家族向けのコミュニケーションプラットフォームである「Dr.JOY(ドクタージョイ)」を手がけるDr.JOY。代表取締役であり現役の医師でもある石松宏章氏は、自身の経験から「医師が診療以外の事務作業やスケジュール管理などの雑務に忙殺されている」という現状を憂い、業務フローの改善を目的としたDr.JOYの開発に着手した。

DrJOY

Dr.JOYは院内タイムライン、院内カレンダー、院内タスク管理、院内チャットといった機能を提供し、医療業務の効率化を図る。また医療スタッフ間のみならず、患者やその家族に向けての情報共有機能も提供する。3カ月間に及ぶ試験運用を終えており、医師の反響も好評とのこと。すでに東京医科大学、東京女子医科大学、旭川医科大学で導入が内定していて、私達がその恩恵に預かる日は意外と近いかも知れない。ベータ版のiPhoneアプリは1月27日にリリースされている。Dr.JOYは第7期プログラムの最優秀賞、ならびにDemoDay参加者の投票によるオーディエンス賞の両方を受賞した。

第8期は地方連携がキーワードに

∞ Laboの第7期はデモデイをもって終了となるが、すでに第8期のメンバー募集が始まっている。

KDDI代表取締役執行役員専務で新規事業統括本部長の高橋誠氏によると、第7期からスタートした、企業メンターである「パートナー連合プログラム」にクレディセゾンと日立製作所が参画。総勢15社の支援体制を作るという。高橋氏はクレディセゾンには決済系サービス、日立製作所にはIoT関連領域のサポートを期待したいと語る。

また第8期では「地方連携」を新たな取り組みとして開始。地方のスタートアップにもKDDI ∞ Laboのアセットを提供するほか、人材交流などを図る。第1弾として大阪市のグローバルイノベーション支援拠点「Osaka Innovation Hub」との提携を発表。今後もその範囲を拡大していくという。