登録ユーザー600万人突破のLINEバイト、根強い人気のフリーペーパーの置き換えを狙う

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2015年2月、転職やアルバイトの求人情報サービスを展開するインテリジェンスと無料通話アプリのLINEは共同出資による新会社、AUBEを設立した。AUBEはLINEからアルバイト情報を検索して応募までできる「LINEバイト」を提供している。2015年8月、従来の「WEB応募」に加え、求職者がLINEから応募できる「LINE応募」を追加し、「LINE応募」は全体の応募の82%を占めるようになった。そして、2015年10月にはLINEバイトの登録ユーザー数は600万人を突破した。今回、AUBEの代表取締役社長である上土達哉氏にLINEバイトの現状と今後の展望について話を聞いた。

LINEバイトでは、インテリジェンスが運営するアルバイト求人サイト「an」で掲載している10万件以上の求人情報にアクセスし、応募することができる。LINEのユーザー層とanのユーザー層はどちらも20代の学生を中心とする若年層が多く、両サービスの親和性は高いと上土氏はいう。

従来のウェブサイトや電話での応募の課題は、応募の後、面接を設定するためのメールや電話のやりとりに手間がかかることと上土氏は指摘する。電話をしても学生は授業中で出られなかったり、互いに相手がメールを確認したか分からなかったりと不便な点があった。LINEバイトで応募すると、求職者の応募情報は企業のLINEアカウントであるLINE@に届く。求職者と採用担当者はLINE上で面接の日程を調整したり、シフトの相談や質問をしたりすることができるのがLINEバイトの特徴という。

「近年アルバイトは採用しずらい状態です」と上土氏は説明する。2015年9月における全体の有効求人倍率は1.24倍だが、パートタイムに限っては1.59倍だ。採用側には興味を示してくれた人材を確実に採用したいという思いがあると上土氏は言う。学生が普段から使用しているコミュニケーションツールを使用することで、求職者と採用担当者の連絡をスムーズにし、採用までの時間を短縮することができると上土氏は話す。これまで応募から採用まで2週間かかっていたが、LINEバイトでは最短2日で採用に至った例もあるという。

アルバイトの媒体としては、同様の競合サイトも多く、SEOだけで求職者に訴求するのが難しくなっていると上土氏は話す。LINEバイトでは、ユーザーと新たな接点を持つことができ、ウェブサイトではリーチしずらかったユーザーにもリーチできるようになるという。例えば、地方のユーザーだ。アルバイト探しの手段としてウェブサイトよりフリーペーパーの方が未だに根強い地域もあると上土氏は説明する。理由の1つは、ウェブサイトだとパソコンを起動し、求人サイトに行って、個別求人情報を探すという手間でかかること。もう1つは、アルバイトの求職者は特定の職を探しているとは限らず、一覧性が高くて多様な仕事情報を受動的に見ることができるフリーペーパーが好まれているのではないかと話す。ただ、一番身近なスマホから同じように多くの求人情報を閲覧でき、応募までできるのなら、十分このサービスが浸透する余地があると上土氏はいう。

上土氏はLINEバイトの今後について、アルバイトの労務管理の領域までアプローチしたいと話す。求職者は通常、アルバイトに応募して採用が決まったのなら、シフト通りに働き、その分の給与を受け取ることになる。LINEバイトではアルバイトの応募から面接するまでの工程を簡略化したが、ゆくゆくはその次に必要なシフト管理や給与の支払いまでカバーしたいという。また、仕事を辞めて新たなアルバイトを探す時も、仕事の評価や前職の経験に応じた給与を表示したり、雇用主と給与を交渉できたりするようにしたいと話す。時間で一律の給与ではなく、本人のスキルに応じた給与であるべきと上土氏は話す。

アプリの使い勝手の面では、ユーザーのそれまでの仕事経験や検索履歴などを機械学習で解析し、それぞれのユーザーにぴったりの求人情報をレコメンドすることができるようにする予定だそうだ。