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Uberが宅配ビジネスで成功する理由

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地理的飽和度は相乗りビジネスのネットワーク効果と利益性の鍵を握る。

ある地域のUberやLyftのドライバーが多ければ多いほど、配車時間は速まり、顧客体験は良くなり、乗車需要が高まる ― その結果ドライバーの収入は増え、多くのドライバーがネットワークに参加する。

昨年David Sacksが描いたUberのポジティブ・フィードバック・サイクルがまししくそれを表している。

もしSacksが正しければ、地理的飽和度の最も高い相乗り事業者が、最低価格と最高の乗車体験を提供することになり、その戦略は明白だ:できる限り多くの資金を調達して需要と供給の両方を助成し、ある意味で「勝者独占」状態を作ることだ。

しかし、果たしてUberのネットワーク効果は無限に拡大するのか、それともある時点で限界効用逓減が始まるのか? Lyftは、Uberのわずか数分の一のスケールで、配車待ち時間とドライバーの遊休時間で対抗できるのか?

仮に、ある地域でUberの地理的飽和度が、Lyftの10倍いや100倍のドライバーを持つまで拡大したとしよう(ドライバーは両方のサービスで同時に働くことが可能なので、現実にはまずあり得ない)。しかし、もしLyftが規模の違い敗れたとしても、Lyftがのドライバーが毎回3分以内に迎えにくるところまで、相乗り市場が拡大することは想像できる。

待ち時間が1分と3分で何が違うだろうか? 殆ど変わらない。

もしLyftがその目標を達成すれば、彼らはUberの密集度優位性を打ち消し、それによって財政的に優位性にも対抗できる。その段階で、Lyftは安定して市場シェアを獲得できることが予想される。なぜなら2社の本質的価値提案の差は小さいからだ。

そうした路線密度による限界効用の逓減は、Uberの戦略にとって何を意味するのだろうか?彼らの前例のない路線密度が価値を生む、そんな価値ある市場は他にないのだろうか?

圧倒的な路線密度によって、小荷物宅配ビジネスへの新規参入はほぼ不可能となっている。

ある。同じスケール経済は、運送ビジネスの最終配達部分に適用できる。そこではFedEx、UPS、USPSらが圧倒的地理的飽和度を達成している。これらの会社は、全米のほぼ全ブロックに毎日ドライバーを走らせているので、1つ余分に荷物を配達するための限界費用は1.50ドルまで下がっている。そしてもし2つの荷物が同じ家に届けられれば、2つ目の配送コストはほぼゼロになる。

この圧倒的な路線密度によって、小荷物宅配ビジネスへの新規参入はほぼ不可能となっている。DHLは世界運送ネットワークのトップ3に入っていながら、国内市場への参入には失敗し、2008年後半に撤退している。

しかしUberには、こうした巨大既存事業者をも上回る優位性がある。大企業運送業者は、各ブロックに毎日ドライバーを配置できるかもしれないが、Uberは各ブロックに〈毎分〉ドライバーがいる。

FedEx、UPS共に時間指定集荷を行っているが、Uberは(恐らくいつかLyftも)オンデマンド配達のための即時集荷に必要な密度を有している。これは、全く新しい世代のリアルタイムEコマース体験を可能にするゲームチェンジャーだ。

すでにUber Poolのユーザーは、低料金と引き換えに赤の他人と相乗りするころを受け入れている。もちろん顧客がトランクに荷物を入れるためにドライバーが停車することにも同じ取引きをするだろう。そしてもしドライバーが荷物を配達するために車を止めても、客は現在のUber Pool体験とさほど違いを感じないだろう。

Postmates等の宅配サービスと異なり、集荷した同じドライバーが配達する必要はない。単にトランクに荷物を積んでいき、一日の終りに集荷センターで荷下ろしするだけでよい。

すでにUberは、単なる相乗りサービスではなく、リアルタイム運送ネットワークへの道を歩み始めている。彼らは香港でUber Cargoを、ニューヨーク市でUber Rushをスタートさせた。現時点でこれらのサービスは、それぞれ運送トラックと自転車メッセンジーからなる別々のネットワークだ。しかし、Uberが相乗りサービスドライバーの密なネットワークを活用した運送ソリューションを提供するのは時間の問題だろう。

これが重要である理由の一次分析は明白だ:物流は世界GDPの12%を占めており、運送ビジネスはUberに膨大な収入源をもたらす。二次分析はおそらくもっと興味深い:荷物と人間が互いに助成し合うことによって、それぞれ単独よりも両サービスともに安くなる。

小荷物宅配サービスはUberにとってライバルLyftに対する強力な武器になる。かつてUberが突然、キャッチフレーズを「みんなのお抱え運転手」から「ライフスタイルが物流と出会う場所」に変えたことが、一層意味を持ってくる。この変更をはるか遡る2013年に実施していたことは、Uberが業界で最も先見性のある経営チームを持っていることを示している。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook