東京五輪で「VRによるセカンドスクリーン」の提供目指す——コンテンツ制作のDverseが資金調達

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縮まりつつあるデジタル格差

人工知能(この数週間だけでも何度この文字を見かけたことか)と並んで注目の集まる領域がVRだ。VR特化のHMDであるOculus Riftは2016年第1四半期の正式発売が決まったようだし、視線入力に対応したFOVEなども製品化が進んでいる。1000円の段ボール製キットとスマホでVR体験のできるハコスコだってかなり驚く体験を提供してくれる。

VR向けのデバイスが登場すれば、次に必要となるのは「コンテンツ」だ。そんなコンテンツ、つまり360度対応の映像やCGの開発を手がけるスタートアップのDverseは7月13日、韓国のBonAngels Venture Partnersおよび日本のViling Venture Partnersからコンバーチブルノート(転換社債の一種)での資金調達を実施したと発表した。金額は非公開だが数千万円程度だという。

Dverseは2014年10月の設立。代表を務める沼倉正吾氏はCAD/CAMシステムなどを開発するゼネテックの出身。2013年にKickstarter経由でOculus Riftを入手し、前職時代から300人以上にヒアリングを実施。そこでVRのニーズの高さを感じて起業を決めたのだという。6月に開催されたVRコンソーシアム主催の「VRクリエイティブアワード」では、NHKエンタープライズが手がけたパノラマ部門の入賞作品にも関わった。

専用機とスマホにコンテンツを提供

VRと聞くとゲームやエンタメを思い浮かべがちだが、同社はOculusなどの専用機とスマートフォンでそれぞれ異なる方針でプロダクトを提供していくという。

前者では空間設計向けの「VRF-デザインシステム(仮)」や教育向けの「VRF-エデュテインメントシステム(仮)」を開発中だ。これらを使うことで、例えば工場やマンションなどを3Dで再現して、機材の導入、レイアウトなどを閲覧できたり、動画や文書だけでは習熟の難しい「熟練の技」などを仮想体験によって学んだりできるという。

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またスマートフォンに関しては、「100ドル以下のAndroidでも軽く動く、4K静止画+CGによる動的VRコンテンツが強みになる」(沼倉氏)とのこと。WebGLをベースにしており、特別なアプリをインストールしなくてもブラウザで閲覧可能。さらにテレビや雑誌などとに連動を想定して、URLやQRコードや音響すかしなどからコンテンツへの誘導が可能だという。現在開発中のコンテンツは今秋にも公開の予定。

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スマートフォン向けコンテンツのイメージ

メディア連動は非常に重視しているポイントだそうで、2020年の東京オリンピックにおいても、「例えばテレビでは通常のスポーツの中継をしている中、セカンドスクリーンである手元のスマホでは審判やゴール前の360度の映像が見られるといったようなこともやっていきたい」(沼倉氏)としている。