三菱地所が仕掛けるスタートアップ支援の拠点「グローバルビジネスハブ東京」が大手町にオープン

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日本のスタートアップの集積地と言えば、1990年代からITベンチャーが集まる渋谷が一番に思い浮かぶだろう。数名で運営しているスタートアップから上場したメガベンチャーまで、あらゆるITスタートアップの住処になっている。だが、明治時代から日本を代表するビジネス街である東京、丸の内エリアも国内外のスタートアップ誘致に力を入れているようだ。三菱地所は今年4月に竣工した「大手町フィナンシャルシティ グランキューブ」の3階に「グローバルビジネスハブ東京」をオープンする。「グローバルビジネスハブ東京」は、海外の成長企業や国内の先端ベンチャー企業を誘致し、ビジネス支援を行うことを目的とした施設だ。7月4日のグランドオープンに先駆け、三菱地所は記者発表会を実施した。

「グローバルビジネスハブ東京」には全50区画(2名から20名用)の小割オフィスや全14室の会議室を始め、200名ほどを収容可能なイベントスペースや共有ラウンジといった設備がある。空間デザインは「City Camping」と題し、明るくてオープンなアメリカ西海岸のようなオフィスがコンセプトであると三菱地所、街ブランド推進部長の相川雅人氏は話す。7月4日のグランドオープンの時点で海外企業25社、国内企業17社の計42社が入居予定だ。

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オフィス家具、インターネット環境、清掃サービスなどオフィスのハード面が充実していることはもちろんのこと、ソフト面からもビジネスの後押しをすることが「グローバルビジネスハブ東京」の特徴だと相川氏は説明する。三菱地所は2007年から「EGG JAPAN」という取り組みを始め、事業の拠点となる「ビジネス開発オフィス」と「東京21cクラブ」というビジネスパーソンの交流を目的とした会員制ネットワークを構築してきた。「EGG JAPAN」は新丸の内ビルの9階と10階にあり、米国のLinkedInやBox、イギリス発のSkyscannerなど海外企業も多数入居している。「グローバルビジネスハブ東京」は「EGG JAPAN」と連携することで丸の内の企業とのネットワークを活かし、入居する海外成長企業、ベンチャーキャピタルなどの専門企業、国内成長企業とのコラボレーションとネットワーキングを加速させるという。

また今回の取り組みの一環として、米国のベンチャーキャピタルファンドにLPとして出資したと発表した。SOZO Ventures、DRAPER NEXUS Ventures、500 Startupsの3本のファンドに出資する。これによりシリコンバレーとの接点を強め、スタートアップ企業の事業開発を支援する計画と三菱地所は説明する。

「グローバルビジネスハブ東京」の他にも、三菱地所は電通と電通国際情報サービスの3社協業事業として今年の2月、東京丸の内にFINOLABを開設している。FINOLABはフィンテックにおけるイノベーションが生まれる環境とエコシステムの創出を目指した施設だ。三菱地所はこういったビジネス支援施設を開設する意図として、自社テナントに誘致できる優良企業の発掘につながること、そしてすでに丸の内エリアに拠点を構える企業にとっての付加価値を提供するためと説明する。現在、丸の内エリアには4000社以上が拠点を置き、上場企業の本社数は92社に上る。そういった大企業の多くはオープンイノベーションに取り組んでいて、国内の先端ベンチャーや海外の成長企業も同じエリアに集まることは、各企業間の交流を生み、イノベーションの助けとなるだろうと話す。

「グローバルビジネスハブ東京」のオフィスは2名から20名とあるが、入居予定の企業リストを見ると、日本進出を目指す海外企業やある程度確立した国内ベンチャー企業が多いようだ。「グローバルビジネスハブ東京」はゼロから新しいアイディアが生まれる場所というよりは、成長ビジネスを大手企業とつないだり、国内と海外の架け橋となったりすることで事業の応援をする拠点という位置付けのようだ。大手町という立地からして、賃料面は設立間もないスタートアップにとって高嶺の花であるかもしれない。